オーストラリアセミナー 6日目
今朝は、昨日、体調を崩して1日ホームステイ先でお休みしていた生徒も元気に登校し、湘南学園生15名、ノックス生17名、ケリー先生、ティナ先生、ピーター先生、ミナト先輩、そして僕の37名で、ノックス校からバスに乗ってメルボルンシティー遠足に出かけました。
メルボルンは、スポーツと文化の街です。新年初めのF1グランプリは、毎年ここメルボルンで開催されます。テニスの4大世界大会の1つであるオーストラリアオープンもここメルボルンが舞台となります。イギリス連邦の国々では、フットボールと並んでクリケットがとても人気スポーツですが、世界一広いクリケットグラウンドは、MCG(= Melbourne Cricket Ground)で、10万人を収容できます。こうした充実したスポーツ関連施設が、メルボルン市内のあちこちにあります。また、美術館や博物館、劇場やコンサートホールなど、こうした文化施設が多い点も、メルボルン市民の誇りとなっています。常に、メルボルンの人々は、「シドニーよりもメルボルンが素晴らしい」という根拠に、こうした素晴らしい施設がメルボルンに点在していることをあげますよね。
僕達は、まず、フェデレーションスクエアと呼ばれる、メルボルン市民が集う広場に行きました。ここには、クリスマスや大晦日の夜など、大きなイベントがある際に大勢の人々が集まり、たくさんの花火を打ち上げて、みんなで大いに盛り上がるんだそうです。メルボルンの建物は、様々な民族のものが点在しています。頭のとがった複数の屋根を持つ北欧建築物、白くフラットなデザインのギリシア建築、天井にドームをつけたイスラム風の建物など、ここメルボルンが、多くの民族によって構成されていることが伺えます。例えば、ギリシア人が最も多く住む街は、ギリシアの首都アテネですが、世界で2番目にギリシア人の人口が多い街は、何と、ギリシア国内にあるのではなく、 遠く離れたここメルボルンなんだそうです。
次に訪れたのは、Ian Potter Art Gallery で、アボリジニの人々の作品やオーストラリアの開拓期の人々を描いた絵などを鑑賞しました。僕が特に印象深かったのは、3ヶ月もかけてイギリスからオーストラリア大陸に渡って来た当時の人々の船の中での様子や、開拓初期のまだまだ何もない時代での人々の生活、さらには、第1次世界大戦当時のメルボルンの街の様子を描いた作品などです。ちょうど、先日ピーター先生のESLの授業で、オーストラリア開拓期に生まれたオーストラリア人がもつ心について学んだばかりだったので、こうした作品から流れる当時の人々の心が伝わってくるような感じがしました。
美術館の次は、The Australian Ballet School を訪問しました。僕はテレビでバレエダンサーを見たことはありましたが、実際のリアルなダンサー達を生でこんなに近くで見たことはありませんでした。また、驚いたことに、このバレエスクールには、2名の日本人が留学に来ており、彼らと話すことも出来たのです。彼らは二人とも男の子で、一人は、中学卒業後に三重県から単身こちらに留学し、もう一人は、高校1年生までを日本で過ごしたのですが、プロのダンサーになりたくて、高校を中退して同じく単身でオーストラリアに渡ってきました。二人ともまだ日本を離れて6ヶ月も経っていないのですが、英語はペラペラになっており、何よりも強いモチベーションを持って、1日中バレエの練習に没頭していました。留学という経験は、本当に人間を強くたくましく育てるということを実感した次第です。二人ともすごく自立していて、今の自分のやっていることを生き生きと語ってくれる姿がとても印象的でした。
お昼ご飯は、Sauthbank の Bear Brass というお店で、ピザとハンバーガーと Fish & Chips の中から好きなものを選んで、ノックス生とおしゃべりしながら楽しく戴きました。その後、88階建てのユリカタワーの屋上に行って、メルボルンシティーを一望出来る展望台で一時を過ごしました。ユリカタワーは、オフィスビルではなく一般の人々が住むマンションなんです。ですから、最上階の88階の真下の87階から下には、人々の居住する部屋があります。とすると、ここに暮らす人々は、世界の中でも一番高いところで暮らしているのかも知れませんね。今年もユリカタワーで人気だったのは、Edge と呼ばれる最上階で壁の外につきだしていく部屋です。一人8ドルの入室券を買って、いざ12名ほどが入れるその部屋に入ると、ゆっくりゆっくりとその部屋が壁の外に飛び出して行きます。そして、部屋がまるまる外に飛び出すと、ホラー映画に出てくるような効果音が流れたと思った瞬間、その部屋の壁と床が透明のガラスへと変身します。その中に入っている人は、自分達が立っている地上88階の床から真下の地面の様子が分かるのです。学園生の中にも、ジェットコースターはへっちゃらなのに、この Edge がとても恐くて、Edge を降りた後も足がガクガク震えて恐怖感がすぐには抜けない人もいたんですよ。これも楽しい思い出の1つになりますね。
展望台から1階に降りると、みんなが期待していたお土産屋さんがあり、そこでつかの間のショッピングを楽しみました。そこには、日本とオーストラリアの友好を願って、両国の国旗をデザインしたバッチが売っていたのですが、バディーの中には、それを買って学園生にプレゼントしてくれるノックス生もいました。(ちなみに僕は昨年、ピーター先生からこれと同じバッチをプレゼントしていただきました)本当に有難うね!
メルボルンシティーからバスで学校に戻って、それぞれのホストマザーが迎えに来る駐車場に移動している時、ハイテンションのあまり、階段を1段踏み外して、足首をねんざして、ノックス校の保健室に運ばれる生徒がいました。ノックスの先生が優しく手当してくれて、痛み止めの薬も用意してくれました。帰りは、松葉杖のようなもので、駐車場に向かうことになりましたが、翌日は元気良く家でトランポリンをして遊べるくらい回復したそうです!
明日からは、2日間、学園生はホストファミリーを過ごします。皿洗いや部屋掃除など、お手伝いもしっかりやって、家族の一員として過ごしてもらえたらと願っております。