スウェーデン留学レポート No.2
出発前に1年なんてあっという間だよ!と皆に言われ、それは楽しい時間だけだろうと思っていたのですが、さっぱりわからなくて、つまらないスウェーデン語での授業ですら、あっという間に過ぎていき、いろんな意味で、このままでいいのか?と危機感を持ち始めました。特に危機感を持っているのは言語です。スウェーデンの人たちの英語力のお蔭で、英語での会話や映画も楽しめる程度にはなりましたが、スウェーデン語はまだまだです。9か月過ごすホストファミリーの母国語がドイツ語、というのも大きいかなと思いますが、やはりせっかくスウェーデンで暮らしているので、スウェーデン語を学んで帰りたい、と焦っています。(と言いつつ、目の前の楽しい毎日に追われています・・・)。
■スウェーデンのこと
11月に入り、スウェーデンはすっかり寒くなりました。気温が0度を下回る日もあります。15時くらいには暗くなり、ここヨーテボリはあまり晴れず、曇りがちな毎日です。でも街は少しずつクリスマスムードが高まってきていて、街を歩いていても、イルミネーションや装飾でワクワクします。
(余談ですが、スウェーデンの街のトイレの殆どが有料で驚きました。)
スウェーデンで最大のイベントデイがクリスマスで(日本のお正月と同じイメージ)ほとんどの人が家族や親せきと過ごすそうです。ちなみに、クリスマス休暇は2~3週間が普通で、クラスメイトに私の日本の学校はクリスマスイブも学校が あるし、殆どの人が普通に働いている、と話したら、クレイジーだと驚いていました。
ちなみにスウェーデンの税金は、25%です。(物によって税金の値段は異なりますが)それに比べて日本の消費税はまだ8%なので、 とても安いのかな!?
■今日までのできごと
【9月5日 カラーランに参加してみた】
スタッフが1キロごとにいて、走ってる人にエリアごとに決まっている色の色粉をかけていく
【9月12日~1泊 ロータリーキャンプ 船旅】
大きな船での旅行、とても楽しい♪
船の上でお食事、ラザニア等
参加者はアメリカ7人、ブラジル2人、アルゼンチン1人、日本1人
【9月18日~2泊 ザリガニパーティー】
この時期だけ開催されるザリガニパーティーでザリガニの食べ方を教えてもらいました。各国からの留学生約60名が集まりました。(アメリカ、カナダ、フランス、ブラジル、ポルトガル、スイス、アルゼンチン、台湾、日本)
皆で歌いながら、食べたり飲んだりして楽しみます♬
【9月26日 ロータリーボランティアイベント】
ボランティアレスキュー団体の方々のお話を聞き、実際にセーリングをさせていただきました。
【10月2日~2泊 ホストファミリーとドイツ旅行 船で】
街みたいに大きな船、11階まである!
ドイツの街並み(船からの写真)
バスの2階の屋根はオープン!
建物もカッコイイ!
【10月12日~2泊 学校行事 ストックホルム旅行】
ストックホルムに到着
ストックホルムの街並み
【10月16日~1泊 ロータリースウェーデン語イベント】
スウェーデン語わからず、苦戦・・・友達と遊んでる・・
【10月18日 友達の誕生日会に呼ばれて】
素敵なお家でした♪
【10月24日~2泊 仲の良い留学生達とお泊り】
寿司を作りましたよ~最近得意料理です(笑)
日本のインスタントラーメンも好評でした!
ブラジルのナターリアも一緒に皆でスカイプ♪
【10月31日 ハロウィン】
ハロウィンはそんなに盛んではないみたい・・・
【11月2日 ホストファミリーのマキシの柔道見学】
こんな遠くのスウェーデンで日本の柔道が!
人気の習い事の一つだそうです。
【11月7日 ホストファミリーに茶道を紹介】
お土産の浴衣を着つけと日本の茶道を紹介しました。大好きな茶道を紹介できて嬉しい。
【11月21日 ホストブラザーGustuvのコンサートへ】
セカンドホストブラザーの演奏を聴きにコンサートへ。
最後の終わり方も素敵!
