第429回 晴天のもと桜の花に囲まれて、中学校入学式を本日実施!
日に日にあちこちで桜が満開を迎えています。昨日は各地で絶好の花見日和でした。校舎前のまだ小ぶりな桜の木も、同じ日の朝から夕方へと開花が進む様子が気になるほどです。
今日も晴天に恵まれる中で、中学校入学式をアリーナで実施いたしました。
今回も生徒会総務委員や新入生歓迎実行委員の諸君が受付や誘導で手伝ってくれました。吹奏楽部の♪Flashing Winds♪の力強くて気持ちを鼓舞するような演奏で開式しました。学園歌斉唱、校長式辞に続いて、教頭から学校執行部と中1学年会スタッフの先生方の紹介があり、その後5クラスの担任よりクラス全員の名前をそれぞれ読み上げ、新入生の皆さんはその場で返事をして起立しました。大きな声で元気良く返事をする人たちが多くて、嬉しかったです。各担任から新しいクラスに寄せる願いについて、ひとことメッセージがありました。
「歓迎の言葉」は、在校生を代表して中3の奥脇健太君がスピーチしました。陸上部と生徒会総務委で頑張っている頼もしい先輩です。中学生になったら身の回りのことから学校生活の様々な場面まで、何事も自分の意志で行動し、自分の考えを大切に自主的に取り組むことが大事になる、と的確な助言が語られました。困った時には先輩や先生方も真剣に受けとめ助言して下さるので、安心して様々な課題にトライしていこうという力強い励ましの呼びかけでした。
「新入生挨拶」は、新入生を代表して臼井佳音さんがスピーチしました。オープンキャンパスの出会いを機に学園を志望したこと。生徒会に参加して学校行事に取り組みたいこと。もう入部希望の部活があること。勉強では特に本格的な実験を出来る理科が楽しみなこと。難しくなる勉強を頑張り、たくさん本を読んで視野を広げたいこと。そして入学式を準備してくれた先生方といつも支えて励ましてくれるご両親ご家族への感謝の気持ちが表明されていました。臼井さんの素直で温かい語り口は素晴らしく、対面の位置で聞きながら心にしみる感動につつまれました。挨拶の準備に立ち会った先生からは、始めから丁寧で完璧な文章を用意していて、本番の見事なスピーチにも感激するばかりでした!と伝えられました。
その後保護者の方々は残っていただき、理事長と学園長からご挨拶があり、学校法人とPTAからご案内のお話がありました。新入生の皆さんはクラス毎の記念写真の撮影があって教室へ入りました。「学級開き」では担任の自己紹介やクラスの願い表明、様々な連絡がありました。おおぜいの保護者の皆様が立ち会って参観して下さいました。ご両親お揃いの、またご家族多数でお越し戴いたご家庭も多く、皆様の入室をかなえられずに申し訳ございません。
帰りには入学式の立看板の前で、お子様とご家族のお写真を撮られるご家庭が続きました。何名かの教員で少しでもお役に立てればと協力させていただきました。多くの皆様に声をかけて戴いて本当にありがとうございます。
学年教員スタッフの堅いスクラムと全校教職員の協力を大切に、皆さんの新しい中学生活のスタートを見守ってまいります。どうかこれからよろしくお願い申し上げます。
それでは、本日入学式の校長式辞の内容を紹介させていただきます。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。 保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。 私は、本校の校長を務める山田です。よろしくお願い申し上げます。ようやく春本番となり、日に日に桜の花があちらこちらで満開を迎えています。晴天に恵まれたこの良き日に入学式を迎えられて、本当に嬉しく思います。 本日この入学式には、学校法人を代表して、理事長の高尾信様、PTAを代表して、PTA副会長の原田ゆう子様と鈴木由佳様、そして全学を代表して学園長の仲本正夫先生。以上の方々のご列席を頂いております。湘南学園全体を代表して一同心からお祝い申し上げます。新入生の皆さん、新しい中学の制服に身をつつんだ感じはいかがですか。今日からいよいよ、中学校生活がスタートします。ここには男子108名、女子101名、合わせて209名の人たちがいます。新入生の皆さんは、例年よりも多い人数となりました。とても嬉しいことですが、各クラスの人数が多めになったことを、ここでお詫び申し上げます。