2015年度イングランドセミナー 3日目

2016年3月24日

 今日はまだセントジェームズスクールでの研修のわずか2日なのですが、生徒達は、もうすっかりここでの学校生活に慣れてきたようです。朝、それぞれのバディーと会って Good morning! How are you? とにこやかに挨拶した後、それぞれのHR教室へ行き出席をとりました。どうやら今朝は、学期末の成績の発表があったようで、それも、個人別ではなく、クラス毎の成績が公表されていたそうです。(僕はこのHRには参加しなかったので、ここでの様子はすべて学園生達が教えてくれたものです。)そして、学年の中でそれぞれのクラスがどのように頑張ったかを評価し、次への学習のモチベーションにしているそうです。これは、子ども達の進歩を少しでも評価してあげることを通じて、子ども達を伸ばすというコンセプトなんでしょうね。セントジェームズ生の中には、ブレザーの胸に様々なバッチを付けている生徒が少なくありません。これは、生徒が何かで頑張った印として、学校からプレゼントされるものなんだそうです。(このことも学園生がセントジェームズ生に聞いて、それを僕に教えてくれました。)

 午前中は、昨日に引き続き、みっちりとEFLで英語漬けの学習に取り組みました。生徒達にとては、こんなに集中して長い時間、英語を勉強し続けたのは、恐らく、定期試験前でさえもなかったことと思います。それでも、ジル先生やアンドリュー先生が、いろいろと工夫をこらしながら英語を教えてくれるためか、生徒達は、うとうとすることもなく、しっかりと授業に参加していました。学園生達はみな、なかなか頑張っていますよ!

 リセスタイムやランチタイムでは、セントジェームズ生との距離は、昨日よりもぐっと近くなったようです。日本から持って来たお土産の扇子は、予想以上に大人気で、生徒ジェームズ生達にとても喜んでもらえたようです。また、日本の駄菓子の口笛を吹けるラムネのあめもかなり好評でしたね。セントジェームズ生も学園生も笑顔であふれていました。こうした交流を通じて、「自分の英語が伝わった!」「イギリス人が言ってる英語が分かった!」という瞬間瞬間の喜びをひとつひとつ経験してくれているようです。

 さて、今日のお楽しみの1つは、午後のエクセター市内観光です。ランチタイムが終わって、バディー達に See you tomorrow! と別れを告げた後、学園生達はチャーターバスに乗り込み、いざ、エクセター中心街へ!バスの中から見えるイギリスのレンガ造りのかわいらしい家々の風景は、まるできれいな絵葉書の中にやってきたようです。イギリスには、ほとんど電柱や電線がありません。電線は、道路の下の地中を通っています。アンドリュー先生が、こうしたことが出来るのは、イギリスには地震がないからだと言っていました。また、イギリス人がいかに景観を大切にしているかを実感します。

 エクセターの中心部も、歴史感あふれる建物でいっぱいでした。ジュリアスシーザーらのローマ人がやって来た頃に築かれた町の城壁が未だに残っていたり、ロシア皇帝ニコライ1世が宿泊したホテルが未だに営業されていたり、イギリスで初めて世界をまわった冒険家のフランシスドレイクが、仲間達と共に「次はどこの海に船を乗り出そうか?」とお酒をかわしながら相談したパブがあったり、そこを歩いているだけでも、幸せな気分になってきます。

 その中でも、エクセター大聖堂は、圧巻でした。この大聖堂の建立が着手されたのは、源頼朝が鎌倉幕府を開いた1192年よりも前の1114年のことでした。当時、車やクレーンなどの科学技術など全くない時代に、あれだけの巨大な建造物とその中に施された彫刻やステンドグラスなどの芸術作品がどうやってつくられていったのか、本当に不思議です。そして、今でも演奏される巨大なパイプオルガンにも心を奪われました。そのオルガンの音が大聖堂に響き渡る時、地面をジリジリと音が波をたてて振動するのが分かるそうです。イギリスのようなヨーロッパの国々には、アメリカやカナダやオーストラリアなどの同じ英語圏の国々にはない、こうした歴史の重みをじわっと実感出来る壮大な建造物がたくさん残されているんですよね。生徒達に限らず、僕にとっても、イギリスに来れてよかったなぁとしみじみ思える1日となりました。

 エクセター市内観光から戻ると、ホストファミリーの皆さんが生徒達を迎えて来てくれました。ポンちゃんのダブルッチのステイ先では、今夜は、彼らジャパニーズボーイズ達が、ホストファミリーにお好み焼きを作ってごちそうするそうです。ルリとカヤも日本からもんじゃ焼きの素を買って来たのでそれを作ってごちそうするようで、ホストマザーに“I want to cook Japanese meal, so I want you to buy cheese and cabbage.”とお願いすると、“Yes, tomorrow!”という返事をもらっていました。エリカやユイやフミ、ダブルッチやポンちゃんらは、早くも自分達だけで歩いて帰宅していました。イギリスでの生活も徐々に自分達でいろいろと出来るようになって来て、楽しくなり始めたように思えます。