2023年度イングランドセミナー5日目の活動報告
イングランドの月曜日が始まりました。
午前中は2グループに分かれてESLの授業。テキストを用いて土曜日に訪れたケンブリッジ大学についての振り返りをしました。
ケンブリッジ大学の歴史についても触れられました。イギリスにはケンブリッジ大学と並ぶ世界最高峰のオックスフォード大学があります。13世紀初頭にオックスフォードで町の人々と対立した大学の学者がケンブリッジに逃れて、研究や教育活動を始めたのがケンブリッジ大学の起源だそうです。
ちなみに、オックスフォード大学は12世紀にフランスで学んでいたイギリスの学生がパリ大学で学ぶのを禁止されたことをきっかけにイギリスのオックスフォードに学者たちが集まったのが起源だそうです。生徒も真剣に聞いていて、ESLを通じて歴史の学びも深めることができました。
本日のESLの中でAnne先生が特に強調していたのが「Argument」という言葉でした。「Argument」の日本語訳は「口論」。イギリスの教育ではこの「Argument」を大切にしていて、イギリスの学校では授業の中では生徒同士が自分の意見を持って、意見を言い合うそうです。オックスフォード大学の創立もパリ大学で学ぶことを禁止されたことを発端に「Argument」が起こり、現在に至っています。
基本的には座学中心の日本の学校とは大きく異なります。Anne先生から日本の学校の様子を聞かれ、私からは「Argument」というよりは「discussion」だと思いますと伝えました。Anne先生は以前にも同じような日本の学生にESLの授業をしたことがあり、これも歴史・文化の違いだねと話していました。またESLでは、午後に訪れるグリニッジ天文台の説明があり、午前中の授業は終わりとなりました。
午後はバスに乗ってグリニッジ天文台へ。
ロンドン郊外のテムズ川の近くにあり、生徒たちは小中学校の社会や地理の授業で習ったことがある場所です。グリニッジ天文台は17世紀に設立された王立の天文台です。グリニッジ天文台設立の背景には15世紀半ばから始まった大航海時代があります。
ヨーロッパ各国が航海での海外進出を競っていた大航海時代では、危ない航海が多く、海難事故が多発していたそうです。この競争に勝ちたかった当時のイングランド政府は、航海術の向上に取り組み、航海を支援するためにこの天文台を設立したそうです。
そこからMeridian Line(子午線)、Longitude(経度)、Latitude(緯度)が定められ、Chronometer(クロノメーター:ぜんまい式時計)が創られていきました。
まさに時刻の基準(経度の基準)が定められていった場所です。今私たちが当たり前に使っている時計の始まりの場所で、とても感慨深かったです。グリニッジ天文台では、生徒たちと一緒に子午線で集合写真を撮りました。これまでの集合写真は2列や3列で撮っていますが、今回は全員が一列になって子午線をまたいで撮っています。なかなか面白い写真となっています。
天文台の中の展示物を見て、そのあとは博物館、グリニッジの街を散策してバスでホーンチャーチに戻ってきました。解散後は、それぞれがバスでホストファミリー宅へ帰っていきました。生徒たちは大分ホーンチャーチの街に慣れてきてバスも乗れる様子です。
帰り道にお土産を買いにスーパーに行っている生徒たちもいます。帰っていく後ろ姿を見ていると、だんだん逞しくなってきているなぁと感じます。
明日は、現地の学校との交流です。実際の授業にも参加させてもらいます。