2015年度 ポーランド・リトアニアヒストリーツアー最終日
2015年9月13日
掲載が遅れましたが、8月27日に無事帰国しました。
8月26日には、在リトアニア日本大使館を表敬訪問させて頂きました。
着任されたばかりの重枝大使様をはじめとした方々が丁寧に対応してくださいました。ご多忙の中、誠にありがとうございました。
その後、最後の訪問場所である、「KGB博物館」に行きました。
ソ連による弾圧がどのようなものであったのか、生々しく伝わってくる場所です。
目を背けたくなる事実ですが、これも風化させてはならないことであろうと思います。
状況によって人間はどんなことをしでかすのかということについて、忘却の天才といえるであろう人間に、常に警鐘を鳴らし続けている場所のひとつでしょう。
今年のツアーも、多くの方々のお力添えによって、実施することができました。
この場をお借りして、関係の皆様方に御礼申し上げます。
特に、現地で同行してくださった、早稲田大学の千畝ブリッジングプロジェクトのお二方には、大変お世話になりました。
なお、来年の2月13日(土)には、地域の方々にも来場していただけるかたちで、参加生徒によるツアー報告会と、在日リトアニア大使館のご協力を得てのリトアニア紹介の催しを行う予定です。詳細が決まりましたら、ホームページ等にてお知らせいたします。
最後に生徒たちの感想を掲載いたします。
<K・A>
まず、リトアニア在日日本大使館に行った。大使の方は、数日前に赴任してきたばかりとおっしゃっていたが、色々な話をしてくれて、とても楽しく話を聞くことが出来た。リトアニアが本当にいいところで、その場所が好きなんだなと思った。
その後KGB博物館に行った。そこの処刑場の壁には血や銃弾の後が残っていて、とてもショックを受けた。人の命を軽く扱っていたという事実に驚き、悲しくなった。アウシュビッツと同様、今後こういったことを起こさないためには辛くても過去の歴史をきちんと振り返っていかなければならないと感じた。
<S・Y>
今日は、KGB博物館に行った。ソ連の秘密警察の活動を示してあるものだった。当時の政治犯などが処刑される映像なども見た。当時の体制に反対した政治家や芸術家などが囚われ、処刑されるということは、過去の日本でも行われていたことだ。そのことからも、二度とこのようなことを繰り返さないために、個を学ぶことは大切だと思う。
自分の 意見をはっきり述べ、自分が正しいと思うように行動すること。これがこのツアーで自分が最も強く思ったことである。しかし、何度も言うように、これは決して簡単なことではない。弾圧されるかもしれない恐怖と戦わなければならないし、その後の自分の人生を大きく変えることになると思う。だが、自分は傍観者になりたくない。そのためにも、自分は自分の正しいと思う道を生きたいと思う。
<T・K>
今日はまず、KGBに行きました。
そこはアウシュビッツ強制収容所と同様に社会に反対した人が収容されてました。
そこには、血の跡が残っているなど展示が強烈でした。
牢屋は地下なのでとても暗くて僕はその時代にそこにはいったら、頭がおかしくなると思いました。
その後、日本大使館に行きました。
そこで、ツアーで初めてリトアニアに暮らしてる日本人を見ました。
しかし、3日前にリトアニアに来たばかりでそれまではハワイにいたそうです。
なので、リトアニアはどうだったか細かく聞いてきました。
僕はこのツアーで色々な事を学べたと思います。
それは迫害や戦争のことだけではありませんでした。
<T・R>
日本国大使館で大使に挨拶した。大使館に行く機会なんてそうそうないから緊張した。大使にあなた達は日本人の代表として見られているという事をいわれ、自分の行動で日本人のイメージが決まるという責任を背負っているんだということを自覚した。
ソ連の秘密警察であったKGBを見学した。ここではナチスを批判した思想家や風刺画を描いた画家などが収容、処刑されていた場所で、実際にリトアニア人が収容されていた部屋などを見て回った。屋根のない雨ざらしの部屋とは呼べないような空間や、昼でも日の光が全く入ってこない部屋など、当時の収容されていた人のことを考えるととても耐えられない気持ちになった。処刑場には銃殺された時の弾丸の跡や、血痕が残っていたりした。処刑の際の当時の再現VTRが流れていて、見ていられなくなって目を逸らしてしまった。見学を終えた後はしばらく呆然としてしまって、なんともいえない沈んだ気持ちだった。家に帰ってからもKGBのことを家族に話した時に涙が止まらなかった。でも、この気持ちをこれからの平和の為にいかすことができるんじゃないかと感じた。
この12日間は本当に楽しくてあっという間に過ぎていった。毎日が新鮮で、いろいろなことを感じて、考えることができた。ホームステイでは、ホストファミリーとは言葉の壁はあったが、いつでも笑ってられて、なによりとても優しくて、別れの時は本当にさみしかった。一方で、アウシュビッツ強制収容所やKGBのように重い歴史を知って、受け止めきれないものもあったが、これから自分たちの世代で何ができるかをこれほど考えたことはこのツアーが初めてだった。
本当にこの12日間のことは一生忘れられない思い出になった!