カナダセミナー第9日目の報告 その2
カナダセミナー第9日目の午後となりました。いよいよ期待と不安を胸に、二軒の老人ホームへ訪問する時です。
今回訪れた老人ホームは、現地の学校からバスでそれぞれ15分程の所にある老人ホームで、一軒目の老人ホームでは、予想を超えて40名以上もの多くのご老人の方々があたたかく私たちを出迎えて下さいました。三列になり、とても長い待機列となってお待ち頂いている全てのご老人の方々には、わずか11名のセミナー参加生徒たちだけでは対応しきれないほどの人数です。
せっかくの機会、多くの方々をお待たせしてしまうのではないかと大きな不安が引率教員の間によぎりましたが、さすがは湘南学園生たちでした! ひとたび交流の時間が始まると、参加生徒たち各々が、とても積極的にご老人方のもとに歩み寄り、それぞれに準備した自己紹介や日本文化の紹介をとても優しそうに伝え始めているのです。特に英語の学習がまだ浅い中学2年生たちも、物怖じすることなく大変意欲的にご老人のもとへ歩み寄り、交流を図っています。そうした生徒一人一人の姿に感動さえ覚えました。もう英語を話すことには何ら抵抗がないようです。
今回の訪問では、二軒の老人ホームを訪問したため、それぞれの老人ホームでは、滞在時間がわずか1時間と短い時間となりました。しかし、どちらの老人ホームでも合唱曲の披露は大成功でした。合唱の披露後には、“ブラボー!” の歓声がいたるところから沸き起こり、会場がとてもあたたかい空気に包まれたことを今でも忘れません。
「完璧でなくてもいい。心を込めて歌って欲しい。」とカナダ訪問前からの教員の呼びかけに生徒たちは大いに応えてくれました。
カナダ到着後、たった数回の練習、そしてわずか11名で歌い上げたセミナー参加者たちは、“日本とカナダの架け橋” になったと言っても過言ではありません。
例年、日本語で披露する合唱曲は、“震災から復興する日本の姿” や “生きる力を与える音楽の魅力” に関連付けて、合唱曲を厳選し披露をさせて頂いております。今回は二曲目に披露することとなった “群青” の意味を、引率教員より簡単に披露前に英語で説明を加えた後、曲を披露させて頂きました。以下英語による説明です。
The next song is Japanese song, called “Gunjo”. This song is very meaningful. The song is related with Japanese big earthquake. This song is very important for Japanese students who have been badly injured and damaged by a big Japanese earthquake and tsunami at that time.
In 2011, a big earthquake occurred in Japan and more than 10 thousands of people died or lost their homes by the earthquake and tsunami which means big ocean waves. Even if people were alive, many schools stopped teachings and young students couldn’t continue to learn their lessons and they were forced to be separated from their local schools. Therefore, they lost their friends and couldn’t meet each other for a long time.
At that time, a music teacher, who had lived in the center are of the earthquake, made this song, called “Gunjo”. She said “Even if we are separated from each other, the color of the sky and ocean where we can see from different places is the same deep blue color of
our home town.”
“Gunjo”, a title of this song, means the color of the sky and ocean of Fukushima area where the big terrible earthquake happened in the past. The title of this song is also the symbol and hopes for the students and many people to live strongly and peacefully in their daily lives.
Please listen to this important song for Japanese people.
老人ホームを立ち去る前、何名かのご老人たちがわざわざ私たちを見送りに玄関先まで来て下さいました。「美しい曲をありがとう。」、「忘れかけていた素敵な昔の記憶が今蘇りました。」、「また是非カナダにいらして下さい。」ご老人方からのあたたかい言葉とともに、カナダセミナー参加者たちが、今まさに日本とカナダの架け橋となった瞬間でした。カナダセミナー参加者の皆さん、本当にご苦労様。そしてGood job!!
『日本文化の継承と発信』 ~カナダに咲き誇った日本からの贈り物~