オーストラリアセミナー 12日目

2013年8月2日

 昨夜の Christmas in July の興奮が残っているためでしょうか、湘南学園生達は、朝からとても元気に登校して来ました。今日は、まる1日、フィリップ島への遠足です。バディーのノックス生も大勢参加してくれ、出発前からテンションが上がり、今日も1日楽しく過ごせる予感がしました。


 2台の中型チャーターバスの運転は、ノックス校の体育の先生がやってくれました。フィリップ島までの約2時間、窓の外の風景は、広大なオーストラリアの農場が広がりました。遠くかなたに目に入る黒い点は、放牧されている牛です。オーストラリア人は、日本の牛のように狭い牛舎に詰め込まれて、ビールを飲ませて食欲を増強し、牧草以外に大豆などの食べさせて、筋肉に脂肪をからめた霜降り牛のような脂ののった 肉ではなく、脂肪を含まない筋肉の赤肉を好んで食べています。その赤肉の牛は、こうした広大な土地で、健康的に育つ牛であることを実感します。

 バスはまずは、フィリップ島の赤ちゃんと言われているチャーチル島に到着しました。そこでは、150年前のオーストラリアの開拓が始まった頃の農場が残されており、その当時の牛舎や家などを見ながら昔を顧みることが出来ます。また、牛の乳搾り体験や馬車に乗ったり、牛の蹄鉄を作るのを見学したり出来ます。学園生達も、エリナやリホ、イッセーやスージーらが、牛の乳搾りを体験しました。チャーチル島では、野生のワラビー(小型カンガルー)を見ることも出来ました。そして、何よりも、当たり一面に広がる美しい海や残された広大 な自然の風景が、僕達の心を安らげてくれます。いやなことなんかは、この島に足を踏み入れると一気に忘れてしまうようなのんびりとした心地の良い島でした。

 その後、僕達は、フィリップ島の入り口で、ペリカンフィーディング(ペリカンの餌付け)を見ました。ペリカン達は、この餌付けをする時間帯が分かるらしく、餌付けの時間になると決められたこの場所にやって来ます。餌付けの食料は魚です。人間を怖がらずに、餌付けの魚をもらえるのをおとなしく待っているけなげなペリカンが何とも面白かったですね。この餌付けの見学を終えて、学園生達は、バディー達とのランチを楽しみました。

 昼食後、いよいよフィリップ島への橋をバスが渡りました。フィリ ップ島は、江の島のようにメルボルンの海岸と島とが橋の道路でつながっています。江の島への橋の何倍もの長さの橋が、大きな大きなフィリップ島へと続いています。島内に入ると、バスはまず、コアラパークへ向かいました。ここは、人間によるコアラの食料であるユーカリの木の伐採や交通事故など、年々コアラの数が大きく減ってきたことにストップをかけ、コアラを保護していくために作られた野生の公園です。僕達は、このコアラをすぐ目の前の木の上で見ることが出来ました。コアラは、1日のうち20時間も眠って暮らす動物です。今日目にしたほとんどのコアラは、目をつむって丸くなっていましたが、1匹だけ、目を開けてこちらをずっと見つめ続けるコアラに運良く巡り会いました。コアラ達は 、冬は、丸く小さくなって木の上で眠っていますが、夏にはなんと大きく体をゆったりと伸ばして眠るんだそうですよ。

 コアラパークを後にした僕達は、美しいフィリップ島の海岸線に作られた長い長い遊歩道を歩いた後、いよいよペンギンセンターに到着しました。ここでは、この当たりの国立公園の監視員の方から、リトルペンギンについての説明を受けた後、海岸に設置されたペンギンの上陸を観察出来る場所へと移動して、日が暮れるのを待ちました。
冬には、1日約400匹、夏には1日につき約2,000匹のリトルペンギンがこのフィリップ島の海岸に上陸して、雛にお腹の中にため込んだ魚をあげるために姿を見せます。波打ち際で何度も波に流されながら、ペンギン達は砂浜にやって来 て、何匹かの群れを作って、上陸のチャンスを伺います。周りに狐などの天敵がいないことを用心深く確認した後、彼らは波打ち際から陸の巣まで一気にダッシュで駆け上ります。その様子が、これまた何とかわいらしいことでしょう。学園生達は、初めて目にするこの身長わずか30cm程の小さなペンギン達のしぐさに「かわいい~!」「かわいい~!」と叫びながら魅了されていました。
 
 ペンギンパレードを見学した後、お腹がすいたところで、みんなで Fish & Chips やハンバーガーや野菜ヌードルなどの夕食を戴きました。メルボルンに来てから今日で12日目。生徒達はすっかりノックス生にとけ込んでくれました。僕達は、2日後にはメルボルンを後にすることになりますが、ノックス生と仲良くおしゃべりしている学園生の姿を見て、9月のノックスジャパンツアーでの交流がとても楽しみになって来ました。