2023年度イングランドセミナー3日目の活動報告
本日はStudy CentreでのESLではなく、バスに乗ってCambridge(ケンブリッジ)を訪問しました。バスの中では、この研修のしおりの中の活動報告(日報)のチェックをしました。日報を集めてチェックすることは昨日の段階で伝えていたのですが、初めてのことでどうやって書いてよいのかわかっていなかったり、そもそも日報を書けていない生徒もいて、まだ書けていない生徒については、ケンブリッジへのバスの中で私と添乗員の元塚さんがチェックしている間に書いてもらいました。
特にみんなが書くのが難しかったのが「Expression(表現) /vocabulary(語彙)」の部分でした。これらについては、イギリスで自分が話せるようになった英語の表現や現地イングランドの人たちがよく使う表現や語彙などを書いてほしいのです。ホストファミリーやESLの先生たちが話している英語には、日本では習ったことがない表現や語彙がたくさんあるはずです。私もイギリスに来て初めて学んだ表現がたくさんあります。同じ英語でも、その国によっても歴史や文化が違うと、使われる表現も様々で、それがとても面白いです。日本語で言うところの「方言」のようなものなのかなと個人的には捉えています(あくまで私の感覚です)。このセミナーを通じて生徒のみんなにもその英語の違いを知って、自身の英語の力を深めていってほしいですね。
10:30頃にはケンブリッジに到着し、日本人のガイドさんに案内してもらいました。
ケンブリッジには東京の高校生たちが、本校と同じようなISAの研修で来ていました。彼らが日本語を話しているのを聞いたわけではないのですが、一度目にすると服装や仕草から日本人だと認識できてしまいます。海外でのあるあるですね。ケンブリッジはロンドンから北東に約80km離れていて、Cambridgeshire(ケンブリッジシャー)というcounty(カウンティ)(「県」や「州」のようなものです)の州都です。日本でも有名なケンブリッジ大学がある大きな学園都市で、街と大学が一体となっています。今回は、ケンブリッジ大学と街の中心地を訪れました。ケンブリッジ大学は、イギリスではオクスフォード大学と並ぶ最高峰の大学です。アメリカのハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学も含めて世界のトップ5に入る大学として知られています。なんと、ノーベル賞受賞者は121人もいて世界最多です。とんでもない人数ですよね。
ケンブリッジ大学は、文系から理系(医療系)まである総合大学で、college(カレッジ)制を採用しています。日本では総合大学をUniversity、単科大学をcollegeと呼ぶことが多いですが、英語では必ずしも、単科大学がcollege、総合大学がuniversityとなるわけではないのです。英語でのcollege は、一定規模の教育組織のことを指したり、大学の各学部、大学院をおく大学におかれる研究科、大学の各キャンパス、学寮などを意味することがあります。ケンブリッジ大学は、31のcollege(学寮)から成り立っていて、全ての学生は学部生・大学院生を問わず、1つのcollegeに所属します。
学部生の入学者選抜試験はcollege毎に行われ、筆記試験と面接試験があるそうです。ガイドさんの話では、college毎に人気や入学の難易度が異なるそうです。
生徒たちと一緒に、それぞれのcollegeを周り、ガイドさんからケンブリッジ大学の歴史を聞きました。ケンブリッジ大学の卒業生には、理科の教科書に載っている科学者たちがたくさんいます。万有引力を発見し、数学の微分(積分)方を作り上げたニュートンもその1人。実際にニュートンが通っていたTrinity Collegeにはニュートンが実際に住んでいた寮の部屋と万有引力の発見に繋がった接木されたりんごの木を見ることができました。1600年代の建物がいまだに残っていて、生徒も私も興奮してしまいました。卒業生の中には、原子核の存在を証明したラザフォード、世界で電子を初めて発見したトムソン親子、DNAの2重螺旋構造を発見したクリック、原子爆弾を開発したオッペンハイマーなど、錚々たる科学者をたくさん輩出しています。その他にもたくさんいらっしゃいます。また、ちょうど訪れたこの日は、あるcollegeの卒業式が行われていて、ガウンを着た卒業生とその保護者たちで街と大学が賑やかでした。
お昼ごはんは、生徒たちはホストファミリーからもらったランチボックスを食べ、自由時間でケンブリッジの街を散策を楽しんでいました。生徒たちはケンブリッジ大学の学生たちが実際に購入するオフィシャルのTシャツなどが売られているお店に行き、お土産を買っていました。ちょうど冬から春への季節の変わり目だったので、冬物が安く買えてよろこんでいる生徒たちもいました。
最後は、ケンブリッジ大学に流れている川をボートに乗りました。ボートに乗る前に雨とヒョウが降ってきてしまいました。イギリスはとにかく、いきなり雨が降ってきます。現地の人はいつものことなので、雨が降ってきてもあまり傘をさしません。ですがボートに乗ってから雨は止んだのでとても助かりました。ちなみに今回私たちのボートを漕ぐのは、ケンブリッジ大学に通っている学生さんでした。
生徒たちと一緒にその学生さんと交流ができ、「大学に入るまでは、働きながらめちゃくちゃ勉強した」と話してくれていたのがとても印象的でした。
ボートの後はホーンチャーチにバスで帰りました。一日中動いていたり雨で身体が冷えたのもあって、バスの中では多くの生徒が寝ていました。ホーンチャーチに着いて解散となり、ホストファミリーが迎えに来てくれたり、バスで帰る生徒たちもいました。
明日は日曜日です。ホストファミリーと充実した時間を過ごして欲しいと願っています。
本日のご報告はここまで、お読みいただきありがとうございました。