■学校のこと
日本の学校との違いは、たくさんありますが・・日本の友達に話すと驚くのは、学校で携帯OK!(学校Wi-Fiあり)しかも授業中も携帯OK!更に授業中の飲食もOK!テスト中に音楽を聴いてもOK!でもスウェーデンの学校では授業中に寝ている人は、いません・・。授業はディスカッション形式が多く、実験なども多いです。
英語の授業は、先生が英語しか話さず実践的で高度な内容で日本の学校との違いを実感します。
【学校】
クラス写真。私も入っていて嬉しい♪
誕生日の人は友達がロッカーを飾ってくれるのが習慣みたい!
学校の窓もクリスマス装飾!
【給食】
毎日、少しずつ違うブッフェ形式のランチ♪(▼左)
ポテト系やミートボールは必須メニュー(▼右)
【学校の様子】
ハイテク!?な授業風景(全ての授業風景ではありません。)
授業と授業の間が長くて自習している子も多い。
数学のテストも謎
■スウェーデンでの暮らし
どこを見てもオシャレで素敵な街、スウェーデンの魅力が伝わるといいな。
【Fika (フィーカ)】
スウェーデンには、「fika(フィーカ)」というティータイム、コーヒータイム、休憩?のような習慣があります。私も毎日のように学校帰りに友達とカフェで「fika」したり、休日にはホストファミリーと自宅で、甘いものや飲み物を飲んで、ゆっくり温かい時間を過ごしています。街にはオシャレなカフェも多く素敵なカフェを見つけてfikaするのが楽しみです。
【スウェーデンの家 (友達の家)】
スウェーデンの家は、どこに家もセンスがよくて素敵!!
【ヨーテボリ大学】
友達がヨーテボリ大学に連れて行ってくれました。
【街のお店】
【街のクリスマスムード】
街はもうスウェーデン最大イベントのクリスマスムードになってきています。
ちなみにスウェーデンではサンタクロースとは呼ばずに、tomteと呼びます
■その他
スウェーデンに来て気付いたことは沢山あります。よくスウェーデンと日本は何が違う?と聞かれますが、違うことが有り過ぎです!!私がスウェーデンを一言で表すと “全ての人に優しい国”。一部の人にだけではなく男女平等はもちろん、子供から、お年寄り、障害のある方、そして移民を含めた外国人まで本当に、すべての人に優しい国。そして、福祉面の充実ぶりは、ゆりかごから墓場までという言葉通り。
例えば子育て。親は子供を産むと、国から毎月支給金を受け取れます。教育面では、幼稚園から大学まで無償。食費も一切かからない。しかも高校では在学した生徒に国からお金まで支給される。これは、高校進学が義務付けされてないので、働く代わりに教育を受けているわけだから、その分お金を得ることが出来るというわけ。(だいたい毎月1050kr日本円で15000円くらい)そして日本とは違い、高校を卒業した後は、ほとんどの人がギャップイヤーを利用して大学に進学する。この期間にほとんどの人は外、つまり海外へ旅行したり、ボランティア活動などをして、自分探しをする人が多い。
日本の大学は本当にお金が掛かると思います。私立はもちろん、公立も。もちろん奨学金制度はあるけど、それを返さなければいけなくて、社会人になっても、その返済が大きな負担になっている人が多いと聞きます。
スウェーデンは移民にも優しい。沢山の移民を受け入れていることは、世界でも有名です。もちろん、これに伴って沢山の問題もあります。そもそも教育の無償化などの福祉は国民によって収められる高い税で賄われているわけです。だから自分達が払っている税を他の国から来た人達に使われるのはどうか、と考える人もいます。それでも移民を受け入れ続けてるスウェーデン。それは、多くの人が賛同してるから?実際、いろいろな所で移民への寄付金を集めるためのコンサートなどのボランティア活動を多く見ます。福祉政策の一貫として移民援助もあります。そして、子供達もこうした移民の問題についてきちんと考えている。私は、世界はもちろん日本のことすら、学校で適当に習ってテスト終わって忘れちゃうの繰り返しでした。 でも、ここは違います。高校生同士の普通の会話で移民政策の話が出たり、中国の一人っ子政策やアメリカの政権の話をしたり、それぞれが自分の意見を持ってる(そしてそれを誰もが母国語だけでなく英語でも話せちゃう所がすごい)。みんな世界を見ていると思う。それは、日本が島国だから、ということだけでなく、やはり教育の違いだと思う。(教育の違いや福祉政策についてはまた今度書きたい・・)
