第140回 「わが進路の方向性」を考える高校1年生
後期中間試験(高3は学年末試験)は来週の火曜日から始まります。テストまでもうあと8日間です。クラブ活動も1週間前にあたる明日の休日から原則規制 になります。この週末は大部分の諸君が「テスト前モード」に切り替えて復習に取り組んでいたと思うのですが、どうでしょうか。
今日は、この間重要な活動が続いた高校1年生をとりあげます。来年度以後の文理コース選択がまず近づいている学年です。
先週水曜日は「特活フィールドワーク」を行いました。学年全員がクラスを越えて編成された班ごとに分かれて、様々な分野で働く方々を訪問して、お話を聞 きました。全部で36もあった行動班の行き先をテーマ別で見ると、「サービス・公務」「言語・出版」「芸術」「教育」「生物」「製造」「医療」となってい ました。
「自分が興味ある職業分野に就いている方々からお話を聞いて、自分の将来の進路選択について課題意識を深める」ことが目的でした。官公庁・裁判所・メー カー・小売業・出版社・放送局・スタジオ・養成学校・教育センター・幼稚園・カウンセリング・大学・遊園地・病院など、午前・午後に1か所ずつの訪問先は 多岐にわたっていました。生徒は事前にアポイントを取り、質問事項をまとめ、お仕事の時間を割いて頂いてお会いし、取材、傾聴させて頂きました。あとで各 自が学んだことをレポートにまとめます。
先週土曜日は、まず午前中に「大学模擬授業」を行いました。大学の先生方を6名本校にお招きして、専門テーマの入門にあたる授業をして頂き、生徒諸君は 希望で2コマずつ受講しました。今回は「異文化コミュニケーションを成功させるための基礎知識」「子どもの発達の理解」「ロボットと機械システム」「森林 の役割と取り扱い~割り箸から考える森林~」「心を理解する心理情報学」「薬学への招待~薬剤師の仕事・薬学で学ぶこと~」というテーマでした。 午後に は保護者対象の学年PTAとクラス懇談会が開かれました。「文理選択」の課題に直面する生徒諸君に対して、保護者の皆様にはどんなサポートをお願いしたい か、大学や就職をめぐる昨今の状況にもふれながら、学校・学年からのご報告を聞いて頂きました。
自分が大昔に高1だった時のことを思い出します。都立高校へ進学した私は、父の軌跡を反面教師として、自分が生き生きと働ける分野はどこなのか、ぼんや りとイメージしていました。本が好きなので出版社へ行くか、やり甲斐を感じる社会科の教員になるかと考え、何冊かの書物にも励まされて、大体の方向を淡い 力で選びとっていたと思います。結局は大学を卒業して出版社を経由して教員になったので、その時の選択はやはり大きかったようです。「自分に向いている仕 事・自分に向いている世界」を見つけるのは簡単ではありませんが、いつも好奇心を発揮して有益な情報を求め、いろんなヒントや出会いを得て欲しいと思いま す。