第266回 教育実習生を迎えた全校朝礼から

2011年6月15日

しっかりと梅雨本番です。蒸し蒸しし始めた毎日の通勤ですが、アジサイの花々に気をつけています。いろんな色、 いろんな形の美しさ。雨が降る日にははしっとり、更に元気を増すのが感じられる花です。
おととい月曜日は、約1か月ぶりの全校朝礼をアリーナで行いました。前期中間試験が先週に終わって、夏休み前の この期間へ向けて気持ちをリフレシュすべき時です。各学年の特活も本格化します。同時に本年度の教育実習生を迎えて、 その初日に全校へ紹介する機会ともなっています。3月の終業式が行えなかった経緯もあり、今回の朝礼は部活動の 表彰もたくさんありました。

1.校長の話
2.教育実習生の紹介と挨拶
今年度は4名の卒業生が3週間または2週間の
教育実習をします。 1100名以上の全校生徒
の前で自己紹介するのは、さすがに緊張したよ
うです。
3.部活の表彰

・中学ハンドボール部 神奈川県ハンドボール選手権大会
第3位 代表 中3中村 悠理
神奈川県私学ハンドボール選手権大会
優勝  代表 中3田中 寛之
・中学バスケットボール部 藤沢市長杯 第3位
・中学剣道部 剣道連盟春季藤沢大会
男子個人第3位 現中2沖津和明
神奈川県私立中学校剣道大会
男子個人中3優勝 現高1石田 怜
女子個人中3優勝 現高1佐藤 文乃
・ダンス部 第8回湘南よさこい祭り2011 ステージ部門
審査員特別賞:二年連続の入賞でした。
・平成22年度書写検定・後期 1級合格 現高2中山亜弓・西村ひらり
2級合格 現高1石倉友佳理(全国2位):公式書写検定会長賞
1級合格 現高2村田彩香 (神奈川県1位):神奈川県知事賞
現高2大脇ひとみ(全国1位):文部科学大臣奨励賞
おわりに、本日の校長からの話の内容を、これまで同様に紹介させていただきます。

皆さん、おはようございます。
けさは週の始めから、小田急線の人身事故で登校に支障があり、お疲れ様でした。
まずおとといの、オープンキャンパスのお礼を伝えたいと思います。
今回は朝から激しいどしゃぶりの雨にぶつかってしまいましたが、運動部、文化部、生徒会の総務委員会から、 今年もおおぜいの皆さんにお手伝いをしてもらいました。
受付・誘導案内や、部活の指導、更に午後の相談コーナーに至るまで、とても親身に対応してもらいました。
駅から学園までの道案内と挨拶は、雨の中を今回も野球部の諸君が担当してくれました。
参加者の方々から、学園生諸君の応対について、たくさんのお褒めの言葉を頂いています。
皆さん、本当にありがとうございました。
また先週は、中間試験が行われました。このあといよいよテストの返却が始まります。
皆さん、ドキドキ期待して、または心配で心配で、けさ登校してきたことでしょう。
でも、結果として出てくる点数を、あまり気にしすぎてはいけません。
大切なのは、徹底したテストの復習と、4月からの自分の勉強の振り返りです。
気持ちを切り替えて、これからにつなげていく地道な努力を期待しています。
さて、今日から教育実習が始まります。
ここにいる4名の先輩達が、3週間または2週間の教育実習を行います。
授業で、HRで、部活で、きっと体当たりで皆さんにぶつかってくれると思います。
皆さんからもどんどん、実習生の先生達に声をかけて下さい。
ここにいる先輩の皆さんは、全員が大学4年生です。
実はこの時期、全国の大学4年生は、大学院への進学を目指す人もいますが、ほとんどの人たちは、就職活動の真っ最中です。
私の娘も同じ大学4年生であり、就活をしています。インターネットを利用してたくさんの企業を調べ、いくつかの訪問先を 選んでいました。
自分の適性や将来の夢をまとめてエントリーシートに記入し、説明会に足を運びました。
友人や先輩からも情報を得ながら、試験や面接に臨んでいます。
皆さんも知っていると思いますが、日本の若い人達の就職はここ数年厳しさを増しています。秋の10月初め、 4年生の就職内定率は、この2年間で約70%から約58%にまで下がりました。この秋は大震災の影響でさらに 下がるかもしれません。
やっと大学を卒業したのに、就職が決まらない学生も増えています。
またせっかく就職したのに、その会社や事業所に勤めが続かない人も増えているそうです。
ここにいる先輩達は、「教職」という有力な選択肢を得ています。これからの実習を通して、教職の大変さとやりがい、 手応えをいっぱいつかんで欲しいと思います。
ここで、ある一人の卒業生のことを紹介します。
その先輩は30代の既婚者ですが、いまシンガポールで働いています。
高校ではバスケットボール部の部長を務め、現役で慶應大学へ進学した先輩です。
大学を出て、日本でいま最も有名な、衣料品の企業に就職しました。
安くて良質なカジュアル衣料の生産と販売で、世界中に店舗を増やしている会社です。
そのT君が、大震災のあと3月後半にメールをくれました。その内容を紹介します。
いまシンガポールには、約4万人の日本人が暮らしているそうです。
大震災を知り、「すぐに日本に帰国できないがせめて」の気持ちは誰もが持ったようで、すぐにいたる所で、 チャリティーイベントや募金活動を次々と起ち上げたそうです。
またアメリカやヨーロッパにいる、T君の大学の友人や後輩達も、さまざまな支援活動を始めたそうです。
さらにシンガポールの街では、人種や民族を問わず、こちらが日本人とわかるやいなや、必ず気遣いの言葉を かけてくれたそうです。
タクシーの運転手さん、エレベーターで一緒になった人、お向かいさんや大家さんなど、とにかくみんなが心配して 次々と声を掛けてくれたそうです。
そのことを、是非伝えたかったのです。とT君は記していました。
大震災の当時は、この会社も大変でした。日本の被災地にある、数多くの店舗のスタッフが、一時は200名前後も 安否の確認ができなかったそうです。
T君は最後に、母校である湘南学園の生徒と先生が、一日も早く安心して通常の学校生活を送れるようにお祈りしますと、 記してくれました。
グローバルビジネスの第一線で、日々たいへんな仕事を続けながら、こうして日本と母校の様子を案じて、連絡を くれたT君の思いやりに、心から感動しました。
皆さんもぜひ、将来こんな広い視野を持った、立派な社会人になって頂きたいです。
さて皆さんは、いま「あこがれの職業」や「関心のある仕事の分野」を持っていますか。
高3の皆さんにとっては、もうかなり現実的な問題でしょう。
今月25日には、高3の特活があります。
今年は各分野の第一線で働いている、28歳前後の先輩達をおおぜい招いて座談会をするという企画です。 「10年後の自分を考えてみよう」がテーマですね。
この貴重な機会に、いろんなきっかけやヒントを得て欲しいと思います。
また今週の土曜日には、8つの文化部が合同で東日本大震災「チャリティーイベント」を開催します。
この企画も、とても楽しみにしています。この日のイベントだけでなく、これを起点に何を続けていけるかについても、 ぜひ探って欲しいものです。
また高3だけでなく各学年で、これから総合学習にあたる特活が本格的に行われます。
多くの学年で、社会に生きる様々な人びととの、出会いの機会があります。
皆さん、特活は貴重な体験交流の機会です。気持ちをしっかりと向けて、積極的に学び、視野と問題意識を広げて下さい。
・・・・・・それでは以上で、私の話を終わります。