第24回 韓国セミナー参加者の記録を展示中
図書室横のメディア室前で、いま「第2回韓国セミナー・展示発表」のコーナーが設置されています。去る3月下旬に、4泊5日でセミナーに参加した人達の 写真、ガイドの文や旅行全体の感想文が展示されています。手作りでカラフルな内容に目をとめると、なかなか興味深い内容でした。
現地では、ホームステイの体験を軸に、ミュージカル鑑賞や景宮ビジネススクール交流、オドゥサン展望台・ソウル大学訪問など多彩な行程をかけぬけまし た。美味しい韓国料理を楽しみ、「日本と似ているようでいろいろ違う」韓国の文化や街の様子に驚き、勉強も自己主張もエネルギッシュな韓国の若者達の様子 を垣間見たことでしょう。ハングルや英語を今後もっと勉強していこうと決意した諸君もいるはずです。本番へ向けて参加者対象の「韓国語・文化歴史講座」が 設けられましたが、旅行には行かないけど興味があるという生徒達も続けて受講していました。
この特集パネルは、6月12日(土)の本校オープンキャンパスまで、文化部連合の展示会にあたる「松風祭」とドッキングする形で展示されます。来年3月の「第3回韓国セミナー」の希望者説明会は、そのすぐ後の時期に開かれる予定です。
韓国は、食の文化も映画も、またスポーツの躍進などあらゆる分野で、日本人にとって更に身近になっています。相互の旅行や訪問も活発です。学園の国際教 育の一環としてスタートしたこのチャンスを生かして、ひとりでも多くの皆さんにこの「韓国セミナー」に参加して欲しいと念願しています。
最後に、第2回参加者の感想文から、どれも印象深くて困りましたが、特に心に残った一文を紹介します。この筆者は当時中学2年生(現在中3生)です。視点の深さや表現の的確さに感服しました。ぜひご一読をお願いします。
【韓国に行って思ったこと】
藤田 帆乃花
私は今回、行かなければわからない事がある、という事を一番学んだと思います。
私が向こうに行って、まず驚いたことは、あまりにも日本に近い町並みであるということです。ビルが立ち並び、人々が行き交い、コンビニが多数あ り・・・、とハングルさえ隠してしまえば日本と間違えてしまうかもしれません。でも、それでも韓国は外国です。今回、ソウル大学の日本人教授にもお話を聞 くことができたのですが、そこで教授は、「日本のものさしで考えるから異なる文化にとまどいを覚える。」と話していました。
そうです。こんなに日本に似ていても、文化は様々な違いがあります。例えば、あぐらは行儀がいいが正座は囚人のようだ、とか、皿を手でもってはいけなかったり、ご飯に汁を入れるのではなく汁にご飯を入れたり・・・と、「違い」は探せば沢山あることでしょう。
私ははじめのうちは、それは文化であり、逆に似ているからこそ、その違いが気になってしまうのだな、と感じました。
日本人は人見知りです。全部がそうというわけではありませんが、ほとんどがそうでしょう。自ら他人に話しかけないし、外国に行っても自分たちで固まりがち。でも、これでは勿体ないと、今では思います。
なぜなら、私は今回韓国で関わった人たちの中に、人見知りがいなかったからです。私は外国人なのに、日本語で話しかけてくれる人もいたし、一緒に日本語 やパソコンの授業をした慶福高校の学生さん達は、皆ハイテンションで「好きなアイドルは何ですか?」とか、「メルアド交換しよう」とか、気さくに話しかけ てくれて、初めは緊張していた私もすぐうち解けることができました。。彼女達は、出会いの楽しさを知っていました。その上優しく、言葉が通じないときも、 ジェスチャーや英語で必死に伝えてくれて、本当に嬉しくなりました。
あと、ホームステイ先でも、お母さんにお父さん、妹さん、娘さんに息子さんが異文化コミュニケーションしてくれました。お母さんは日本語が話せて、英語 も、中国語もできる国際派の、かっこいい人でした。娘さんのヒジンちゃんは、とても活発で、私達とトランプをしたり、アクセサリーをくれたりと、優しくて 明るい子でした。その2人がある日私達を「ラボ」という、国際交流の場に連れて行ってくれました。そこでは、人見知りとは無縁の、とても活発な子供達が、 ダンスをしたり歌を歌ったりしながら外国語を学んでいました。私達もそこに加わり、楽しい一時を過ごしました。彼らは外国人である私達を楽しみにしていて くれたそうで、日本語を教えると興味深そうにして、色々聞いていました。
私はラボの子達や、韓国で出会った様々な人たちから、本当に色々な事を学びました。積極的で、少し感情的で、優しくて、辛い物や努力が好き。私達日本人 は、韓国がこんなに近くにありながら、良い感情を持てない、お互いにいがみ合うのは、知ろうとしないからかなと少し思いました。私たちが思っているより。 例えばソウルはすごく都会です。化粧品、服、食べ物、アクセサリー・・・、何でもそろい、質も良いです。インチキなんかありません。活気で満ちています。
けれど、目の前に北朝鮮を見たときは、ああ、遠い、と思いました。目の前なのに、なぜこんなに遠く感じるのか。これは見ないと分からず、見なければいけ ない現実でした。韓国と日本は質の違う国境が、そこに横たわっていました。同じ民族同士でこんなに遠いなら、私たちは近づけるでしょうか?違うからこそ、 近づけるのでしょうか?
今回私が韓国セミナーで学んだことは、語り尽くせません。ただ一つ言えることは、出会うということを楽しみ、違うというところを認め合う、彼らの素晴ら しい「交流」の姿勢でした。韓国嫌いも韓国好きも、一度まず交流してみたら、何か違ってくると思います。私は今回、このセミナーに参加できて本当に嬉し かったです。これからも色んな国の人と出会いたいと思います。
(以上)