チェコ留学レポート No.2

2018年2月14日

 前回のレポートから3ヶ月弱が経つのですが、相変わらずホームシックにもならずに元気に過ごしています。そこで今回は最近の出来事についてまとめてみました。
 
【クリスマス】
 チェコのクリスマスも日本と同様に過ごし方は家庭によって様々です。そこで、チェコに留学している他の日本人の体験も参考にしてまとめてみました。

 チェコではクリスマスのお祝いやプレゼントの開封をクリスマスイブの夜にします。私の滞在している家庭では、夜ご飯を食べた後クリスマスツリーの下に置いてあるプレゼントをみんなで開け、リビングでテレビを見ました。チェコではイブの夜ご飯に鯉のフライとポテトサラダを食べるのが主流で、イブの日までは生きた鯉を家の浴槽か容器に泳がせておきます。また、ツリーの下に置いてあるクリスマスプレゼントは子供宛のものもあれば両親や親戚宛のものまであるので、後日親戚同士でお互いに家を訪ねてクリスマスをお祝いします。そしてイブの夜の大半はクッキーを食べながらテレビでチェコのおとぎ話やクリスマスのお話を見て過ごしました。

 他の留学生達にもクリスマスをどのように過ごしたか聞いてみたところ、家庭によっては様々な風習を体験していました。例えば、Odlévání olovaという占いのようなもの。これは簡単に言ってしまえば「鉛占い」で、溶かした鉛を水の入った容器に入れその固まった形で運勢を占います。調べてみたところ、この風習はチェコに限らずドイツなどでも昔から行われているそうです!このOdlévání olovaに限らずチェコには他にもクリスマスにまつわる様々な風習があり、私が話を聞いた留学生達の中には「クリスマスイブに1日断食すれば目の前に金の豚が現れて幸せになれる」「靴を投げて落ちた靴の向きによって運勢を占う」などの風習を体験した人もいました!


【大晦日とお正月】
 チェコは日本と違ってそれほど大晦日やお正月に執念が無く、年越しそばのような決まった食べ物やお正月飾り、おせちはありません。街中や家の中はクリスマスの飾りで賑やかなまま新年を迎えます。

 私の過ごした大晦日は、日中は普段と変わらない休日を過ごし、夕方になると村の広場で友達や親戚、ご近所さんと団欒しながら花火を楽しみ、夜にはホストシスターとその友達と家で遊び、年越し直前になるとカウントダウンのテレビを見ながらみんなでカウントダウンをして0時になった瞬間に窓から「Šťastný nový rok!!」と叫び、急いで家の外に駆け出し、至る所で上がる花火を見ながらひたすらはしゃぐというものでした!

 またお正月にはさらに執念が無く、元旦の様子はごく平凡な休日といったところです。強いていうなら、ほとんどの人が夜通しのパーティーなど前日の夜更かしで疲れ切って家で寝ています。


【中間オリエンテーション】

 1月の20日、21日で一泊二日のオリエンテーションに参加してきました。このオリエンテーションは私の留学をサポートして下さっているAFSのプログラムで、留学生活を半分終えたこの時期に5ヶ月の振り返りや残りの5ヶ月について他国からの留学生達とのグループワークやディスカッションを通して自分の留学生活を見直していくというような内容になっています。このオリエンテーションは地域ごとに分かれて行われるのですが短期の留学生たちが帰国したことによる地域ごとの人数の変動から前回のオリエンテーションの時とは違う地域区分になり、日本人は私を含めて3人で、全体の人数は大体20人程度でした。

 そのオリエンテーションの具体的な内容としては、学校、ホストファミリー、自由な時間、AFSといった4つそれぞれの場面での悩み事を4つの異なる模造紙にみんなで順番に書き出し、最後に全体で解決策を募るというものや、これまでの5ヶ月間にあった出来事を一人ずつ語る、これからの5ヶ月に向けて自分はどうあるべきかについて考えるなどの真面目なディスカッションもあります。また、チェコにまつわるクイズや屋外での雪合戦などの楽しいプログラムもありました。しかし今オリエンテーションを振り返ってみると、これまで過ごした5ヶ月間を振り返る内容のディスカッションがプログラムの大半を占めていたように感じます。


【学校のイベント】

 私の留学生活も半分が過ぎたということで私の現在通っているギムナジウム(ヨーロッパの高校のようなもの)でも前期が終了し春休みに入りましたが、そんなギムナジウムの前期の終盤には大きなイベントが二つありました!

