中学道徳教育の紹介

2013年12月6日

 後期中間試験が昨日終了し、本日中学生は全学年で道徳教育の時間が終日設定されました。本日の中学生の道徳では、誰にでも起こりうる『いじめ』の問題を取り上げました。『明るく楽しく、皆と共に学園生活を送るために』というテーマのもと、総合のテーマにも通じる、ハンディキャップを持った人たちとの関わりについて考え、他者を思いやる心を育むことが本日の道徳教育の目的です。

 中学1年生と3年生では、映画「青い鳥」の鑑賞をアリーナにて行い、心に残った場面や台詞、自分自身が深く感じたことや考えさせられたことをなどを中心に感想文を書きました。また中学2年生は、「いじめ防止プログラム ワークショップ」というテーマのもとNPO法人湘南DVサポートセンターより講師の方をお招きしました。中高ホールにていじめを未然に防ぐ方策や、いじめがより深刻なものに発展しないよう周囲にいる生徒たちがいじめを抑止する具体的な方策をワークショップを交えて学びました。

 日本社会では昨今、インターネットや携帯電話、スマートフォンなど様々なソーシャルメディアの普及と著しい発展により、人間関係が形骸化し、人と人との心の通ったコミュニケーションが特に希薄化していると言われています。本日の道徳教育の時間を通じて、湘南学園生の生徒一人一人が自分自身や他者との人間関係について深く考える場となり、“心の豊かさ”や“他者を思いやる心”などがより一層培われていくこととと信じています。
 
 【 映画 「青い鳥」について 】

    原作:重松 清    主演: 阿部 寛

    制作:デスティニー   販売: バンダイ・ビジュアル

 この作品は、2006年に刊行された重松清著の連作短篇集『青い鳥』の中から、その表題昨(初出小説新潮2006年12月号)を映画化したものです。原作『青い鳥』は、吃音の臨時教師、村内先生と、彼が派遣されたある中学校の生徒たちとの交流を通し、今この国に顕在する中高生のいじめ問題に真正面から取り組んだ作品です。いじめによる子供たちの自殺が後を絶たないことへの、明確な分析や解決法を誰もが見つけ出せずにいるという昨今の状況を鋭く抉り、広く多くの読書たちに、大きな反響と静かな感動を呼びました。しかし、この作品の持つ魅力は、単にいじめ問題に一石を投じるという社会性や、ある種のメッセージのみにとどまりません。なによりも読者の心をつかんだのは、吃音という稀な造形を通して描かれる、主人公村内先生の人間としての魅力にあります。自らのハンディキャップを決してマイナスに捉えるのではなく、だからこそ「一番大切なことを伝えたい」と、懸命に、「本気の言葉」で子供たちに語りかけ、不器用なまでに物事と人間の本質を見つめようとする彼の言動は、時に過激にも見えます。しかしその視線は決して揺らぐことなく、人間対人間として、真の温かさで真っ直ぐに生徒たちに向けられるのです。

– – 映画『青い鳥』公式サイトより – –

 
【 NPO法人 湘南DVサポートセンター、「いじめ防止プログラム」について 】

・湘南DVサポートセンター

 女性と子供たの人権が侵害されることなく、誰もがその人らしくいきいきと暮らすことのできる社会をめざして1999年に設立されました。特に、DV、虐待、いじめなどの被害を受けた女性や子供の支援に力を入れ、アメリカの非営利団体DAPが開発した『家庭内で暴力を目撃した子供の心の回復プログラム』をカウンセリングやグループワークに取り入れ、被害者支援に取り組んでいます。また、暴力を未然に防ぐためには若者への教育が重要と考え、、2006年に、「いじめ防止」や「デーティング・バイオレンス防止」など、10代の子ども向けプログラムを開発し、小・中・高・大で暴力防止教育を行っています。
 
・いじめ防止プログラム
 中学校の授業時間などを使いながら進める暴力防止プログラムです。本プログラムの目的は、いじめを未然に防ぐことにあります。さらに、すでにいじめが生じている場合は、いじめがより深刻なものに発展しないように、周囲にいる生徒たちがいじめを抑止することを目標としています。生徒が自分自身や他者との人間関係について考え、ワークショップを通して自尊感情高めることを学び、暴力によらないコミニュケーション方法を身につけられるように組み立てられています。
 
写真左:中学2年生の道徳の時間・・・映画「青い鳥」の鑑賞前の教務主任からのガイダンスの模様

写真右:中学1年生と3年生の道徳の時間・・・NPO法人湘南DVサポートセンター講師による講演の様子