4月・5月 中高図書室から
新入生を迎えて2ヶ月…はやくも常連となった中1の生徒達が、毎日せわしなく図書室に出入りしています。カウンターの委員も大忙しですが、彼らの楽しげな姿をみて「元気でかわいいなあ」と嬉しそうな様子です。
昨年度の貸出合計は4,265冊で、前年から1,200冊近く増加。年間100冊以上の本を読んだ『年間読書賞』の生徒は7名で、修業式には表彰が行われました。それに刺激を受け「今年は去年より多くポイントを貯めるんだ!(図書ポイントカードのこと。1冊貸出につき1ポイント)」と意気込んでいる生徒もいます。
昨年度の図書委員会は組織を大幅にリニューアルし、古本市や映画会、先生へのインタビュー、配布版「本のむし」、図書メンテナンス…等々、さまざまな新しいことに取り組んできました。学期末の反省会では「企画・広報・整備と班を分けたことで、自分の役割に集中できた」「それぞれにあった仕事を選べたので、思わぬ才能を発揮する人が現れた」などの意見が出ました。
そして、せっかくなのでこの活動を定着させたい、よりやる気のある人材が欲しい…ということから発案されたのが「求人広告の作成」です。委員の仕事の内容や向いているタイプ、福利厚生(?)まで記載されたこのポスターは校内に掲示され、リクルート活動に一役買ってくれました。
ベテランに加え新たなメンバーを迎えて始動した2017年度の図書委員会。前期目標は「委員が達成感を持てる環境をつくり、プロの図書委員を育成する」、そして「利用頻度の低い人を呼び込むために、魅力的な資料があることをアピールする」の2つです。“プロの図書委員”という言葉はなかなか衝撃的でしたが、自分達の仕事にやりがいや誇りを持ちつつあることが窺えます。
さっそくカウンター班では、上級生による初の『配架講習会』が行われました。配架とは、返却された本を書棚の正しい位置に戻す作業のことで、委員の大切な仕事のひとつです。実際にいくつかの本を配架し、あらかじめ書棚に隠されていたダミーの本と交換するロールプレイングを行いました。講習を受けて以降、丁寧に配架に取り組んでくれる委員が増えました。
企画班では、ポイントカードについて見直しを行い、新たに『雨の日ポイントデー』を実施することになりました。雨の日に本を借りた人に+1ポイントをプレゼントすることで、利用の活性化につなげようという狙いです。評判は上々で、雨の日をねらって本を借りに来る生徒や、快晴の日にも豪雨だと主張する猛者もあらわれています。
また、ポイントを貯めるともらえる景品について、缶バッジに加えあらたに『押し花のしおり』と『オリジナル・スケジュールシール』を作成することにしました。
このように、自分達の図書室を、自分達の手で作り上げる活動を通して、読書力だけでなく自主性も育んでもらえたらと思います。
生徒だけでなく教員からの働きかけも活発になっています。今年度から各学年のエリアに、様々なテーマのブックワゴンを設置することになりました。隙間時間に立ち読みする生徒の姿や、総合学習での調べものに活用している様子が見受けられます。すぐ手の届くところに本があることで、出会いのきっかけが増えたのではないでしょうか。
生徒のみなさんが図書室で楽しく、そして有意義な時間を過ごせるよう、本年度もさまざまな取り組みを行っていきたいと思います。