この人口900万人の小さな国が、遠くの日本にまで進出するIKEAやH&M、VOLVOなどの大企業を生み出している力は、子供のころから世界に目を向け視野を広げ、多民族国家ならではの様々な民族の知恵の結集なのかもしれない。そしてスウェーデンは移民を受け入れ、国からだけでなくスウェーデン人達自身が援助もしている。
学校では、自分は他人と違っていい、完璧でなくてもいい、個人個人を尊重しようと教わる。 それは、目や肌の色だけでなく、能力、考え方、多様性はあって当然だと考えている。日本ではあまりそういう事を感じない。ほとんどの人が”みんな”と同じ波に乗りたがり、それをヨシとする風潮があるから。
スウェーデンは日本よりもずっと人が生きやすくて、多様性のある国だと思う。
そして人だけでなく、環境も。スウェーデンは自然豊かで、それは単なる人口の少なさと地理的な大きさからだけだと思っていました。でも、ここに来て分かったのは、スウェーデンの人はその自然を誇りに思ってるし、本当に大切に守っていこうとしている。
ゴミの分別の多さ、自転車、バス利用者の多さとか…今は思いつかないけど、本当に色々な所で環境を配慮した工夫を見つける。(だから環境によくないガソリンなどの税金はものすごく高くなっています)
まだまだ書ききれないし、私では、4か月の滞在で、スウェーデンのことを語れないと思います。
でも、とにかく私はスウェーデンが大好きで、来てよかったと毎日思っています。スウェーデン人は、日本人と同じ位、もしかしたらそれ以上にシャイな人たち。でも、とてもとても優しく温かい人たち!ヨーロッパの最北、スカンジナビア半島に位置する寒い国だけど、ここは、とても温かい!(私のクラスメイト達からしたら、”つまらない国”らしいけど~)
最後に、高校留学について。高校留学を経験していた人は皆 「大学で留学した人は高校で留学した人よりも、遥かに現地の友達が少ない。」と言います。確かに、たった一人で遠くの地で高校生活をおくり、苦労して得られる経験や友達は本当に多いと実感しています。大学では、もっと勉強に追われ、今の私ほど、友達やホストファミリーと過ごす時間が少ないのかもしれません。いろんな国の多くの友達に恵まれ、私は日本の高校生活も本当に楽しかったのに、スウェーデンでも高校生活が送れて幸せだと思っています。もっと他の国でも高校生活を送ってみたかったくらい。
そしてホストファミリーと過ごすっていうのも大きな意味があると思います。実際にスウェーデン人(まぁ私の場合は、ドイツ人でしたが)と暮らすことで、発見出来ることは沢山あり、それ以上に沢山のスウェーデン語を学べる。(私は、学校に近いセカンドホストファミリーの家によく泊まりに行きますが、セカンドホストファミリーのママ、アンナといる時、すごくスウェーデン語の勉強になってます)ホストファミリーと過ごすことで、その国の文化、習慣、考え方、家族の形、食生活、、教わり得られることは限りない! 私は文章力ないので、あまり書けませんが、多分1年前の私では考えられないくらい様々なことを考えるようになったし、素直に感謝の気持ちがわくようになりました。日本とは、世界とは、地球とは、文化とは、環境とは、家族とは、友達とは、教育とは、自分とは、、、そんな事を考えるようになる自分にも驚いています(笑)
本当に高校で留学できてよかったです。 今も、私を近くから、遠くから、支えてくださっているたくさんの皆様、受験勉強をがんばりながら応援してくれる友達の皆、全ての皆様に感謝を込めて。