イングランドセミナー 3日目
昨夜は、早朝に雨がぱらついていましたが、生徒達が登校する頃には、雨は上がり、セントジェームズ校では、すがすがしい朝を迎えました。
今日は、それぞれのバディーと一緒にセントジェームズ校での通常の授業に参加したり、セントジェームズ校の先生方が、湘南学園生のための特別授業を催してくれたりする日です。生徒のみんなには、朝、それぞれの1日のスケジュールが書かれたプリントが配られ、バディーと一緒に朝のホームルームへと出かけて行きました。
1時間目は、学園生全員のためにコーディネイトしてくれた音楽の授業に参加しました。セントジェームズの生徒達はなかなか多才です。この授業は、中学生の音楽の授業だったのですが、全部でバンドが5つ登場して、僕達湘南学園生にバンド演奏を披露してくれました。湘南学園生も、2つのパフォーマンスをやらせてもらいました。1つは、イングランドに来る前に練習してきた「コスモス」の合唱曲をアルト・ソプラノ・男声パートの3部合唱で、きれいなハーモニーを聞いてもらいました。指揮者は、中2生のティーヨで、堂々と指揮してくれました。この曲の旋律はとても情緒的な心にしみるものなので、毎年イングランドで歌わせてもらっています。今回、渡英する前にこちらの先生から「去年も聞いたあのきれいな日本の歌を是非歌って欲しい!」とリクエストされていました。この期待に応えて、学園生達のきれいな歌声は、今年もセントジェームズの皆さんの心を捉えたようです。
コスモスは、あらかじめ用意しておいた出し物の1つなのですが、今回、あの高校合唱コンクールの優勝に輝いた高1A組が歌った「Answer」という曲を作詞作曲したナミさんにいきなりリクエストして、英語でピアノの弾き語りをしてもらいました。いきなりのご指名にも関わらず、ナミさんのなんともきれいな歌声とピアノの旋律は、ズドーンと聴衆の胸を打ちました。これには、セントジェームズ生も学園生もびっくりでした! シンガーソングライターナミさん、イングランドで鮮烈のデビュー! その歌声がエクセターに響き渡る!
演劇の授業は、学園生達にとっては、初体験です。一体どんな授業になるのかと思っていましたが、これがなんとまあポジティブでクリエイティブでアクティブなとても楽しい授業でした。先生の授業の進め方は当然ながら、そこに参加するセントジェームズの生徒達が、全く物怖じせずに、授業中にいろいろなパフォーマンスを考え出すんですよね。僕が行ったイギリスの学校は、進学校であっても、こうした芸術関係の授業をとても重要視しています。ちなみに、演劇という授業は、イギリスのどの学校に行っても必ず設置されているんだそうです。そして、ここセントジェームズ校でも、公立学校でありながら、照明設備や音響システムが完備された演劇専門の教室が設置されていました。
数学の授業では、まずは、4分間の計算ドリルテストをしました。先生の話によると、このテストを4分間でノンミスでやり上げた生徒の数は、セントジェームズ校全体でも5名なんだそうです。しかし、これにチャレンジした学園生のほとんどがこのハードルをクリアしました。日本の生徒達の計算力はたいしたものですね。数学の先生も感心していました。
ただ、これには、それなりのわけもあるかと思います。日本の算数は、36+15=? 4×15=? という具合に、算数の計算では、主に1つの正解に対してどれだけ正確に速くたどり着けるかを求めるかと思います。しかし、イギリスの算すは、?+?=51 ?×?=60 といったように、複数の可能性を考察する力が求められるアプローチをするんだそうですよ。国によって、勉強の仕方もずいぶんと異なるんですね。
この数学の授業では、その後、コンパスや定規を使って、ピラミッドの四角すいの模型を作ったり、因数分解の練習問題を解いたりしました。もちろん、授業は、すべて英語によっていすすめられましたので、生徒達にとっては、英語で数学を学ぶ経験となったわけです。
物理の授業は、これはこれはハードでした。内容については、引率された物理の圓谷先生が、「中学生なのに高校生レベルのことを学習している!」と驚いていました。それでも、英語で説明される授業であるにも関わらず、何を学習しているかについて、理解出来る学園生もそこそこいましたよ。
美術の時間では、セントジェームズ生と一緒に美術作品を作りましたが、作品を制作しながら、英語でチャットしたり、写真をとったり、折り紙を教えてあげたりしながら、楽しく交流することが出来ました。
セントジェームズ校でのイングランドセミナーも今回で3回目を迎えます。今日は、こちらの校長先生に、姉妹校提携締結書にサインを戴き、オーストラリアのノックス校に続いて、湘南学園は、海外に2つ目の姉妹校を持つことになりました。そんなこともあって、セントジェームズの生徒達は、湘南学園生の訪問をとても喜んでくれています。今日は、まだセントジェームズ訪問の2日目であるにも関わらず、学園生達は、伸び伸びとセントジェームズの生徒達との交流を楽しんでいたように思えます。今日のここでの交流は、きっと両校の生徒達の胸にいつまでも残るものとなったことでしょう。