第295回 湘南学園の全学教育研究集会
本日は、先月30日に行われた、湘南学園の「全学教育研究集会」について少し紹介いたします。
湘南学園は、中学高校・小学校・幼稚園をもつ総合学園です。実に3歳~18歳まで2千名近い園児・児童・生徒達が学び、生活しています。創立80周年を再来年に控えて、毎週の情報交換も大切に学園の運営を進めています。
しかし、子どもを取り巻く環境がいろいろと激変している現代において、それぞれの段階で教員がどのような取り組みを通じて子ども・生徒に関わり指導し寄り添っているか、子ども達がどのように変化し成長しているか、お互いに知り合い、理解を深める機会は少ないものです。
そこで他パートの実践からも教訓を学び、視野の広がる楽しく有意義な教育研究の集会を、仲本正夫学園長の提唱を受けて、設けるようになりました。
昨年は7月に「総合学習の交流」をテーマに開催しました。今年はより各パートの教員が集まりやすい期間をと考え、9月からの学校再開に先立つ時期に中高ホールで行いました。今回の共通テーマは「学習意欲を育む」で、各学校から5本の実践報告が出されました。
・幼稚園:「意欲を高める保育とは~心のよりどころとなる保育とは~」
・小学校:「比を使って大仏の顔の大きさを求める~修学旅行の体験を豊かな
学びにつなぐ~」
・小学校:「スタートした小学校新校舎でのICT機器を使った教育づくり
~高まるこどもたちの学習意欲~」
・中学高校:「数学の教科指導を通して 中学2年生の学習意欲を育てる」
・中学高校:「高等学校3年生 英語の指導について~学習意欲を育てる~」
いずれも、目の前の子どもや生徒の現状や到達に寄り添い、保育者・授業者として、また学年スタッフの力を合わせて、生活意欲や学習意欲を高め、学力を培う懸命な努力や深い視点が、参加者に感銘を与えました。発達段階が異なるゆえの重点課題の違いとともに、共通する教育の視点も浮き彫りになり、これからの参考になることがいろいろとありました。
中高から提出されたレポートは、大学受験でも基軸となる数学と英語について、中2と高3それぞれの課題に沿って生徒の意欲と学力を育てる、きわめて具体的な優れた実践報告でした。中高の同僚はもちろん、小学校や幼稚園の教員にとっても大いに視野の広がる内容でした。
また今回は各学校で発行されている学級通信・学年通信・教科通信の交流も設けられました。長時間にわたる研究集会でしたが、活発な質問や意見交換が行われ、共同研究者として教育学専門の先生からもコメントを頂きました。
こうした全学交流の機会も通じて、湘南学園の建学の精神を深め直し、より一貫性ある充実した教育方針のもとで、お迎えした子ども・生徒達と共に取り組み、指導・提起し、励まし続けていけたらと願っています。