第1231回 高校1年生の校外FWと大学模擬授業
今日は、先週に高1が取り組んだ、「総合学習の校外フィールドワーク」と「大学教官による模擬授業」についてご紹介いたします。
総合学習のテーマは「生命の尊厳」です。中学1年生の総合学習でも学んでいますが、人間観や社会観を深めた高校1年生として、生命の尊厳を基底に「人間らしく生きられる社会とはどのような社会なのか」の視点から、「国際」「社会を守る法」「貧困」「平和」「医療」「人間関係」の小テーマの中から選んで、学習を深める機会になりました。
11日(金)に、実際に社会の現場で活躍される各界の方々を訪問し、直接にお話を伺いました。問題意識を持って用意した質問はもちろん、更に積極的な問いかけが期待されました。合計32班に分かれ、官公庁・大学・病院・企業・政経団体・マスコミ・NPOなど多岐にわたる訪問先のご協力を受けました。
明け方からの悪天候が心配されましたが、何とか午前~午後ともに面会がかないました。計画書にもとづき、相手にアポイントを取り、お仕事の時間を割いて対応して頂くことへの感謝の念を忘れずに行動できたはずです。学年の先生方はチェックポイントでの対応を中心に連絡や巡回を行いました。このフィールドワークの報告会が今週行われています。高1諸君のメッセージに注目したいと思います。
翌12日(土)には、引き続き「大学模擬授業」が行われました。高1学年では毎年、諸大学の幅広い専門分野から先生方をお招きして実施しています。
今回は、各自が2コマずつ興味ある分野の授業をそれぞれ選んで受講してもらいました。当日開講された計13の講座内容を列挙してみます。
A情報コミュニケ「マスマーケティングとソーシャルマーケティング~企業の戦略とSNSの影響~」
B社会「オタクから研究者へ!アニメやマンガと社会の関係を科学的に探る」
C映画「映像のビジネスモデルの変遷から未来が見えてくる?」
D国際交流「海外旅行を見つめれば、社会の変化が見えてくる」
E国際交流「ドイツのエコ・ハイスクールのユニークな取り組み」
F食環境科学「トレーニングと栄養管理は車の両輪~スポーツを支える栄養~」
G音楽「音楽と社会の橋渡しをする人と仕事」
H医用工学「医療技術者はチーム医療を支える検査や装置管理のプロ」
I先進工学「ロボットカップに挑戦することでロボットの技術の発展を目指す」
J情報「遊びの哲学を持った、これからのコンピューターゲーム研究」
K外国語「日本文化の流入で中国はどう変わったのだろう」
L理工「銀河観測でたどる、宇宙の始まりの姿」
M獣医「動物の心と体の成長を支える動物看護士」
数多くの大学の先生方が、本校の生徒のためにご多忙な中を時間を割いて来園され、ご専門の研究分野について入門的な講義を準備して下さいました。
タイトルだけ見ても興味津々の内容であり、パワーポイントや様々な教具も持参され、高校生という受講対象に留意して語りかけや話題で工夫をこらした授業が展開されました。予定時間を越えたレクチャーになった所も少なくなかったようです。
終了後は所定のワークシートに授業内容の要約や感想・意見をまとめ、大学における学びの世界について考えたことや今後の抱負を記してもらいました。講師の先生方へもお届けが予定されています。
高2以後の「文理選択」へ向けた重要な岐路にあります。本日の学びも起点にして、興味を持った専攻分野や情報の紹介を手がかりに、ネットで関連情報を検索したり、図書室や大書店に足を運んで関連する書籍を探して読んでみてほしいものです。
※ 写真のうち2枚は、10日(木)に「アクティブラーニング」を主題に、高1の生徒諸君の協力を得て学内で行われた、中高教員の研究授業の様子を撮ったものです。