イングランドセミナー 7日目

2014年3月31日

 今日は、いつもよりも30分程早く集まり、歴史都市 Bath に向けてバスで出発しました。ご存じの通り、古代ローマ人がここブリテン島にやって来た時に、Bath で温泉が出るのを発見し、この街に巨大な公共浴場が建設されました。現在使われている『お風呂』を表す bath という言葉は、この街の名前が由来となっています。温泉を発見したとされているのは1匹の豚で、その伝説の豚の像がバースにあります。

 さて、僕達が乗り込むバスがセントジェームズ校の駐車場に入って来た際に、校門を入った当たりから学校の外観を写真におさめてみました。とにかく敷地が広く、構内には、芝生や花々できれいな庭が作られています。駐車場には、バスはもちろんのこと、何台もの車をとめることができます。校舎は赤や白のレンガ造りでとてもきれいで、日本の公立学校とは比べものにならない位、施設が整っています。学習が遅れた生徒達をフォローするシステムもしっかりとしており、教師一人が一人の生徒に対してマンツーマンでの学習指導をしている場面が1日の中で何度も見かけることが出来ます。

 さて、今朝も学園生がみな元気に登校して来ました。全員そろったところで、いざ、バースに向けて出発です! 高速道路は込むこともなく、2時間も経たないうちに無事バースに到着しました。お天気の方も、暖かい日差しが差し込み、遠足日和となりました。イギリスは、景観保護の発祥地だけあって、バースの街並みも昔の状態をしっかりと保っています。徹底されているのが、建物の色です。バースの建物は、赤レンガ作りではなく、ゆったりとした田舎町の観光地としても有名なコッツウェルズ地方から持ってきた白レンガ造りの建物が町中に並んでいます。何か特別な街へと来たような感覚さえ覚える程、この街並みの白い色は、徹底 して守られています。

 公共浴場歴史博物館に行く前に、ぐるりとバースの街を散策して来ました。目の中に移るものは本当に絵葉書の中の世界でした。余談ですが、バースのプロラグビーチームは、サッカーでいうマンチェスターユナイテッドのような名門チームです。バースの街中には、このチームのラグビースタジアムが2つあり、この街中散策の間に、そのうちの1つを僕達は見ることが出来ました。

 公共浴場歴史博物館では、日本語のガイドが流れるトランシーバーのようなものを一人一人が持って、約1時間程、この博物館の中で、古代ローマ人達の生活に触れて来ました。ジュリアス・シーザーもこの地を訪れており、ズシーンと歴史の重みを身をもって体感して来ました。しかしまあ、飛行機も車も列車もクレーン車もない古代の大昔に、どうやってこんな重い石をここバースに運び込み、こうした大公共施設を作り上げたのか不思議でなりません。ここバースは、古代の国際都市として栄えたということですが、いろいろな言語を話す人々が行き交うため、言葉ではなくジェスチャーによってもコミュニケーションをとっていたようです。写真も撮っておきましたが、生徒達が古代ローマ人の服装をしたスタッフの人と並んでいる写真の中で、手のひらをこちらにかざしているポーズを撮ったものがあります。これは、手のひらを相手に向けることで、“No weapon”「武器を持っていない」を意味し、このジェスチャーが友好を求める挨拶として使われていたそうです。古代の大昔の国際都市というのもが存在していたということも、日本では考えられないことですよね。

 じっくりと歴史博物館を見学した後は、ランチタイムも含めて2時間程の自由時間をとりました。子ども達は、ホストファミリーに作ってもらったお弁当をBath Abbey の前の大きな広場でのんびりと戴き、その後は、バースの街中にショッピングへと出かけて行きました。今日は、エクセター市内観光の日とは違って、お天気がとても良かったので、楽しい自由時間を過ごすことが出来たのではないかと思います。

 これも余談ですが、バースの街中には、ところどころで大道芸人がそれぞれのパフォーマンスをやっていました。その中の1つに、自分が銅像に成り代わって、全く動くことなくじっとしている芸人がいたのですが、これがなんとも不思議不思議! 椅子に座っているわけでもないのに、膝を曲げて、まさに座っている姿勢でずっと動いていないんです! 写真に撮っておきましたので、是非ご覧下さい。そして、このしかけがわかりましたら、どうぞ教えて下さい。本当にすごく珍しいものを見ることが出来ました。

 自由時間も終わって、みな思い思いにお買い物を済ませた後、エクセターに向けて帰路に着きました。帰りのバスの中は、テンションマックスで、おしゃべりに盛り上がりながらの帰宅となりました。明日は、みんなまる1日ホストファミリーと一緒に過ごす日です。お客さんではなく、家族の一員として、何かひとつぐらいはお手伝いでもしながら、イギリスのホストファミリーとの最後の1日を満喫してもらえればと思っています。