第59回 6回目を迎える「カナダセミナー」

2010年6月21日

湘南学園中高では、国際教育の取り組みとして「カナダセミナー」「韓国セミナー」「オーストラリアセミナー」と、海外研修の機会を3方面で実施していま す。このうち「カナダセミナー」は6年前、最初にスタートし、改善を重ねてすっかり定着したプログラムです。対象は高2・高1・中3の希望者です。
私は最初の下見と第1回の途中まで参加の経験があります。今日は当時のことを振り返り、その様子を少しご紹介しましょう。

カナダの西の玄関は、冬季五輪の行われた大都会「バンクーバー」です。そこから国内の航空便に乗り換え、ロッキー山脈を越えると、アルバータ州第一の都 会「カルガリー」に着きます。ここも冬季五輪の開催地です。そこからバスで移動すると、カナダセミナーの舞台となるベッドタウンがあります。

その町は地味ですが、清潔で緑と花が多い町です。住宅街は平屋が中心で、地下室のある家も多いです。道を横断する時に「はるか先の方で停車して待ってく れる」行為が、多くのドライバーに共通することに驚きました。人口はそう多くない町なのに、立派な公営プールや歴史博物館があるのが印象的でした。人びと の生活は思ったより質素です。アウトドアの楽しみを大事にする暮らしがあります。夏の川でカヌーをする光景すら身近です。朝食を食べによく行ったバーガー ショップのそばで「リス」にも何度か会いました。

セミナーは、午前中は英語の少人数制集中レッスンで、午後はカナダの街や名所や大自然に親しむ様々なメニューが用意されます。地元の高校生や中学生が、レッスンも野外行動も「バディ」として同席・同行してくれます。
「あのハンサムな彼と話したい!でもドキドキするし英語力はまだ弱いし」と悩んでいた中3の女子達のことを思い出します。こちらの英語力も不足ですが、 バスで間に入ってサポートに努めました。度胸とジェスチャーでアタックするしかないのです。3~4日経つと「急に相手の言っていることが判るようになって きました!」という手応えを語る諸君が何名もいました。
ホームステイは、今は「ツイン」が基本となりました。カナダの人達は本当にフレンドリーです。アジア系への偏見や冷たい視線も無縁だと感じられました。 夜9時頃も明るくて散歩していると、庭でパーティーをしているお宅の人達が「こっちにおいでよ、一緒に食べよう」と誘われて驚きました。私も大好きなネコ をいっぱい飼っている農家のおば様と知り合いになり、翌年日本のねこちゃんの写真集をプレゼントして話がはずんだ想い出もあります。

近くには「カナディアン・ロッキー」があります。雄大で息をのむ山と湖と緑の絶景が目白押しです。「レイク・ルイーズ」など、もう一度家族と来たい!と願うポイントがいくつもあります。「バンフ」での買い物も欠かせません。

今年も7月後半の2週間に実施されます。約30名の参加者の皆さん、どんどんカナダの人達に話しかけ、いっぱい観て、食べて、楽しんできてください。カ ナダは世界中の移民がいまも集まり、「諸民族に優しい国」ともいわれます。社会や人びとの様子にも充分目を向けて、いろいろ感じとって欲しいです。