メインテーマSpot Lightに寄せて…〝一人ひとりが主人公〟

2023年10月6日

秋風と共に去っていった学園祭…ほぼフルバージョン開催の賑わいが戻るなか、外の喧騒とは一線を画した空間があった。茶道部の茶席だ。

立礼式(りゅうれいしき)茶法を創案したのは、裏千家の11代家元・玄々斎(げんげんさい)。1872年(明治5年)、西本願寺・建仁寺・知恩院で開催された第一回京都博覧会の際、来場が見込まれた外国人のことを考えて考案された作法なのだそう。

ところで、今年は、部員の家族や親戚の方々が多数お見えになった。とても嬉しいこと。
そして、高校から別の部活に移っていった友達も来てくれた。
普段は教室で冗談を言って笑い合ってるクラスメイトが、静かな茶席と知って
顔を見せてくれるのもとても嬉しいこと。
茶会が済んでも、友達にお道具の説明をしたり、
お茶の点て方をおさらいしてあげるような場面もあった。
今回、掛け軸に使った〝且坐喫茶…しゃざきっさ〟に込めた思いを、
みなさんに届けられて、ほんとうによかったね✨。

ところで、お点前をする亭主の補佐役となる半東(はんとう)が、ご挨拶の中で、
〝主人公〟という言葉に触れた。
〝主人公〟とは、禅語で、「本来の自分」という意味。
1人が目立ったことをして、SpotLightを浴びるのではなく、
一人ひとりが自分のできることを、責任を持ってしっかり頑張ることで、
ひっそりと輝く…そんなふうに解釈したいと語っていた。

久々のフルバージョン学園祭…1日5席、2日で10席。
およそ150名余りの方々にお越しいただいたことに感謝申し上げると共に、
お客様のの注目の中、緊張しながらも日頃のお稽古の成果を存分に発揮した部員たちに、
教員からも大きな拍手を送りたい。