第979回 男女共学校の良さについて~私学中高の6年間 ②

2014年10月25日

先日の学園祭のような日や、ごく普通の平日に、主に大学生となった卒業生が本当によく来園してくれます。何人かで連れ立って男女いっしょに、連絡をとりあって尋ねてくれることもあります。

 

もっと年上のミドルエイジの卒業生諸君が、忘年会や新年会、誰かの結婚などの節目に集まる機会が多いのが印象的です。招かれた機会に感心するのは、たとえばまだ幼いお子様やご家族ぐるみで集まる様子や、お互いの子ども達をカバーし合って再会を楽しむ姿です。“あの女性とあの男性は学園時代、目立った接点がなかったはずなのに、ずいぶん会話がはずんでいるなあ”と気づくようなこともあります。

卒業してからも、それぞれの幸せや生活の充実を願い合う友情の深さ、大事な絆に気づかされます。中には卒業生どうしで結ばれて家庭を持つケースももちろんありますがそう多くはないともいえます。

かつて学園で様々な学びや体験を共にした同胞としての意識といったら良いでしょうか。それぞれの仕事や家庭の様子を、プライベートな事柄も結構出し合いながら、旧交を温める姿がほほえましく、学園の良さについて他の教員同僚と語り合うことにもなります。

 

6年間でみると、中学時代は概して女子の方が大人であり、同世代の男子が幼く見えることも少なくないでしょう。高校時代になると男子も身体や精神の成長が著しく、見かけも語ることもぐっと大人らしくなって女子が見直すという構図があります。

本校ではどの学年でも男子生徒の人数がやや多めです。特に中学時代はこのくらいのバランスがいいのかなと思うことがよくあります。思春期は性の問題も大きなテーマになるので、教員や大人の側にも十分な注意や声かけが大切になります。合唱コンクールなど男女の協力が要になる取り組みもあります。男女が協力する「調理実習」や「保育実習」の機会も豊かな共学校であることが誇りです。

 

異性への理解をゆっくり深めていくこと、自分の性にはない特徴や固有の悩みも対岸側から推測し、思いやりの心を育んでほしいものです。自分の家庭を築いていくという来たるべき人生の課題にもつながっていることであり、それぞれの卒業生の公私ともどもの幸せを願うものです。