異国文化滞在記その2 ~カナダでの食事編 ~

2018年8月1日

カナダセミナーの生徒たちは、毎日の昼休みをホストファミリーから用意されたお弁当を持参して、各々楽しく昼食をとっています。ここカナダでも忙しく働く女性がほとんどのため、お弁当はサンドウィッチなど手軽に準備できるものが多いようです。生徒たちもピザやハンバーガー、肉やチキンといった食文化から、そろそろ日本食が恋しくなってきた頃ではないでしょうか?
 
私たち引率教員はというと、しばしば現地の先生たちに昼食を誘われることがあります。4日目のバンフ観光では生徒たちの自由行動の間、テラ先生お薦めのレストランを訪れ、我々は昼食をご馳走して頂くことになりました。5日目には、加藤先生お気に入りのメキシカン料理のお店にシャーロット先生、テラ先生、日本人教員の4人で訪れ、短くも楽しい昼休みの時間を満喫することとなりました。
 
会話も弾み、“もう一度言って下さい”に関する聞き返し方のマナーの話しになった時でした。シャーロット先生から「やはり“Pardon?”を使うことが最も適切で普通であり、“What?”や“Eh?”などの表現は、普通の聞き返し方の表現としては不適切であるよね。」とのコメントをもらいました。“What?”や“Eh?”の表現は『えっ!何だって!』のように、いささか強く無礼な意味を含みます。日本の授業でも当然学んでいることではありますが、いざ現地本場での急な会話の場面となると、知らず知らずのうちに口から出てしまうものです。我々も気を付けなければいけません。
 
気を付けなければならないことと言えば、会話表現のみならず、ちょっとしたジェスチャーの誤解から生じる勘違いもしばしば起こります。Pardon?の話も一段落し、翌日のHeritage Parkの出発の時間を渡邉が確認した時のことです。シャーロット先生に「明日は何時に学校を出発することになるのですか?」と尋ねたところ、唇の前に人差し指で“1”のマークを示し、合図されました。渡邉は何事も無かったように、“OK! It’ is just going to be from one o’clock. No problem!”と答えました。その瞬間、シャーロット先生は大爆笑され、物が飛び出さないように口元を押さえ、笑いをこらえながらこう言われました。

“I’m just eating now, so I can’t say anything!” (今、物を口に入れて食べているところだから、何も答えられないのよ!)

ここカナダでも頻発する“渡邉の天然ボケ”のツボに、シャーロット先生もついにはまってしまったようで、“From 10 o’clock”と正確な時間の返答が返ってくるまでにはしばらくの時間を要しました。



その後、日本では“今食べているところだから、ちょっと待ってね”の表現は、“手のひらを返し、胸の前で押しかざすようにするんですよね~”などと言っても時すでに遅し。Gentlemanのイメージは儚く消え去ることになりました。カナダに限らず、食事中に物を口に含んでいる時には、“口元の前に数字の1のマークを指で示す”ことで、相手からの質問にはすぐに答えられないことを表すのが一般的です。日本のような表現の仕方は、カナダでは“ちょっと来ないでよ”や“近づかないようにして欲しい”ということを意味します。言われてみれば、誰しも分かっているんですけれどもね~。“とっさの時の英会話”ならぬ、“とっさの時のジェスチャー表現”などの訓練も、慣れない日本人には必要なようです。



食べ物のことで盛り上がったところなので、生徒たちがホームステイ先で頂いている食事や、その様子を少しだけ覗かせて頂きたいと思います。写真の一部は、あるご家庭で生徒たちが頂いている食事メニューの様子です。また私たち引率教員は、休日となったカナダセミナー8日目の日曜日に、夕食のご招待をホストファミリーのお宅から受けることになりました。その様子と併せて、カナダセミナー番外編 ~その二 ~ を結びにしたい思います。
 
続く。