カナダセミナー10日目の報告
早いものでカナダセミナーの現地学校での活動は、本日が最終日となりました。
午前中は、いつものようにESLの英語のレッスンです。高校生の参加者たちのグループは、カナダと日本の文化を象徴する事柄に関する授業です。カナダを象徴するものとして、やはりメイプルに関するワードが多く挙がり、メイプルリーフ、メイプルシロップ、メイプルキャンディー、また動物では、バッファローやビーバー、食べ物としては、サーモンなどが代表の1つであることがジェーン先生より説明されました。また日本の文化としては、海に囲まれ独立した島国であることが特徴的で、新鮮な魚が数多く手に入ること、また仏教や神道の国であることから、多くの寺院が国内に点在していること、日本製の車に代表されるように科学技術がとても発達している国であることなどが話題となりました。
中学生の参加者たちのグループの授業では、“Talking Stick”というカナダの伝統文化についても学びました。“Talking Stick”とは、カナダの先住民たちが議論を行う際に使用していたスティック状の棒の道具で、生徒たちはちょっとした Talking Stick 作りにも挑戦していました。
Talking Stick は、先住民たちが会話をする時に理解不足による無駄な争いをなくすための小道具の1つです。人々は議論をする際にスティックを持っている人が発言し、持っていない人は黙って聞くというのがルールだったようです。現在のように優れた音響機器が発達していなかった当時、今で言うところのマイクを握った人の話を注目して聞くような慣習や役割が果たされていたとも考えられます。
午後からは、本日夕刻から行われる Farewell Party に向けての準備となりました。昼休みには生徒たちは、仲良くなったカナダ人の生徒たちと昼食を共にとり、その後、存分にバスケを楽しんでいました。日本からスーツケース一杯に敷き詰めて持参した日本のスナック菓子もほぼ食べ尽くされ、今度は、現地カナダから差し入れられるお菓子たちに生徒たちは今か今かと毎日待ち望んでいる様子です。今年のカナダセミナーの第2の表題として掲げた“International Snack Communication”が見事に成功しています。
その後生徒たちは、Farewell Party でホストファミリーや現地の先生方に渡すためのメッセージカードを作り、折り紙で作った鶴や手裏剣が数多く添えられました。
Farewell Partyで発表される日本文化のプレゼンテーションは、“Japan’s Unique Life Culture”と“Symbol of Peace, Sembazuru”の2つが今年のセミナーの発表作として選ばれました。被爆しながらも平和を追求する佐々木貞子さんの実話を中心として扱った日本人としては決して忘れてはならない内容の濃いプレゼンテーション。そして、日本の家屋では靴を脱ぐ習慣があることや麺類などは音を立てて食する風習がある日本独特の文化の紹介のプレゼンテーションには、現地のカナダ人の生徒たちやホストファミリーの方々にもとても好評な発表作となりました。
ホストファミリーと過ごせる現地での生活もいよいよ明日の休日が最後の1日。Farewell Party では、カナダセミナーの活動を通じてこれまでとても親切に授業や様々な活動で手助けをしてくれ、友達としても日本の仲間以上に仲良くなったカナダ人の生徒たちとも最後の別れの日となりました。パーティー終了後もホストファミリー宅への帰宅を拒み、長い間何度も何度も抱き合い、互いに写真や抱擁を繰り返す姿が学園生とカナダ人の生徒たちとの間で続いていました。
4年ぶりとなって再開された今年のカナダセミナーは、例年以上に感慨深さとひときわの感動が強く感じられるセミナーとなっています。