第1302回 つながる学び~「湘南学園全学教研」開催
夏休みも終わりに近づいた8月末、第6回目を数える「湘南学園全学教研」(以下全学教研と略称)が開催されました。会場は、幼・小・中高の各パートの教員ほとんどが参加して、連携・接続・一貫教育の場としての湘南学園の新たな教育的高みを目指す意欲に溢れていたように感じました。
ここで「全学教研」について簡単にふれておきましょう。「全学教研」とは教育実践と教育研究を大切にする学園を目指して、①幼小中高を併せ持つ総合学園としての湘南学園が、それぞれの園、学校の教育実践に係る深い相互理解が求められるということ、②教育実践と教育研究は私学教育に与えられたミッションであるということ、の2点を強く意識して回を重ね、実践と研究を豊かにしてきた経緯があります。そして「全学教研」の主催者が全学教研実行委員会の皆さんであり、約半年間にわたりテーマや内容そして報告者を決めるなどの準備を進めてきました。
2016年度のテーマは「”つたえる力”を高める ~自分から他者、そして世界へ~」。
このテーマ設定の背景には、「何よりも、『子どもたちが自らの想いや考え・疑問などをまとめ、言葉や文に表現する』『他人が表現した内容についてお互いに指摘し合い、他人の意見をふまえて考え合う』『自らの考えや思いを綴ることで見つめ直す』ことなどを通じて、『つたえる力』を育てることこそが、いよいよ大切になってきているのではないでしょうか」という実行委員長の問題意識が伏在しています。また、今回の特徴として、全分科会にそれぞれの専門性を有する助言者がついたこと、そして昨年度に引き続き、生徒(生徒会)の報告も盛り込まれていたことです。
以下内容の柱立てをご紹介します。
紙幅の関係で印象に残った報告を1つ。それは「全体会報告①」でした。
4月幼稚園入園の3歳児が「お母さんといたい!」「早くママに会いたい…だからここにいたいの」と門の外に。そこで園長先生がその園児と門の傍に机と椅子をおいてお弁当と一緒に食べるなど寄り添い、気持ちを受け止め、伝えようとする子どもの思いを読み取り、共感する立場から言葉かけをするなかで、伸びやかに成長を遂げていく様子をお聞きしました。これから湘南学園教育の新たな高みを目指して教育活動を進める上で、その原点を改めて考える機会を得ました。
いま湘南学園は、幼稚園、小学校、中学校・高等学校を併せ持つ総合学園として、教育連携・接続・一貫のあり方をさらに高め、「学び合い、伝え合う」トータルな明日の湘南学園教育を示すことが求められていると考えています。それにむけた取組みを一つひとつ進めています。