第1436回 11月21日の朝礼

2019年12月13日

(以下、11月21日の朝礼の内容です)

 

・・・・・もし、このような状況になったら、自分ならどのように行動するか・・・

みなさんに聞いてみたいことがあります。

 

・・・・まず、状況をご説明します。

 

どうかこれからお話することが、実際に自分自身の身に起こった出来事だと想像しながらお聞きください。

 

では、始めます。

 

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湘南学園そしてその後に大学などを卒業し、いよいよ社会人となるときが来ました。

どのような仕事がいいかな・・・。どのような会社がいいかな・・・。

就職活動の結果、あなたは、旅行会社に就職をすることが決まりました。就きたいと思っていた夢の仕事です。

 

その旅行会社に就職して、数年がたち、ようやく仕事にも成果が出てきました。

日々の努力の結果、あなたはついに学校のバス遠足の業務を任されることが決まりました。

同僚からも「よかったね、頑張って!」声を掛けられました。

 

ついにつかんだ大仕事なので成功させたい・・・と、あなたも夢が膨らみます。

打ち合わせのために何度も学校へと足を運び、入念に準備を進めました。行動計画や現地スタッフとの打ち合わせも予定通り進んでいきました。

 

そして、いよいよ明日がバス遠足当日・・・となりました。

あなたは、準備に手落ちがないか、もう一度確認作業をすることにしました。

その時です・・・、あなたは、自分が重大なミスをしていたことに気づきます。

 

「バスの予約をしてない・・・・、忘れていた・・・、どうしよう・・・」

頭の中が真っ白に・・・。まさにパニック状態・・・

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ある状況」のご説明は以上です。

 

 

では、ここで、皆さんにお聞きしたいのです。

この状況のもと、あなたは、このあとどういう行動をとるのでしょうか。それを想像して欲しいのです。

自分の身に迫ったこの危機的状況にどのように向かっていくのでしょうか。

 

 

実は、これは実際に起こった出来事をもとにお話をしたものです。

では、ここで2014年4月30日の新聞に載った実際の記事を読んでみたいと思います。

 

(その当時、新聞に掲載された記事を読みました。この出来事の概要は、「バスの手配をすることを忘れてしまった旅行会社の社員が自分のミスを隠すために、遠足を中止しなければ自殺するという趣旨の匿名の手紙を学校に届けたが最後には発覚した」、というものでした。)

・・・記事の内容は以上です。

 

 

この旅行会社の社員の方が失いたくなかったものとは、何だったのか・・・。

そして、彼が実際に失ったものは、どのようなものだったのか・・・。

私たちは、それを考えてみる必要があるのだと思うのです。

 

・・・実はこの記事を読んだとき、私はこれを他人事のように考えることが出来ませんでした。

「もし、自分がこのような状況に陥ったら・・・」と考えたのです。

こういうことは、自分にも起こり得ることなのではないかと・・・。

 

「しまった、やってしまった・・・」

「できれば隠したい・・・」

「何とか上手な言い訳はないか・・・」

「ごまかす方法はないか・・・」

「うまい嘘はないだろうか」・・・・ということが、きっと私の頭の中を巡ったのではないか・・・・。

私は、そう考えていました。他人事には思えなかったのです。

 

 

私はこう思うのです。人が生きて行くうえで、実はうまくいかないことがあるのが普通なのではないかと・・・。

 

たしかに、失敗をしないように日頃からしっかりと準備をすることはとても大切です。

でも、人は失敗をするものなのだ・・・、と考えて、もし失敗をした際に、自分ならどのようにその失敗に向き合うべきなのか・・・・、ということを考えてみることにも大きな意義があると思うのです。

 

 

高3のみなさん、

このように「朝礼」という場でみなさんに会うのは、これが最後ですね。次は卒業式になります。

 

既に進路が決まった諸君には、率直に「おめでとう」と言いたい。その一方で、今、進路決定に向けて力を注いで懸命に過ごしている諸君もいますね。高3の11月は、疲れや不安が出きて辛い時期ですね。

 

「今後、どのようになるのか分からない・・・」

 

・・・そういう毎日を過ごすのは時には辛いものだと思います。でも、「うまくいかないことがあって当たり前なのだ・・・」と考え、前を向いて自分の足で一歩ずつ歩いていけばいいのではないですか。

今の自分にできることに目を向けて歩いていけば、きっと前に進む・・・。

 

今の努力は、あなたのこれからの人生に間違いなく役に立つ。確かな生きるための力となります。そう信じて、これからの日々の生活を送って欲しいと願っています。

 

やがて高3自由登校の期間になります。

そして、もし不安になることがあったら、どうかその時は学校に来てください。待っています。