第1143回 中学2年生の総合学習~藤沢・湘南地域の人びとから学ぶ
本日は、中学3年と中学2年が終日の校外学習を実施します。今日の通信では、中2の総合学習についてその概要をご紹介します。
中1の総合学習では、ハンディキャップを持つ人びとの生活と願いを知る体験学習を起点に「かけがえのない自分の大切さ」や「他者も一人ひとり貴重な存在であること」を学びました。中2ではそれを踏まえて「私達の生活と幸せは、身近な人びとと協力して可能になる」ことに着眼し、人びとが協力する「地域」を舞台に、人びとの暮らしと仕事や様々なつながりを知る学習を主としています。
学園所在地の藤沢市や湘南地域一帯には、様々な住民の取り組みや協同があり、輝く人びとがおおぜいいます。地域を大切に誇りに思い、より暮らしやすい、楽しい地域にしようと働き、動かれる姿に直接に出会うことが主眼です。お話を聞いたり少しお手伝いさせて頂いたりします。街や現場でいろいろなことを発見してもらいたいです。
またこの総合学習を通じて、クラスの人間関係を見つめ直し、皆で協力していく意欲を育てていくことも大切なねらいです。各クラスで総合学習の委員が選出され、クラスと学年の運営の中心になります。
各クラスでは6月下旬に、関係者の方々の講演を聞いたり、現地や関連場所を下見で訪問したりして、本日のフィールドワークを迎えました。各クラスのテーマとおもな活動内容は以下のようになっています。
A組 テーマは「藤沢の農業について」。 藤沢市内の北部・西部・中部の果樹園や野菜農家、全農直売所などを班別に訪問し、袋かけ・収穫・袋詰め・出荷・陳列など様々な就業体験をします。地元藤沢がとても広くて実は農業もさかんで、地産地消も進んでいることに驚くことでしょう。
B組 テーマは「海で生きる人びとに学ぶ」。なぎさの体験学習館や新江ノ島水族館を訪問し、湘南西海岸では清掃活動を行います。かながわ美化財団の方の事前指導も踏まえ、海とゴミの関係を考えました。FWのビーチクリーニングを通じて海の問題だけでなく、協働について学びます。
C組 テーマは「湘南をベースにトップレベルで活躍するスポーツチームから学ぶ」。平塚・湘南ベルマーレを訪問し、練習や施設の見学、関係者との質疑応答などを行います。事前学習では街やお店の人にインタビューも行いました。ファンや住民とつながる地域密着の運営に注目します。
D組 テーマは「食べよう!湘南の味」。藤沢市内の果樹園・農園・青果店・網元などを班ごとに訪問します。事前に学園カフェテリアの取り組みを知り、仕入れ先の八百屋・近隣農家・漁師さんのお仕事を市役所担当者から学んでの訪問であり、戻ってから訪問先で得た経験を交流します。
E組 テーマは「江の島観光マップ“英語版”を作る」。2020東京五輪でヨット会場に選ばれた江の島。下見も経て多数のお食事処とお土産屋を訪問します。島の魅力を満喫しながら入念なアンケート調査で地元中学生によるオリジナルガイドの製作を目指す、実用性と夢のある企画です。
F組 テーマは「里山づくりとその保全のためにつながる人びとから学ぶ」。市内の広大な新林公園が舞台です。事前にGWの宿題を発表し合うプレゼンとレクチャーを受け、現地ではみどりの会の方の指導で保全活動を体験します。現地のハイキング&自然観察やクラスレクも行います。
広範な分野で就業される、藤沢市内や周辺地域の多数の方々のご協力を頂いてこの総合学習が成立しています。班のメンバーの協力や対話を大事にして、実り多い体験学習にしてほしいと願っています。
※ 写真は、以前の学年の中2総合学習の様子を撮ったものです。