第846回 Nコン2014課題曲に注目 ②

2014年2月27日

昨日の続きです。Nコン第81回今年の課題曲、中学校の部は『桜の季節』です。作詞と作曲はEXILEのボーカル、ATSUSHIさんが担当しました。昨年のゆずに続くビッグネイムであり、新曲が大いに注目されました。

 

中学生が心をこめてリアルな気持ちで歌える歌詞にしたいと、中学時代の感覚に戻る気持ちで作詞した、とATSUSHIさんは語ります。歌はいわゆる“卒業ソング”に当たります。卒業~旅立ちの季節は、その先へ向けて強い不安もあるから、勇気を出して踏み出さねばならない。これまでの生活をかみしめ、一緒に生活した友達やお世話になった先生への感謝の思いも胸に、素直な気持ちで次への新しいスタートが切れるようにとの願いが、この歌にはこめられています。
・・・・・・くしゃくしゃな君の 楽しそうな笑顔も
   悔しそうな その泣き顔も
   大切に胸にしまっておくから ずっと♪
・・・・・・今さら希望と不安が溢れ出す
   前を見て進もうと心には 決めているけど♪・・・・・・

ATSUSHIさんは、合唱団の中学生達の質問を受けて語ります。自分もあの頃不安だったと。自分の将来はあまりに遠過ぎて、未来が見えない不安といつも隣り合わせでいる。でも無理に見ようとしなくても、一年一年と少しずつ見えてくるから大丈夫だよと。
10代の友人の大切さについてもふれます。今もたまに地元に帰って昔の友達に会うと、現在の自分を飛び越えて一瞬でその頃の自分に戻れてしまう。卒業して離ればなれになることにもすごく意味があるのだと思える。それほど集まった時の喜びや懐かしさが大きいから。仕事で悩んでいても、友達と会うとまた明日から頑張ろうと元気をもらえる。
主題に関わるまとめの話にも、説得力がありました。「勇気」とはあげられるものではない、頑張っている友達の姿を見て自分の中でわいてくるものではないかと。そして自分が一生懸命やることで、誰かがいつか「勇気」を感じてくれたらいいと述べていました。

 

学校時代の様々な出会いと友情をいとおしく振り返りながら、新しい一歩を踏み出す10代の若者達の背中を、優しくそっと押してくれる美しい歌です。「Nコン2014」のサイトも観て頂きたいです。(明日まで続けます)