第1456回 卒業生による教育支援サービス、試行開始
湘南学園中高では、10年ほど前から高校2年生全員を対象とした「大学訪問」を実施してきました。
ごく普通の授業がおこなわれている平日の大学内を歩いてみると、それだけでその大学の雰囲気というものを感じ取ることができますが、本校の大学訪問では単なる物見遊山にならぬよう、その大学に通っている卒業生から直接話を聴く機会を大切にしています。「ちょっと年上の先輩」から「その大学の魅力」や「自分が受験生だった時の話」を聴かせてもらうことで、後輩たちのモチベーションはぐんと高まり、「自分もぜひこの大学に入りたい!」「この参考書を使って、こういうふうに勉強を進めていけばよさそうだ!」といった明確な目標を定めることができるのです。
コロナ禍の今年度は、そもそも大学に入構できない毎日が続いていた関係で、卒業生と高2生の希望者をオンラインでつないだ形でお話を聴く機会を設けましたが、参加した皆さんにはとても好評だったと聞いています。やはり「ちょっと年上の先輩」からのアドバイスは、「かなり年上」の教員が発するメッセージ以上に、在校生の皆さんの心に響くのかも知れませんね!
さて、上記のような取り組みを続けてきた本校では、もともと卒業生が在校生のサポートに積極的にかかわってくれる土壌があったのですが、今回さらに一歩踏み込んだ企画を考えてくれた卒業生たちがいます。
それが「卒業生による教育支援サービス」というもので、2週に1度のオンライン面談で学習目標や計画を立て、週に1度のオンライン勉強会で仲間たちと切磋琢磨しつつ、各教科の内容で何か訊きたいことがあったらオンラインでいつでも質問ができる‥‥。そんなふうにネット上で卒業生とつながりながら、在校生の日々の勉強の「計画性」や「モチベーション」をサポートしてくれるという取り組みです。さらには、多様なテーマを設定したワークショップを積極的に実施し、在校生の皆さんの興味・関心の輪を広げていこうという計画もあるようです。
つい先日の教員会議でも先生方に向けて活動内容等のプレゼンテーションをしてくれた彼らですが、まずは中3~高2の皆さんを対象に試行的に取り組みを始めてくれるとのこと。卒業生の皆さんが在校生諸君にとっての良きメンター(さまざまな相談に乗ってくれる人生の先輩)となってくれることを願っています。