アイスホッケーの試合
 一つ目はチェコの国技とも言えるアイスホッケーの試合です!この学校では年に1度先生対OBのアイスホッケーの試合が行われるそうで、その日は午前の授業が終わった後生徒達は昼食を取り街のスケートリンクに足を運びます。このイベントは強制参加ではないので女子は行かない人も多く、私はクラスの男子達に連れられ試合を観に行きました。その日私たちは昼食を取るためレストランに入ったのですが、そこで私は自分がレストランのメニューや店員さんの言っていることが理解できるようになっていることに気がつき、語学の上達を実感することができました!アイスホッケーの試合は4対3で先生チームの勝利だったのですが、先生もOBの方々もプロではないので頻繁に氷の上で誰かが転倒していて面白かったです。

タレントショー
 イベント二つ目はタレントショーです!この日も午前中は授業(という名の休み時間)があり、午後から全校生徒が近くのホールに集い生徒会主催のタレントショーが行われます。午前中の授業がなぜ休み時間と化しているかというと、前期の成績表はこの日の前日に全員受け取っているため先生が何かを教えるということはなく生徒達はトランプなどで遊んでいたからです。そしてこのタレントショーは生徒会主催であると記載しましたが、驚くことにこちらの学校にも生徒会のような機関はあり、このタレントショーはこの学校では珍しく生徒が企画・運営しているイベントなのだそうです!

 タレントショーでは有志の生徒達が生徒会の設けるオーディションを通して舞台に立つことができるのですが、そのパフォーマンスのジャンルは劇、バンド演奏、合唱、バレエ、ダンス、スピーチと多岐にわたります。私が音楽と体育の授業を一緒に受けている1-Cの人たちはクラス全員で体操着をきてダンスを踊り、私のホームルームクラスの男子達は真っ赤な口紅をつけて“Mickey”の曲でゴリエみたいにチアダンスを踊っていました。ネタ系のパフォーマンスをしているグループも結構ありましたが、私が一番気に入ったのはピアノ×ギターのデュオでジャズを演奏していたグループでした!ポップなパフォーマンスを披露しているグループが多数いる中、ジャズというジャンルを披露していたのがなかなか気に入りました。


【語学について】
 やはり皆さん、チェコ語のような馴染みのない言語でも5ヶ月も現地にいればある程度は喋れるようになるのではないかと思います。私も実際数ヶ月前まではそう思っていました。しかし私は留学生活3ヶ月目を過ぎた頃からあまりの上達のなさに焦りを感じ始め、4ヶ月目にはひたすらチェコ語のテキストを解き進めていましたが5ヶ月がたった今もなおチェコ語が満足に話せていません。確かに先ほど記しましたように、レストランでの店員さんとのやり取りや、家庭内でのコミュニケーションはある程度可能です。ですが、学校の友達との会話は9割方英語です。私はこれまでに何度か学校の友達に頼んでチェコ語で何か簡単な会話をすることもありましたが、毎回文章に使われている単語は知っているものばかりなのに、単語ごとに区切って話してもらわないと聞き取れないため、いつも理解に時間がかかってしまいます。

 そこで自分の語学学習を振りかえってみると、テキストを解き進めたり単語やフレーズを覚えるばかりで、いざ会話をする時に単語を聞き取る能力が低く圧倒的に実践が足りないことに気づいたので、これからは色々な人とチェコ語での会話を増やすよう意識して生活していこうと思いました。特にチェコ語は一文字の接続詞が多い上に再帰動詞と呼ばれるものや語尾変化が頻出するので、それが合わさってしまうと元の単語の発音とかけ離れた音になってしまうため聞き取りが難しいので頑張ります!


【最後に】
 文中で何度もお伝えしている通り、私がチェコに来て5ヶ月が経ち留学生活の半分が終了してしまいましたが、これからも日々の中に新しい発見を探し、どんどん変化していきたいと思っています。また、1月に参加したオリエンテーションで他の留学生たちから沢山の刺激を受けたことによりモチベーションも上がったので、このまま留学生活後半も頑張っていきます!