中学2年学力推移調査が行われました。

2016年12月5日

湘南学園中学高等学校は6年の完全中高一貫なので、高校受験がありません。高校受験がないことの利点としては、やはり受験勉強にとらわれない幅広い学習が可能なことが挙げられます。湘南学園では、歴史ある独自の総合学習や、幅広い教科学習を軸としたESD(持続可能な社会の担い手を育くむ教育)を実施しています。そして、数年先の高校3年生になったとき、ほぼ全員が大学受験を経験します。高校受験がないとはいえ、今現在自分の学習到達度がどのくらいか、その実力は全国規模ではどのくらいに位置しているのかを知ることは、今後の大学受験を考えると大変有益です。

 

 

湘南学園では中学1年生から3年生までがBenesse® が主催している学力推移調査を年2回受験しています。今回中学2年生が受験したのはその第2回に当たる記述式の試験でした(第1回はマーク式の試験)。今回受験したのは「英語」「数学」「国語」の3科目と、「生活実態調査」という日頃の学習・生活習慣を聞き取るアンケートでした。その全部が終わったところで学年集会を開き、各教科の担当者からの解説や今後に向けたアドバイスを生徒に伝えました。その後、生徒たちは自分たちのホームルーム教室に戻り、自己採点に励みました。

 

ここで、学年集会で英語の教科担当が話していた興味深いお話しをみなさんと共有できたらと思います。これは、英語に限ったことではなく、今学習に取り組んでいるあらゆる人たちに当てはまることなので、湘南学園を受験しようとしている人は是非しっかり読んでいただければと思います。

 

人間の「記憶」に関する面白い実験の話です。とある、学力が変わらない二つの集団AとBそれぞれに、単語を100個覚えてくるという課題を課しテストを行います。ただし、2つのグループは条件面で異なっています。

 

グループA:テストの2日前からコツコツ課題に取り組んでもらう。

グループB:テスト前日に一気に課題に取り組んでもらう。

 

さて、それぞれのグループのテスト結果はどうだったでしょうか?結果はA・Bグループ共に約60%の正答率で、有意な差は見られません。

 

肝心なのはここからで、この第1回テストを行った次の日に再度テストを行います。さて、結果はどのようなものになったのでしょうか。第2回試験ではAグループの正答率が約30%であったのに対し、Bグループでは20%にとどまっています。見かけの差は10%ですが、課題にコツコツ取り組んだAグループを基準に考えてみると、一気に詰め込み勉強をしたBグループはその66%しか達成出来ていないということが分かります。

 

つまり、詰め込み勉強で覚えたことは、コツコツ取り組んだもことの7割しか記憶に残らないということです。このことは日頃の学習でいかにこつこつと地道に取り組むことが大切であるかを強く示しています。

 

(以上の話は 児玉光雄氏著 勉強の技術 SBクリエイティブ新書 の内容を参考にしています)

 

もちろん、詰め込み勉強を全て否定するべきではありません。将来、ライバルとなる受験生はみな詰め込み勉強「も」して受験に望んでいますので、それに負けじと詰め込み勉強に取り組むことが必要です。その一方で、日頃コツコツと取り組むことが最も大切なのは不変です。それに加えて詰め込み勉強があれば「鬼に金棒」と言ったところでしょうか。とにかく、基礎はじっくりコツコツと時間をかけて学習に取り組むことによって培われます。現在学習に行き詰まっている人はこの点を意識して今後の学習に励んでいただければと思います。

 

さて、第2回学力推移調査の結果は12月の上旬に個人データの状態で各人にフィードバックされます。ただ結果を受け取るだけでなく、どのように今後の学習につなげていくかが重要なのは言うまでもありません。その様子も今後ブログで紹介させていただく予定ですので、またブログにアクセスしていただけると幸いです。