カナダセミナー第3日目

2019年7月24日


~カナダに再び咲き誇った~
“ニッポンの花”

 
 カナダセミナーは第3日目を迎えました。セミナー参加者たちも昨日まで残っていた長旅と慣れない環境での疲れも取れたようで、学校に登校してくると、元気良くすぐに体育館でスポーツを始めるようになりました。
 
 本日最初の授業は、キム先生から前日のCommunity Orientationで訪れた地元地域の感想を一人一人尋ねることから始まりました。多くの生徒が日本版のスターバックスコーヒーにあたるCanadaの象徴の一つTim Hortonsでの注文体験をあげていました。飲み物を注文する際には、Regular, pleaseと言えば、砂糖とミルクが普通の量で、Double- Doubleと言えばその量が倍になり、Blackと言えば砂糖とミルクなしで提供されることなど、どの生徒たちも興味津々に与えられたトゥニー硬貨(2ドルコイン)を用いて注文していました。
 
 さてカナダセミナー第3日目は、このセミナー期間中で最も大切な活動の一つである老人ホームへの訪問が午後に控えています。

 今年もセミナー参加者たちは日本から持ち寄った伝統的な遊び道具を用いながら、午後の訪問に向けて、午前中はご老人の方々との交流の練習です。けん玉、コマ、おはじき、折り紙、紙相撲などを各々がテーブル一杯にひろげて、アシスタントの地元カナダの高校生たちに紹介してみせます。老人ホームで紹介する際には、①大きな声で②ゆっくりと、そして③笑顔で紹介するようにと、とても親切丁寧にアシスタントの地元高校生たちは、想定される質問事項も取り入れながら指導をしてくれます。

 昼休み前の授業の一コマには、アシスタントの高校生たちと一緒に室内ホッケーやしりとりゲームなどを行う時間が取られました。特にホッケーはカナダを代表するスポーツです。そのため、アシスタントの高校生たちは自ら提案し、一緒にホッケーを行い交流を図ることがとても大切なことだと考えていたようです。
 
 いよいよ午後になり、老人ホームへの訪問の時間となりました。今年の訪問先は、昨年度と同様、現地学校からスクールバスで30分〜40分程のところにある“Scenic Acres Retirement”という老人ホームへの訪問です。

 少々内気で控えめな今年のセミナー参加者たち、と少なからず不安を抱いていた引率教員の心配は、ご老人たちとの交流が始まった瞬間、見事に覆されました。どの生徒たちも自ら率先して交流を図ろうと積極的に遊具を片手に話しかけていくのです!ご老人の中には、目が殆ど見えない方もおられました。遊具が使えないと分かると、学園生たちは家族や日本についての質問などに切り替え、とても温かく優しく交流を図っていました。 訪問が初となった昨年度のセミナーでは見られなかった光景です。今年のセミナー参加者たちの積極性と心温まる対応に感動です。
 
 交流の最後には、今年も昨年度と同様に“花は咲く(Flowers Will Bloom)”の合唱で訪問を締めくくることになりました。今年の合唱は、昨年好評であった花は咲くの日本語版の歌詞に加えて、英語版の歌詞でも歌うことになりました。セミナー出発前には全く練習の時間が取れず、カナダ到着後も数回の練習時間しか取ることができませんでした。しかし、ここでも学園生たちは応えてくれました。英語学習と同様に、“心を込めて想いを伝える”ことの意味をしっかりと理解してくれていました。

 合唱が終わると、とても大きく温かな拍手をご老人の方々のみならず、施設のスタッフの方々やセミナーを支えてくれているシャーロット先生、アシスタントの高校生たちからも頂きました。
 
 今回のカナダセミナーの目的の一つである“正確に英語で伝え、積極的にコミニュケーションを図る”ことの意味を学園生たちは、しっかりと感じ取っているようです。異国カナダの老人ホームがとても神聖な空気に包まれた瞬間でした。

 そして今年も“実りある花”を再び咲かせてくれたセミナー参加者たちに心から感謝したいと思います。