第896回 豪州ノックス校への中期留学を語る ②
昨日の続きです。ホストファミリーは、途中で交替がありました。始めは、初対面で学校から徒歩で30分かかったご家庭と、クルマの送迎で5分の所にある親しい先生のご家庭で、次は一昨年ジャパンツアーで来日した際に知り合った友人のご家庭でした。ともにお子様達も含めてご家族と親しくなり、休日にはサンクチュアリなどに連れて行ってもらったり、バーベキューを楽しんだりしました。
豪州では、スポーツやアウトドア系のレジャーが大好きな人達が多いです。自分は釣りが大好きなので、今回の旅の最後に海釣りに行けたのは最高の思い出になりました。一人ひとりが個人で小型クルーザーをチャーターし、集まった見知らぬ太公望たちと繰り出す豪快な釣りであり、自分も体長40cmの大物を筆頭に、天麩羅などにしても食べきれないほどの収穫に恵まれました。
ノックス校の教育を受けて、日本の学校との差を感じたのは、IT機器も駆使して「考えさせる」「まとめさせる」学習を旺盛に進めることでした。発言したり、表現したりする場面がたくさんありました。欧州系、アジア系と生徒の国籍や民族は本当にいろいろですが「顔で決めつけない、判断しない」というか、誰に対しても友情を持って話しかける姿勢が偉いなと思われました。
男女の関係もオープンな感じで、彼氏や彼女を気軽に自宅に連れてきて家族に紹介したり、この人は婚約者ですと公にしていつも共に行動するところなど開放的な感じがしました。ネットを通じてパートナーを見つけるといったことにも抵抗感がなく、いろいろなチャンスを認めている感じがしました。
働いている人達は、長期休暇を大事にして、遠くへ家族で出かけることも普通のことです。在宅勤務も奨励され、週に1度は自宅にいたまま仕事をするという事もよくあります。学校では、生徒も教師も帰宅は早めで、あまり遅くまで残っているのはごく少ないようです。学校では部活的なものはなく、代わりに地域のスポーツクラブなどがあり、学校外の人びととの交流があるようです。
日本への関心は広くあります。小学校から選択科目がある事に驚きましたが、中学~高校では選択外国語として中国語、フランス語、ドイツ語がありました。日本語講座はいまはないのですが、一般市民の外国語学習では日本語がトップであるとの情報もあると聞きました。ノックス校には、独学で日本語を学ぶ生徒も数人いました。
市民生活で自家用車の8割以上が日本車ではないかとも聞きました。日本車への信頼は絶大で、たしかに街には日本車がすごく多くて、ヒュンダイやベンツも通るけど、馴染みの日本ブランドがこんなに人気なのだと嬉しかったです。街には日本食レストランも多く、その1件で勤務する、湘南学園を卒業して現地に移住した日本人にも出会えて驚きました。
ダイソーなど日本のチェーン店もいろいろありました。たとえば醤油が人気で、日本産は中国産より値段は高いが美味しいと定評がありました。
今回の留学を通じて改めて、将来自分は何かを興してみたいという気持ちと、本当の日本について海外の人達にももっと知って欲しい、紹介したいとの思いを強めました。特に経営学を大学でも深めて、将来は何かビジネスチャンスを探っていきたいと思います。
また今回の体験を通じて、“何かトラブルに遭った時に自分の力で対処することの大切さ”を身にしみて痛感しました。シンガポールでの経験もその1つです。様々な体験に挑戦する中でそうした対応力を身につけていきたいです。
この中期留学で、一生の宝物に恵まれました。それはノックス校で得たかけがえのない友人達との友情です。最後の夜に10数名が自分のために集まってくれてパーティーをしてくれました。自分は釣りが大好きな事を熟知している皆さんは釣り関係の貴重な物品と専門書を贈ってくれました。
そして皆のサインがびっしり入ったノックス校の制服をはなむけに贈ってくれました。本当に鳥肌が立ち、ここから帰りたくない思いがこみ上げました。これを着ると涙が止まらず、この服は一生自分を支えてくれる大事な宝の1つになると確信しました。“必ずまた日本へ行くからね”という友の言葉に励まされて、ようやく帰国することができたのです。
・・・・・・2回に分けて収録するほど、長い時間にわたって報告してくれました。藤原君には、抜群の英語力をこれからも磨き、マネジメントの学問や実践例、関連する学問の成果をじっくりと学んで、現在の初志を貫徹していって欲しいです。主体性に富んだ藤原君なら、必ずや自分独自のミッションを果たす活躍ができることを信じています。