第996回 中1社会~世界の食文化を探るレポート
コウテイダリア(帝王ダリア)を住宅街のあちこちに見かける時期です。高さが3~4mにもなり、晩秋の空にすくっと突き出て美しい花を咲かせてくれます。風や霜に弱いそうで添え木をつけることも多いようですが、孤高でけなげに咲く姿にいつも惹かれます。
さて今日は、中学1年のフロアに展示されている素晴らしい作品について紹介いたします。中1社会の授業に関連して「夏休みの宿題コンテスト」が行われ、受賞した優秀作品が展示されています。
中学の理科では、毎年行われている夏休みの自由研究のコンテストで毎回ハイレベルな作品が展示され、広く注目を受けています。中1の社会でも昨年に続いてこのコンテストが企画、実施されました。
中1の社会では世界地理の学習がメインであり、世界各地や諸民族の多様な文化を興味を持って学んでいけるので、生活の基本となる“食”をテーマにして、どこかの国の“伝統料理”を調べてみよう、そして実際に作って食べてみよう!という興味深い設定です。合わせてその国の注目すべき現状や、日本との関係などについて自由にまとめてみることが期待されていました。
宿題のレポートはていねいに審査され、10月に結果が発表されました。グランプリには、以下の3作品が選ばれました。
・内畠ゆりさん『スウェーデンのクロップカーカ』
・西川瑠一くん『ウズベキスタンの料理』
・柄沢未帆さん『タンザニア連合共和国の料理』
いずれもその国の概要や気候・産業の特徴、生活習慣や風習など、地図やイラストなどを使って読みやすく興味深くまとめています。その料理の個性をつかんで食べてみての感想、専門店の訪問、様々な伝統料理などを多彩に紹介しています。中1とは思えない充実した内容に感心しました。
準グランプリには9作品が選ばれ、メキシコ・イラン・フィリピン・南アフリカ・ギリシャ・ハンガリー・スイス・トルコとその料理が取り上げられていました。
国際化が進んで、海外の料理もその気になれば日本国内で出会える時代です。でもやはりベストは、その国へ行ってその文化と雰囲気に包まれながら本場の料理をいただくことでしょう。
生徒諸君には、衣食住など身近なところから世界の人びとの生活や文化に関心を持ち、その背後にどんな自然や気候の制約があるのか、また歴史の重みや民族としての願いがあるのかについて、いつも目を向けられるような人になってほしいと思います。