第883回 5月の全校朝礼を本日実施

2014年5月12日

気温が上がって春らしい陽気ですが、朝晩には寒さが戻る時もあります。外出の際の服装には誰しも少し悩む時期でしょう。
本校では、5月連休明けから今月いっぱい「夏期服装準備期間」としており、冬服・夏服のいずれの着用も認めています。

 

GWの曜日の関係もあり、恒例の5月全校朝礼は本日行いました。高3は終日の校内模試を行うため、それ以外の5つの学年が集合しました。
今回は校長からのお話をお届けし、前期の各学年奨学生、及びここまでのクラブ活動の実績について全校表彰・披露を行いました。
中学女子バスケットボール部の代表には私学関東大会出場に関する表彰状を授与しました。続けて高校女子バレーボール部、高校女子バスケットボール部、高校野球部、陸上部、卓球部、美術部について、それぞれ県大会や関東大会への出場に関する活躍、マスコミの取材を集めた社会活動について披露し、在校生のお祝いの拍手を届けました。詳しい内容は、各クラブからHPで速報されている「学びBLOG」の記事をお読み下さい。

 

では最後に校長からのお話を紹介しておきます。

皆さん、おはようございます。新年度に入って、1か月あまりが過ぎました。
新しい学年・クラスや、新しい授業に、だいぶ慣れてきたところでしょうか。
皆さんそれぞれ、心機一転して新しい友達をつくり、生活のリズムをつくろうと努力していることでしょう。
今週から、新入生はクラブの体験入部が始まります。そして明日から体育祭の特別時間割に入ります。実行委員会や高校2年の各色リーダーの人たちの準備で大忙しのことでしょう。5つの学年、自分の色の全員をどうまとめて動かすのか、盛り上げていくのか、いま必死に相談し、用意していることでしょう。明日からの与えられた特別時間をなるべく無駄のないように生かし切って進めてほしいです。
学園生活の中でこの経験は本当に貴重なものです。各色、全校みんなの気持ちを揃えて、しっかり団結して、本番では素晴らしいドラマをつくりましょう。この時期は毎年、クラスの友達やクラブの先輩・後輩、学校行事を通じた交流など、人間関係がいろいろと広がる時期です。そこで今日は、在校生の皆さんに関わりのある、大事なテーマについて、話を聞いてもらいたいと思います。それは携帯電話やスマートフォン、パソコンとの付き合い方についてです。
私たちが中学生・高校生の頃は、インターネットも携帯電話もまだない時代でした。現代の生活では、もうネットや携帯のない暮らしは考えられません。この素晴らしい、便利な機器を使うのは当たり前の時代になりました。
自分も携帯やパソコンで毎日メールなどのやり取りをし、インターネットを通じてたくさんの有益な情報を得ています。職場でも自宅でもパソコンを開く時間は長いですが、スマホはまだ持っていません。移動時間やプライベートな時間にあまり機器に振り回されたくない思いもあり、旧式の携帯で間に合わせています。
大人の社会でも当てはまることですが、これらの機器は特に若い人たちへの影響が強烈だなと感じています。圧倒的に便利な部分は生かしながら、上手に必要な距離も保って生活リズムを大事に築いて欲しいなと痛感しています。

 

この春にあるニュースが注目されました。見出しは「女子高校生の4割が一日6時間以上、スマートフォンや携帯電話を使っている」というものでした。民間会社による調査対象者の少ないデータでしたが、いま進行している事態が浮き彫りになりました。
それによると、スマホの所持率は高校生の男子で80%、女子で95%を越え、特に平均使用時間の長い女子高生では一日平均6.4時間、12時間以上との回答も1割を越えていたそうです。おもに「動画の視聴」「ゲーム」や「LINE」のやりとりが中心とみられ、内容らどうしても長時間になるようです。
また小学生から高校生までの範囲では、「テレビを見ながら」使うという人が約49%、「ご飯を食べながら」が約21%もいて、特に女子高生ではそうした「ながら利用」がそれぞれ約75%と約39%でした。そして「インターネットを止めようとしてもできずに苦しい思いをした」という人は4割近くもいたそうです。
この問題を専門に研究する人たちは、「『ながらスマホ』をやめられず、自分にとって大事なことが後回しになってしまい、自己嫌悪に陥っている若者や子どもが多くなっている」と指摘しています。ネットをやめようとしてもやめられない若者達は、もはや一種の「病気」にかかっていると指摘されています。

 

この分野の関連で、いま一番の話題は「LINE」です。この便利な「無料通信アプリ」は日本で発明されて世界に急速に普及中です。すでに何と数億人の人達が利用しているそうです。もちろん日本の中高生にも一気に普及して、日常生活に大きな影響を及ぼしています。すごく便利だけれど、スマホ依存やいじめの温床にもなるリスクも広く指摘されるようになりました。
「友達に翌日の持ち物やテスト範囲を聞く」とか、「部活の練習や待ち合わせの連絡を徹底する」とか、「学校で全然話せなかった人とLINEのやり取りから学校でも話せるようになった」など、便利で重宝な機能が支持されています。
一方で、「友達と寝落ちするまでLINEで会話して夜中の2時頃までなってしまう」、「勉強不足になり成績が下がり、生活リズムが崩れて睡眠不足から学校でつらい」、「友達とカラオケやボウリングなどに行ってもスマホばかり見ていて楽しくない」、「LINEで暴言を浴びさせれ、グループから強制退会させられた」といった嘆きもいろいろ表明されています。これらは高校生の例として紹介された記事です。

