イングランドセミナー 第4日目
イギリスの家庭の朝食は、日本にそれに比べてかなり簡単で量もとても少ないのが一般的です。具体的には、cereal(シリアルと呼ばれるコーンフレーク類)に牛乳をかけて1杯だけ食べておしまいということも少なくありません。普段から朝食をしっかりとっている日本人にとっては、かなり物足りないことは間違いありませんが、まあ、海外旅行をする時は、When in Rome, do as Romans do.(郷に入れば郷に従え)の心持ちで過ごすのが、一番ストレスを感じずにいける最良の方法かと思います。
さて、今日は、世界の恵まれない人々への「1ポンドコイン寄付」の日ということで、生徒達も先生方もカジュアルな私服で登校して来ました。寄付は決して強制ではなかったのですが、英語の授業で習った、We should take action for peace. の精神で、学園生達も1ポンド寄付に協力していました。シュンヤくんのステイ先には、彼らよりも1つ年上の他校に通う男の子がいるということなんですが、その子の話では、今日は、イギリスのすべての学校がこうした募金の日なんだそうです。シノブくんが、知り合ったセントジェームズ生に、この日のことをもっと詳しく尋ねたところ、イギリスでは、だいたい月に1回程こうした日があるそうで、寄付の依頼があると、その月の募金日を決めて、イギリス中の学校に呼びかけて一斉にその日を決めるそうです。私達日本でも、このように世界の平和のために実際に何か出来るような取り組みがあるといいですよね。
セントジェームズに来てからまだ2日しか経っていませんが、学園生達は、リセスの時間(午前中のおやつの時間)にセントジェームズ生達とずいぶんと触れ合いが進んでいるようです。ラッキーなことに、ここエクセターには、日本人どころかアジア人が大変少ないためか、日本からやって来た学園生達は、大変ウェルカムされています。校内を歩いていると、セントジェームズ生が「コンニチワ」「ゲンキデスカ」と所々で話しかけてくれます。リンさんとユウナさんは、セントジェームズ校とホストファミリーが大好きで、昨年度に引き続き、今回もイングランドセミナーに参加してくれました。そういうわけで、昨年度のバディーの生徒や昨年度知り合った友達との1年ぶりの再会に心を躍らせている ようで す。素敵ですね!
今日は、また、セントジェームズ校の施設見学もさせて戴きました。日本の公立学校では考えられない設備の充実ぶりに学園生達もびっくりしたに違いありません。湘南学園の施設と比べてどうかと言っても、これははるかにセントジェームズ校の方が充実していると言えるでしょう。施設に限らず、1教室当たりの生徒数は、日本のそれの半分以下ですし、勉強が遅れてしまった生徒ひとりひとりに対して、授業の教室以外の場所で、先生方が生徒と1対1で勉強を教えている様子が学校の所々で見られます。また、階段には、数学の三角関数や対数関数の公式や数々の文学作品のタイトルが掲載されていたり、生徒達の美術作品なども多く飾られています。日本の学校も、このようなイギリスの学校の良い 点をどんどん取り入れて行ければいいなぁと強く思う次第です。
午後は、エクセター市内の散策とエクセター大聖堂の見学をしました。市内は、AD40年頃に、ローマ帝国の大軍隊がここエクセターにやって来て築いた城壁や1066年のノルマンディー公ウィリアムがイギリスを制服した際に築いたお城跡が残っています。こうした世界史の教科所に出てくる重みのある歴史を感じながらの市内散策が出来るのも、イギリスならではの良さですね。
そして、極めつめは、エクセター大聖堂です。ここは、ヘンリー8世の離婚問題を機にローマカトリック教会から独立した英国国教会の大聖堂で、柱なしで奥行きが96.1メートルもある世界で一番長い奥行きの大聖堂です。また、1,000本のパイプからなるパイプオルガンや美しいステンドグラスや数々の彫刻が施された貴重な文化遺産です。ここでもイギリスの歴史の重みを感じさせて戴くことが出来ました。
さて、明日は土曜日です。私達は、歴史都市のバースへと向かいます。イングランドセミナー報告は、まだまだ続きますよ。