第55回 高校2年生:学園幼稚園で家庭科の保育実習

2010年6月16日

今日は、湘南学園中高が「総合学園」の利点を生かして実施している、独自の体験授業についてご紹介します。

高校2年生は、「家庭基礎」という科目を履修します。年間を通して、家庭生活、子どもの保育、消費者問題などを高校生の視点から学んでいきます。
先日の公開授業では、男女の婚姻をめぐるテーマについて、役所に出す届出用紙も教材に入れ、生徒達のリアルな興味を引き出しながら授業が進められていました。

湘南学園には幼稚園もあります。子ども達が自らの課題を持って力いっぱい遊びや活動に取り組むことを大切に、活き活きと元気に生活する子どもを育み、「十人十色の可能性」を引き出す保育が展開されています。
その学園幼稚園へ、高2の生徒達が家庭科の授業時間に、クラスごとに「訪問実習」に出かけます。幼稚園の施設や環境を観察し、園児の生活を観察し、園児と楽しく遊ぶのです。訪問後はレポートを提出します。今年度は昨日からこの保育自習のラウンドが始まりました。

この保育実習では、お兄さん、お姉さんの到着を楽しみに待つ園児達に迎えられて、高校生諸君が新鮮な体験をします。年少児(3歳)から年長児(5歳)達 に「入れて!」と遊びの仲間に入れてもらい、園児の名前を呼び、童心に帰っていっしょに遊びます。子ども達の可愛さに改めて気づき、自分達も通ってきた幼 少時代を思いおこすでしょう。また親の気持ちにも気づくことでしょう。そしていずれは近未来に自分達も母親、父親になることへの思いをはせることでしょ う。その教育的意味にはとても深いものがあると実感されます。

女子の生徒達は、さすがに子どもの扱いが上手なことも多く、いわば母性を発揮する姿に感銘を受けます。さらに男子の生徒達の姿には強いインパクトがあり ます。すごく照れながら不器用に懸命に園児達と関わろうとする姿もありますし、ふだん見えないような優しい表情が見えたりもするのです。実際に、この保育 実習をきっかけに、男性保育士を自分の職業としてあとで選んだ諸君もかつて何名かいました。

この貴重な保育実習は、11月頃にもう一回、第2ラウンドを実施します。
1回目の反省を生かし、より深い問題意識を持って実習すると、考え方や認識が豊かになるというねらいに基づいています。
学園幼稚園の皆さんの多大なご協力とサポートを頂いて、長年続けてきたこの保育実習を、これからも大切にしていきたいと思います。