第1222回 音楽を楽しむ~“アナログ復活”を考える ②
後期中間試験の第3日目です。前回のつづきを述べさせて頂きます。
私たち中高年の世代は、音楽を聴くツールについては、様々な変遷に従ってきました。時には翻弄されてきたともいえるでしょう。
10代~20代には大きなLPレコードを買い貯めていました。高校時代からクラシック音楽の深みに入り、フォークソングやニューミュージックにも親しみました。ジャズにもはまりました。カセットテープが大流行して、LPレコードからダビングしたり、カセットの製品を買うことも多々ありました。友人のオリジナル歌の弾き語りや自分の歌唱・演奏を聴くツールも常にカセットテープでした。
音楽CDの登場は革命的でした。デジタルの澄んだサウンド、頭出しの便利さ、場所を取らない利便。好きなJポップ系の音楽を中心に購入して、家族中でも廻して楽しみました。一時はMDにも魅せられ、よくダビングして楽しみました。MDが短期間でほぼ姿を消した経緯には驚き、喪失感が強かったです。
音楽配信が主流となり、わが子達は柔軟に移行しましたが、年寄りの自分は馴染めませんでした。好きな歌手やグループのCD鑑賞が今でもメインです。
そうした中で「アナログレコード復活」の動きに接しています。2階の奥に眠っている膨大なLPレコード(少ないけどSPレコードもある)を再びゆっくり聴き直すのも新たな楽しみになるかもしれません。買いっぱなしで聴いていなかったレコードとの初対面もいろいろありそうです。
若い世代にも、そうした新たな出会いがフレッシュな感動を届けてくれることを望みます。YouTubeで最新ヒット曲のミュージックビデオが公開され、各種の定額制ストリーミング配信など身近なサービスに慣れ親しんだ若者達が、どんなカルチャーショックを感じるのかを尋ねてみたいです。LPレコードの大きなモノとしての肌触り、レコードジャケットの独創的な魅力、アナログ盤特有の温かみのある音質など。音楽を鳴らして片付ける面倒臭さも含めて親しみを感じてもらえたらと思います。
同時に音楽愛好者のひとりとして、狭い範囲でも“自分の好きな音楽”の推薦を心がけたいといつも思います。自分の子供達や次世代の若物達に、様々な音楽ジャンルから「選りすぐりのお気に入り」を折に触れて伝えていきたいものです。時には次世代からの推薦に耳を傾けることも必要でしょう。ミュージックライフを交歓していきたいです。