第678回 工夫いっぱい!思考力を鍛える朝テスト
湘南学園中高では、朝のHR集合に先立って、各学年で「朝読書」や「朝テスト」が行われています。担任の先生による「朝面談」や、運動部ごとの「朝練習」が入る日もあります。
今日ご紹介するのは、新しい高校1年の朝テストからです。英語や数学でいま学んでいる内容に沿った英語と数学のテストがまず週2回ずつ行われます。
さらに独自の楽しく興味深い朝テストが、別の曜日に組まれていました。そのサンプルを頂いたので例示したいと思います。
5月11日朝テスト
「思考力トレーニング数学版」と題して、例を参考に、下線部に数字を入れて等式を完成させる設問が5題。パズル感覚で柔軟な思考力を育む内容です。
4月27日朝テスト
「思考力テスト英語」と題して、「アメリカの小学4年生が解く算数の問題」と「アメリカの小学5年生が解く算数の問題」の2題がのせられています。英語の文章があって、題意をつかんで正解を探すものです。楽しく英語を学べるクイズ形式の設問に感心しました。
4月23日朝テスト
ある人が、高校生の頃にファミレスでアルバイトをした時の忘れられない経験を記す文章が示されます。あるお客さんが自分の失敗をカバーする振る舞いをしてくれたことが、20年経っても自分の接し方を振り返る思い出になっているという文です。これに対して、①「この文章に題をつけるとすれば、何が良いでしょうか」とタイトルをつける設問、②「もしあなたが作者のような立場であるとすれば、どうしていたでしょう?」の設問、③「この文章の「お父さん」へ、あなたの感じたことを伝えて下さい」の設問が用意され、解答欄に各自が記す体裁になっていました。内容の濃さが印象的でした。
4月20日朝テスト
人として大切なのは、( )、それだと思う。・・・・・・そこに各自が入る言葉を自分なりに考えて書き入れるという、骨太でシンプルな設問です。さらにその言葉を誰か一人に伝えるとしたら、誰に言いたいですか・・・・・・として( )に伝えたい、と意中の人物を記すようになっています。実はその設問の後に、演劇界の巨匠だった、つかこうへい氏の略歴と彼が記したその答えの文が紹介され、それを参考に考えることができるようになっています。自分なりにどう書くか真剣に考えるであろう仕掛けが素晴らしいと思いました。
朝テストの返却後に、ファイルして自主学習をすることも奨励され、詳しい解答解説のプリントも配布されているようです。生徒たちの思考力や学力を日常的に鍛えていきたい!という学年の先生の熱い願いを強く感じる、素晴らしい小テストに感激しました。