第1200回 持続可能な開発目標・SDGs~国連70周年の決意 ①
湘南学園中高は、ユネスコスクールに加盟しています。ESD(持続可能な開発のための教育)の視点から中高6年一貫教育の充実を図り、グローバル社会の進歩に貢献する明朗で実力ある人間を育てることを目指しています。
この教育目標に深くつながる重要なニュースが、この秋に報道されました。国際連合の総会で、世界の首脳達により、「持続可能な開発目標」が採択されたことです。世界が直面する貧困や気候変動など地球規模の課題解決へ向けて設定されました。
国連が創設されて今年で70周年を迎える中で、全世界の人びとの生存と人権を守り、生活と幸福の基盤を育む上で、国連のはたす役割はさらに大きなものになっています。
15年前の2000年に、世界の首脳達はより安全で豊かな世界の実現へ向けて「ミレニアム開発目標」・MDGsを合意しました。貧困の半減、より健康に暮らせる世界を目指そうと8つの目標を設定したのです。国連は政府やNGO、市民組織と協力して数々のプロジェクトを推進し、たとえば極度の貧困層は1990年の約19億人から約8億人まで減少したそうです。乳幼児死亡率が下がり、就学率が向上するなど目に見えた成果がありました。
しかし未達成の項目も数多く残り、新たな地球規模の諸問題が露呈しました。そこで国連加盟国は、世界の専門家や市民も交えて議論を続け、2016年から15年間の新たな目標として「持続可能な開発目標」・SDGsに合意したのです。
SDGは、17の目標と169の具体的な達成基準で構成されています。
この場では17の大項目だけ挙げてみます。
以上の大項目について、世界の現状や到達はどうなっているかが数字で到達が示されています。たとえば最後の(17)では、「2000年には世界人口の6%強にすぎなかったインターネットの普及率は、2015年に43%へと上昇しました。」「しかし40億人以上がインターネットを利用しておらず、しかもその90%は開発途上地域に暮らしています。」という指摘がその中に入っています。
「MDGs」の取り組みをふまえた「SDGs」の設定について、特に注目すべき観点はどんなことでしょうか。(次回へつづく)