 

LINEにはすばやく複数の人と会話できる魅力がありますが、双方のメッセージの往来に伴う「かったるさ」にも直面します。自分が読んだら相手の場面に「既読」の印がつくので返信しなくてはとの強迫観念に襲われるのです。「既読スルー」を重ねられると相手に嫌われているのではないかとの心配が出ます。必然的に多数の友達にマメに返信せざるを得ず、楽しいやりとりが義務化して、打ち切りの難しい“はてしない”交信にもなりかねないのです。
数多くの高校生がLINEの「面倒くさいところ」として、大量の未読メッセージがたまることを挙げていました。ある女子高生は「しばらく見ない間に469件も通知が来ていた」と話しました。絵文字より大きな絵柄のスタンプを連続して多数送りつける嫌がらせなども報告されました。既読の印がついた相手からの返信がない「既読無視」のつらさは、多くの高校生に共通しているそうです。「勉強や生活の妨げになっている」と感じる生徒も70%を越えていたそうです。在校生の皆さんはどんな現状でしょう。
私はメールはしますが、フェイスブックもツイッターもLINEもしていません。わが子達に、また卒業生や在校生にも誘われますし、実際にやってみないと体験的に理解できないのは事実ですが、時間がもったいないので保留しています。

 

高校生はもちろんですが、より抵抗力が弱い中1の新入生を始め、中学生の皆さんの様子も気になります。いまクラスやクラブなどでアドレスを交換したり、LINE仲間が広がる時期ではないでしょうか。どこでもそこで思わぬトラブルが頻発しやすいことに注意を求めます。写メールなども危険であり、トラブルの原因になりやすくなっています。友人関係にひびが入るような嫌がらせや、特定の人を中傷したり外したりするいじめにつながることがあり得ることにも、しっかり心を留めてほしいです。
学校でも、新入生対象の「携帯電話安全教室」を開いて専門家による指導をして頂いたり、各学年やクラスの新年度のガイダンスで、注意を喚起されたはずです。学校も年間を通した重要事項とし、学校絡みのネットパトロールを依頼して定期的に調査したり、他の学校や警察からの情報収集にも努めています。

 

毎日の時間は戻らない大切なものです。時間をどう使うかは一人ひとりが自覚して決めることです。便利な道具におぼれないように、自分の生活を支配されないように、節度を持った利用を心がけねばなりません。そして他の人とやり取りする場面では、言葉や内容を選ぶマナーやエチケットを意識しなければなりません。気の許せる仲間に対してこそ注意や配慮が必要なことも多いのです。
また、スマホやパソコンが浸透した時代だからこそ、直接に相手と面と向かって話すことを怠らないようにしていきたいものです。行き交う人に自分から声を出して挨拶すること、相手に直接お礼の気持ちや励ましの言葉を届けること、時には忠告してあげたり、助言を素直に聞いたりする関係を積み重ねていってほしいものです。スマホやパソコンは必要な物ですが、そこと離れたふだんの時間も大切に、自分の五感を大事にする生活を心がけてほしいと思います。
たとえばお家の近所や街の景色や、あちこちで出会う人たち、季節の移ろいにも注意してみてほしいです。いまは春のピークです。色とりどりの花々やいま鮮やかな新緑にも目を向けてほしいと思います。

 

さて約1か月後には、最初の定期試験である前期中間試験が待っています。新年度になって、授業に集中しよう、しっかり勉強しようという自覚が全校に広がっていることを感じます。皆さんそれぞれ前向きに日々の勉強に向かっていますか。
体育祭をはさむこの時期は、新年度の学習リズムを確立していく課題とも向き合うときです。「隙間時間」もちゃんと活かせるような地道な姿勢を、この時期にこそ身につけてほしいです。朝テストや小テストや単元テストでは「小さなパーフェクト」を心がけて、きたる中間試験へ向かって最善を重ねていってください。

 

最後になりますが、嬉しいニュースを伝えます。先週土曜日に、神奈川新聞社会面のトップ記事で、湘南学園のカフェテリアを取り上げて頂きました。とても丁寧な取材にもとづいて、このカフェテリアの独自性と素晴らしさ、どんな願いや志を大切に運営されているかを紹介しています。すでに知っている人も多いと思いますが、ネットのYahooニュース神奈川版にも載っているので、まだの人はぜひチェックしてみて下さい。
勉強に部活に行事と忙しい時期ですが、お昼は週に何回でもカフェテリアで素適なランチを食べて、元気を出して暮らしていってほしいと思います。

それでは、以上で私からの話は終わります。どうもありがとうございました。