第113回 高校2年・研修旅行の出発まであと1週間
高2の研修旅行は、毎年だいたい10月下旬に、日本全国の各地に数コースの分散で実施されます。
今年度は、来週月~金曜日の4泊5日に、「北海道」「北陸」「関西」「西九州」「沖縄」、の5コースに分かれて行われます。飛行機も使うコースと鉄道中 心のコースがあります。高2諸君は、基本的に各自の希望に沿ってコースを選べますが、場合によって人数調整を行うことがあります。
先週土曜日に、高2保護者説明会が開かれ、その詳細が説明されました。
どのコースも、担当教員の強い意気込みと、入念な下見により、とても魅力的なコース予定になっています。委員の諸君も張り切って、準備学習やパンフ作成を進めています。
その地域ならではの体験学習があり、住民や関係者との交流や学びがあります。地域を代表する「食」の世界や、美しい自然・景観との出会いもとても楽しみ でしょう。「民家泊」や「民宿泊」の追求も、本校研修旅行の伝統になっています。「体験や交流が濃い」のが自慢の学園の旅行です。
各地域が抱える産業や暮らしの問題についても、これまで「特活」で学んできたグローバルな視点とつなげてみて、深く考えて欲しいと思います。
それでは、保護者説明会の資料から転用する形で、各コースの旅行目的や、独自の魅力を紹介いたしましょう。
【北海道コース】
日常の生活環境から離れ、自然や文化などに親しみながら様々な体験を通じて、
『人間』としてさらに成長することを目的とする。
①『酪農業体験』を通して、酪農業従事者とのふれあい・交流を通じて異文化交流
体験をし、普段何気なく食べている
も物がどのように作られ・収穫されるのかを学び、食への関心を高める。
②日本で初めて世界地質遺産に認定された、『洞爺湖有珠山ジオパーク』におけ
る環境学習に取り組む。
③ユネスコの無形文化遺産に登録された『アイヌ古式舞踊』の鑑賞をし、アイヌ
民独自の精神や伝統文化について学ぶ。
【北陸コース】
今年10月に行われる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にも関連させ、
生物多様性の場として重要な「里地」・「里山」について体感的に知ることを
テーマの一つとする。また、日本の自然や伝統文化に触れることで、その素晴
らしさを再認識するとともに、現代的課題についても考えられるようなものに
する。
【関西コース】
関西でもなかなか足を運ぶことのない京都丹後半島。この地域を訪問し、そこ
で暮らしている人たちと交流をし、伝統・文化・歴史・暮らしを感じ取ってくる。
①伊根町の「重要伝統的建造物群保存地区」の船屋に泊まり、地域の文化・伝
統など地域の人たちとの交流を通じて学ぶ。
②「舞鶴引揚記念館」を訪問し、教科書では学べない戦後シベリア抑留されて
いた人々の苦労や、その家族の思いなどに触れ、平和について考える。
③資料やインターネットをを使って、班別自主行動計画書を作成し、班員で協
力し合って計画的に関西地区を観光する能力を身に付ける。
【西九州コース】
自然の素晴らしさや雄大さを知ると同時に、自然の脅威について学ぶ。また、青島における民泊体験を通して、その土地の自然と共存する人々の生活に触れることで、「自然と人間の共生」・「生物多様性」・「持続可能な社会」について考え、理解を深める。
①特別教育活動にて培った力を生かし、長崎市内を中心
にして、班別自主行動の計画を練り、班員全員が協力
してテーマに沿って行動する。
②イルカウォッチングや雲仙地獄巡り、普賢岳の災害学習
などを通じて、自然の雄大さや素晴らしさに触れると同
時に、自然の脅威についても学ぶ。
③青島での民泊体験を通じ、かけがえのない人間同士のつ
ながりや家庭の大切さを見つめ直す。また、さまざまな
漁業体験や家業体験を通じ、自然と人間の共生について
考えを深める。
~以上の3点から、生物多様性や持続可能な社会について、理解を深める。
【沖縄コース】
自分たちとはまったく異なった地域である沖縄を訪ね、文化、歴史について深め、その地に住む人々からふれあいを通じて学ぶ。また戦争の歴史に学び、真の「平和」について考える。
①第2次大戦最後の激戦地となった沖縄。その壮絶な歴史的背景を事前学習や
訪問を通じて学び、改めて今の「平和」について考える。
②現地では、民泊を通してその地に生きる人々にふれあう中で、そこに住む人
々の目線から「戦争と平和」について理解を深める。(→民泊レポート提出)
③沖縄の残された大自然や独自の文化について、体験を通じて学ぶ。