幼稚園に行って園児達にふれると、いつも心が洗われる思いがします。子どもの純真な可愛さ、天使のような笑顔、はちきれそうな生命力。指導される先生方の大変さと大きな使命を少しだけ理解できる思いになります。

自分の子ども達が通った幼稚園は、今でもすぐ近所にあります。動物の鳴き真似が少し得意で、周囲に集まった園児達に喜んでもらえる機会がよくありました。動物が飼育され、緑や樹木も豊かなところは、湘南学園幼稚園と同じだなと思って嬉しくなります。

本日は、湘南学園が幼稚園と小学校も持つ「総合学園」の利点を生かしてずっと続けている、独自の体験授業についてご紹介します。
高校２年生は、全員が家庭科の授業を受けます。年間を通して家庭生活、子どもの保育、消費者問題など様々なテーマを高校生の視点から学んでいきます。

湘南学園の幼稚園では、子ども達が力いっぱい遊びや諸活動に取り組むことを基本に「いきいきと生活する子どもを目指す」多彩な保育が展開されています。そこへクラス毎に「訪問実習」に出かけるのです。幼稚園の施設や環境、園児たちの生活ぶりを観察し、園児と楽しく遊ぶことをメインとします。なつかしい母校の再訪問にあたる生徒達もいます。

「お兄さん」「お姉さん」の到着を楽しみに待つ園児達に迎えられ、遊びの仲間に入れてもらい、名前を呼びながら童心に帰って共に遊びます。

“子どもって可愛い！”と改めて気づき、自分の幼かった頃を思い起こすかもしれません。親のせつない気持ちにも気づくはずです。いずれ将来“自分も親になるんだ”との思いにもなって欲しいものです。その教育的意味にはとても深いものがあると思われます。

女子は、さすがに子どもの扱いが上手な生徒が多く、母性を発揮する姿に感銘を受けます。男子は、不器用にも懸命に園児たちと関わる姿にふだん見られないような優しい表情がのぞきます。この実習をきっかけに、その後男性保育士を職業として選んだ諸君もいます。

この貴重な保育実習は、年２回予定されています。本日から次々とどのクラスも２校時に行います。どろんこ遊びや園庭での遊びがあるため体操服で実習します。めいっぱい実習時間をとるため、朝の登校時に体操服に着替えを済ませて直行します。訪問実習後にはレポートを提出してもらいます。言葉、表情、遊び、身体状況など子どもの様子を基本に、施設の工夫や先生方の関わる姿を見て気づいたことをまとめます。

１回目の反省を生かしより深い課題意識を持って臨んで欲しいと秋に２回目を行います。

学園幼稚園の先生方の多大なご協力とサポートを頂いて、長年続けてきたこの保育実習の機会を、これからも大切にしていきたいと思います。