校長通信・第1212回 先週の全校朝礼~各学年の生徒達へ
11月もあと一週間となりました。生徒達は来週木曜日から始まる後期中間試験へ向けて、勉強時間をふやして総復習に力を入れていることでしょう。
今日は、先週の通信で紹介できなかった16日の全校朝礼について紹介させていただきます。
6学年全体が揃える今年最後の集会にあたりました。校長と生活指導主任の福田先生の話があり、藤沢市中体連からの「運動部活動優良賞」」として、各部の中3部員を表彰しました。それでは今回も校長の話をご紹介いたします。
お部屋のストーブやこたつを出したご家庭も増えていることでしょう。
さて、昨日は湘南学園の創立記念日でした。今年は日曜日に82周年を迎えたのです。皆さんは、通っているこの湘南学園についてどんなイメージを持っているでしょう。湘南学園はまだ課題もたくさんありますが、独自の魅力を持つ良い学校だと私は確信しています。皆さんに学園生としての誇りを持ってほしいと思います。
創立記念日のあたりは毎年、年間の学校生活の節目にあたります。特に高校2年と中学3年の研修旅行が終わった時期にあたることがあげられます。
高2は今回、東北・関西・四国・九州の4コースに分かれて出かけました。先週水曜日のまとめ報告会を少しだけ観に行きましたが、どのコースも熱心なレポートがあり、仲間のスピーチを互いにきちんと聞いていました。東北コースでは校長が来てちょうど良かった!と生徒諸君に呼び止められ、現地で得た問題意識をもとにしていきなり鋭い質問が寄せられました。今年はどこも概ね良い天気に恵まれました。各地域や行程でディープな出会いがあり、お世話になった方々から深く学べる旅行になったようです。
中3は恒例となっているゴールデンコースです。広島の平和学習と瀬戸内海の「島生活」体験学習を通じて、暮らし・環境・平和の視点で、出会いと学びと感謝に満ちた素晴らしい旅になったはずです。最後の方には雨が降ったのは残念でした。でも地域住民の人達がどんなに故郷の暮らしと仕事に誇りを持っているか、様々なつながりを大事にして持続可能な地域を築こうとしているか、深く心に留めたことと思います。
中2では1泊の「学年の日」で交流と友情を広げました。忍野八海の散策、クラスレクや学年レク、きもだめしとカレーライス作り・・・いろいろ盛り上がって楽しかったことでしょう。学年の日委員会の皆さんのまとめが見事でした。良かった点と反省点をきちんと振り返り、来年の研修旅行に向けて学年全体の課題を自覚していました。報告プリント裏面のクラス・学年の写真も素晴らしかったです。
中1では先日、これまでの総合学習のまとめが行われました。どのクラスでも活発に意見が出し合われ、立派なグループワークになりました。グループごとに意見が発表され、総合委員達は各グループから出た意見を吸い上げました。最後に学年全体で集まり、総合委員がある絵本を朗読し、先生のまとめを受けて、各自が全体を振り返りました。自分とは考えや価値観の違う人を認めて、お互いの違いを生かして協力し合える、柔軟な姿勢や心を持つようにしてほしいものです。
高1は、来月になった校外フィールドワークへ向けて、アポ取りの真っ最中です。
昨年の総合学習や研修旅行で学んだ成果を、卒論で深く表現してくれた皆さんが、どんな問題意識を深めて取り組んでもらえるか、大いに期待しています。
各学年の総合学習やイベントに共通する願いがあります。まず広い世の中に目を向けることです。インターネットを通じて日本や世界のあらゆる情報が瞬時に簡単に得られる時代になりました。しかしその分、直接に出会える世界が狭くなっていることが指摘されています。ネットの情報は有力な手がかりですが、直接行ってみて得られる知識や感動には決して及ばないのです。私はこの夏のアメリカ訪問でそのことを改めて痛切に感じました。Seeinng is believing=百聞は一見にしかず、との金言をかみしめました。
たとえば高2では、地震津波や火山噴火の大災害に遭った地域とそこにお住まいの住民の方々と出会い、農業や漁業で自然と向き合って暮らす民家に泊めて頂いて、始めて深々と知ることや認識できることがあったはずです。
この先どうなるのか不安や閉塞感だらけの現代です。でもこの世の中は思うよりもずっと広くて深いものです。すごい人達とその人生がいろいろあり、かけがえのない仕事と様々なつながりがあります。持続可能な社会を築こうと希望を持って取り組まれる様子に出会えると自分達の人生観がゆさぶられます。だからこそ直接に様々な現場で出会って学ぶことを、本校の総合学習や研修旅行で大事にしています。
そして周りの人達と話し合い、協力して取り組める力を、学校生活のいろんな場面で身につけて欲しいということが、学園の教育や学びで大事にしていることです。
「学年の日」の運営を徐々に生徒主体にしていくことも、総合学習のまとめの場面も、学校行事の様々な準備と進行も、みんな共通することです。
中学合唱コンクールの表彰方法をめぐって、実行委員会やクラスの話し合いが白熱しているようです。これまでのやり方の評価の問題、改善の方向と新しい案まで話し合っています。合唱コンコールにはそもそもどんな意味や価値があるのか、改めてその原点を考え合う機会になっていることを頼もしく感じています。
さて高3の皆さん、お元気でしょうか。今後の進学をめぐって、皆さんには様々な岐路に直面しています。いまは独りぼっちで現状を抱える他ない人も、少なくないことでしょう。
センター試験の受験まであとちょうど2か月になりました。ひたすら勉学に向かうのみです。これまでの学園生活で培った友情と連帯感を大切にして、それぞれの目標実現を励まし合って進んでいけるように祈っています。体調管理には本当に気をつけて、迷いや不安をふりきる強い気持ちを維持して頑張っていただきたいです。
他の学年の皆さん、後期中間試験まではあと・・・・・17日です。前期の反省を踏まえて、来月に待つ大きなヤマ場へ向けてベストを尽くしましょう。
最後に、改めて登下校のマナー問題についてふれておきます。狭い通学路を集団で登校・下校する自分の様子はいつもどうなっているか、想像してみて下さい。
私も皆さんと同じ道を毎日往復しています。よく挨拶してくれる爽やかな皆さんです。しかし数名で横に広がって歩き、そこを通る歩行者や車・バイク・自転車で通過する方々に対して、いまだに自覚のなさ過ぎる人やグループがいます。通学路沿いにお家のある方々からも厳しいお声やご注意がいまだにあります。失礼な対応をしてお怒りを受けるケースもあるのが現実です。
そうした身近なマナーや挨拶がちゃんと身についているかどうかは、大人になる上で想像以上に重要な事柄です。周囲の信頼や人望につながる要件でもあります。
世間には、通行上の衝突や言葉のやり取りが思わぬ傷害やトラブルに発展するケースが少なくありません。朝一番の混雑時、また部活帰りの混雑時に、もっと友達と声を掛け合って迷惑をかけない通学に努めて頂きたいです。どうかお願いします。
・・・・・・それでは以上で私の話を終わります。皆さんご静聴ありがとうございました。