9月~11月 中高図書室から

2018年12月3日

9月末の学園祭で、図書委員会は恒例の『チャリティ古本市』を行いました。昨年までの混雑状況を鑑み、今年は教室一つを会場として確保したので、お客さまにもゆったりと本を選んでいただくことが出来ました。そして、台風の接近に伴う急な時間変更があったにも関わらず、総額24,675円もの募金が集まりました。こちらはアジアの発展途上国で読書支援を行っているNGOに寄付されます。

反省会では、募金箱に手を合わせてから集計をする生徒たちの姿がみられました。実際、「自分たちの売り込みに小学生がのってくれて、ありがたかった」「大人が『ほんの気持ちだけど…』と募金に協力してくれた」と、来場者への感謝を口にしていました。また「お仕着せの社会貢献ではなく、自分たちが楽しんでやったことが自然にチャリティにつながるのが良い」「企画会議や書類作り・接客などは社会に出ても役に立つ」「自分の活躍できるポジションがある」などの感想も聞こえました。
大きな手ごたえとやりがいを感じ、またひとつ成長できたのではないでしょうか?
ぜひ来年も頑張って欲しいです。

  

 

 秋の図書室のメインの特集は「BOOK KITCHEN」でした。『ハイジ』のやぎのミルクとチーズ、『月の砂漠をさばさばと』の鯖の味噌煮、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』のソーセージのトマトスープ…等々、物語に登場する印象的な食べものを、本とあわせて紹介しました。先生方からも「『モモ』のはちみつパンも『赤毛のアン』のいちご水も忘れられない!」と懐かしがる声がきこえました。

 

 もうひとつ、生徒の注目度が高かったのが「平成最後の年に考えたい!あの時(1945年)私は〇〇歳でした。」と題した特集です。物語に登場するキャラクターや実在の人物をあげ、1945年の終戦のときに彼らは何歳だったのかを比較するコーナーです。
例えば『火垂るの墓』の節子は当時4歳でしたが、『となりのトトロ』のサツキや宮崎駿監督も同い年の4歳でした。今上天皇は当時12歳で、黒柳徹子さんや藤子・F・不二雄さんは同級生です。生徒達も「この人たちは同時代に生きていたの!?」と驚いていました。こうしてみると、あの時代はけして遠いものではない…と感じられます。コーナーでは、当時の新聞や教科書、実物の軍事郵便や紙幣なども展示しました。

 

 図書室では生徒に身近な旬の話題や時事ニュースに関する本も、積極的に紹介しています。例えば、最近人気なのは韓国文化に関するコーナーです。「K-POP」とよばれるポップス音楽がいま若い世代で流行しており、韓流第3次ブームの到来ともいわれています。歌を通じて簡単な韓国語を覚えてしまった生徒などが、より深く学ぶために韓国語の本を借りていきます。

また、先日逝去されたさくらももこさんの著作も再び注目されています。老若男女問わず楽しめるエッセイは、朝読書にもぴったりです。

   

 

 

冬が近づくこの時期の図書室では、昼休みも受験勉強にはげむ高校3年生の姿が見受けられます。一方、行事もひと段落した下級生たちは、ゆったり読書をしたり友達とDVDを観たり…と、思い思いの時間を過ごしています。
彼らがリラックスできる居場所の一つとして、図書室を積極的に活用してもらえれば幸いです。