第1263回 歴史ツアーの生徒報告と大使御夫妻によるリトアニア紹介
今年度本校では、地域在住の方々や市民の皆様にも公開する形で「連続講演会」を開催してきました。第Ⅰ期では「鵠沼をめぐる人びと」として、この地域にゆかりの深いテーマと人物を取り上げ、外交官・杉原千畝氏の生き方に深く学ぶ特集も設けさせて頂きました。
その後、関連映画の上映の実現にも励まされ、第Ⅱ期最終にあたる今回は、昨年夏に杉原千畝氏の人道的行為について現地訪問で学んだ生徒達の旅行報告を行うご縁から、リトアニア大使閣下が御来園下さる運びとなりました。
中高ホールで行われた講演会には、ツアー参加者の御家族や地域在住・市民の方々、在校生や学生達、PTA保護者や中高教員など50名以上が参加して下さいました。
まず前半では、中高実施の「早大生と行く!ポーランド(アウシュビッツ)・リトアニア ヒストリーツアー」に参加した生徒達が、現地における研修内容について発表しました。ツアーの行程や2か国の訪問地の見所、市民生活や文化、ワルシャワ蜂起やアウシュビッツ強制収容所で学んだことや感じたことなど、写真もいっぱい準備してわかりやすいプレゼン発表をしてくれました。
そして後半では、メイルーナス大使御夫妻にリトアニアの歩みと現在、日本との関係やリトアニアの様々な魅力についての御講演をして頂きました。
13世紀に建国したリトアニアは、中世には欧州屈指の大国だった時期もあります。その後ロシアやドイツとの関係で苦難の歩みが続き、亡国の後に独立を回復する歴史がありました。現在はEUに加入して経済成長も著しく、科学技術や教育の高い水準は特筆されます。キリスト教の世界に入るのが遅かったため、古来の宗教基盤や自然崇拝の伝統など独自の文化は日本の文化にも共鳴する部分があります。杉原千畝氏を通した親日感情の大きさも注目されます。
メイルーナス大使と奥様は大の親日家でした。日本語が堪能なガリナ様は日本への思いも語られながら、リトアニアの魅力について幅広い分野から素適なプレゼン紹介をして下さいました。リトアニア独自の料理や年中行事や風俗にこめられた民衆の祈りや願いを紹介して下さいました。御夫妻のレクチャーをお聴きして、“リトアニアに行ってみたい!”との思いがこみあげました。
なお、メイルーナス大使の御講演は英語で行われましたが、早稲田大学公認サークル「千畝ブリッジングプロジェクト」メンバーの小薗さんが同時通訳をしてくれました。このサークルに結集する早大生の皆さんは、上記のツアーに毎回同行して、参加者の事前事後学習でも支援してくれています。終了後には、御夫妻や学生の皆さんと懇談の時間を持つことができました。
講演会に参加された方々から、めったにない貴重な機会でありとても興味深く講演を聴けたとの感想を寄せて頂いています。本校独自のグローバル教育の発展のために、今回の貴重な経験をしっかりと結びつけていきたいと思います。