UNESCO YOUTH SEMINAR
7月29日から30日にかけて、東海大学湘南キャンパスで『ユネスコユースセミナー2016』が開催されました。今年は、高校1年生の女子2名が参加しました。彼女たちが作成した、まとめの文書をそのまま掲載します。
1日目のプログラムは、最初に世界の挨拶の方法(例えばヨーロッパで多い頬と頬をくっつけるbiseなど)で、日本ではあまりない挨拶を知ることができました。
そのあとユネスコスクールやESD=持続可能な開発のための教育について詳しいお話を聞かせていただきました。
そしてTシャツペインティングをしました。ゲームに勝った人が負けた人に絵の具を付けるゲームです。国籍、性別、年齢など関係なく、お互いに絵の具を付け合うことで緊張がほぐれ、初対面なのにとても話しやすく沢山の人とお友達になれました。
そのあとそれぞれの学校紹介をして、夕食はイスラムの伝統料理を食べました。スパイシーな味のタイ米やチキンの揚げ物、インドのカレーに似た豆料理。その美味しかったイスラム料理を出してくださったのには深い理由がありました。今回参加した学校の中にイスラム教を教えている学校があり、そちらの生徒さんは宗教が違うため私たちが普段食べている料理の中に食べられないものがあります。だからと言って食べ物をわけてしまうと差が生まれてしまいます。それより珍しい料理を皆で食べて、一緒に料理の楽しみを分かち合う。ちょっとしたことで沢山の喜びが生まれました。
そのあとESDについてグループに分かれて話し合いをしました。
二日目は話し合いの続きをしたり、中川マリーさんというハーフモデルの方や夜間中学の先生の講演会がありました。そして1日目での話し合いの結果をポスターにして、グループ発表をしました。
ESDについて
ESDとはEducation for Sustainable Developmentの略で『持続可能な開発のための教育』と訳されています。
世界には今、環境・貧困・人権・平和・開発といった様々な地球規模の課題があります。その問題を地球に存在する人間を含めた命ある生物が、遠い未来までその営みを続けていくために、自らの問題として捉え、一人一人が自分に出来ることを考え、実践していくことを身につけ、課題解決につながる価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。
つまり、持続可能な未来にしていくための教育です。
感想(高橋夢歩)
私は8月からロータリー青少年交換プログラムでフランスに1年間派遣させていただくのですが、その前の研修で沖縄へ行ったりし、平和や戦争について勉強してきました。なので今回のユネスコで繋がることがあり、行かせていただきました。
いろいろな民族の人たちが集まって、ディスカッションをして、学んだことがあります。今回参加した学校の中で、日本の政府の援助を受けていない、つまり日本とは違う方針の学校が多かったのです。日本語の授業があっても学校の中で日本語を話すのは禁止だったり、宗教の学校は全く日本の学校と違う方針で驚くことばかりでした。
話を聞いて感じたことは、どの学校も芯を持っていることです。自分たち民族の大事な伝統を異国の地で守り続ける。それは大変なことだと知りました。
また、私たちの班は人権について話し合いました。差別のない一人一人の人権を尊重し合う方法は知る権利、決める権利、当事者意識を持つことが大事だと結論を出しました。
知る権利とは今私たち日本人には世界の状況について調べればわかることが沢山あります。ですが多くの人が調べようと行動に移していません。分からないまま意見を言うことより理解して考えないといけないと思います。知りたい情報があっても世界には知ることができない人も大勢います。日本人は恵まれていることをもっと感謝するべきだと思いました。
決める権利とは自分の意思で選択できるようになる事です。相手に遠慮して自分の意見が言えず、問題が起きる。それは良くないことです。出来るだけ自分で判断できるように、周りの環境作りも大切だと感じました。
当事者意識を持つ事は、相手の気持ちになって考えて行動することです。女性が男性の気持ちになったり、男性が女性の気持ちになるのは難しいことなのかもしれません。ですが、小さい事でも相手の気持ちがわかれば問題解決に役立つと思います。このことは人権についてですが、他にも色々なテーマで話した人たちがいて、他の班の人の結論を聞いた時、自分だけでは見られない奥のことまで見る事が出来て面白かったです。
今回知り合った人たちはとても大切です。友達になって数時間しか経っていないのに不思議と仲良くなりました。これで終わらず、これからもずっと友情関係が続いていったらと思います。このUnesco Youth Seminerで得たことを生かし、自分の留学にも繋げていきたいと思います。
こんな素晴らしい機会を与えてくださり、本当に感謝しています。ありがとうございました。
感想(清水乃愛)
私はUnesco youth seminarに参加してさまざまな考え方を学ぶことができました。
班に分かれてディスカッションをした時、私の班で議題となったのは”児童労働”について。日本では児童労働が禁止されているのであまり知る機会がありません。世界では1億6795万人もの子供達が毎日8時間働いて1日100円も稼げていないということ。麻薬製造や兵士として5歳~17歳の子供達が働いていることを知りました。
辛い話ではありましたが、ちゃんと向き合わなきゃいけない話だと私は思いました。
今、児童労働者の人数は減ってきています。しかし多くの子供達が家族のため、生きるために必死で働いているということ。児童労働を0にするためには道徳が大事だと考えました。私が考えた児童労働を0にする教育は道徳でこのことを取り上げて、現状を多くの人に知ってもらうこと。そしたら少しでも彼らの役に立てるかもしれない。
何かつながる輪を作りたいです。
私達の当たり前は彼らにとっては当たり前じゃない。
この事実を忘れてはいけません。