学年の教室配置や、縦割り編成の学校行事など今後の教育実施を考慮し、これまでの中学1年の実績をふまえて、また学年スタッフの増員を行って、5クラスで学年を編成させて頂きました。生徒の皆さん並びに保護者の皆様の、ご理解とご協力をお願いいたします。 さて、皆さんのお住まいは、神奈川県の様々な地域や東京都まで広くまたがっています。中にはたとえば、小田原・南足柄・湯河原・箱根方面や、厚木・伊勢原・秦野方面、町田・世田谷方面、川崎方面、横須賀・三浦方面から、電車やバスを乗り継いで、新たな通学を始める人たちもいます。本当に様々な地域から、湘南学園のこの新しい学年に集まってくれています。皆さん、この貴重な出会いを大切にしましょう。これから6年後、この湘南学園の高校を卒業するまでの間に、まずここにいる学年の仲間達と、いっぱい交流の輪を広げていきましょう。そして大人になってからも、ここで共に生活し取り組んだ友達とのつながりを、末長く大切にしていって欲しいと思います。皆さんは、それぞれの人生において、一番大切な目標は何だと思いますか。それは、揺るぎない幸せを築くことだと、私は考えています。 いま日本と国際社会は、さまざまな困難や課題に向き合っています。特に昨年3月に東日本大震災と福島原発事故が起きてから、人びとは社会のあり方や人生で大切なことは何かについて、改めて反省し、考え直しています。大震災の時は、当たり前だった暮らしが突然崩れる可能性もあることを、私たちは身を持って経験しました。電気が止まり、電車が止まり、食料が手に入らなくなることもあるのだと知りました。同時にこの世の中は、様々な人たちの仕事がつながって成り立っていることに気づいたはずです。被災者の人たちがいまどんな暮らしをしているか、皆さんは関心を持ち続けていますか。一年を過ぎて報道はだいぶ少なくなっていますが、人びとの暮らしや仕事、そして復興支援の取り組みに、これからも注意して目を向けていきましょう。皆さんの将来には、大きな世の中が広がっています。自分にふざわしい進路や仕事を選び、社会や地域で人の役に立つ手応えを得ること。愛する人と出会って、温かな家庭を築くこと。心を通わせ、助け合いや感謝の気持ちで結ばれる人間関係に恵まれて元気に生きていくこと。私が「幸福」の条件としてイメージするのは、そうした生活の姿です。 皆さん、これから始まる中学生と高校生の時代は、そんな人生の展望に向かってとても大切な時代になります。この6年間で皆さんは身体も心も大きく変化していきます。様々な悩みや葛藤やドラマをくぐって、劇的に成長していくのです。「思春期」とも呼ばれる難しい時代でもありますが、その中で皆さんは個性を深め、自分を再発見し、希望する進路をそれぞれ選んで旅立っていくことになります。この湘南学園は、その旅立ちに向けて、皆さんが様々な分野で学び、挑戦する舞台です。新たな学習を通じて視野を広げ、様々な機会に体験や交流を重ね、自分にふさわしい分野を探り当て、夢や希望いっぱいに社会へ進むための拠点になります。それでは、これからの学校生活で特に大事にして欲しい事を、3つにまとめてお話ししましょう。第1番目は、今日から出会う周りの一人ひとりを大事にすることです。学園小学校から進学した皆さんは、クラスが一緒になった友達を見つけて、もうさっそく声をかけたことでしょう。一方受験で合格して入学した皆さんは、この時点ではいわば「ひとりぼっち」です。いまは緊張や不安もいっぱいあることでしょう。でも大丈夫です。日に日に新しい友達に恵まれるはずです。クラスや学年だけでなく、この先クラブ活動や学校行事で、優しい先輩達とも知り合いになれます。 まず今日から、同じクラスの隣の人、近くの人、さびしそうな人に、少し勇気を出して声を掛けてみて下さい。そのうち電車などでも、一緒になれる知り合いが出てきて、毎日の通学が楽しみになっていくと思います。クラスには、身体の大きな人もいれば小さな人もいます。おとなしい人もいれば元気でうるさいくらいの人もいることでしょう。みんな顔が違うように、人間は性格も個性も様々です。私は中学に入った時は身長135センチでした。頭だけが異様に大きくて、おまけに男子なのに色白で、当時は少なかったひとりっ子で、おまけに転校生でひとりぼっちでした。いろいろ引け目があったことを覚えています。それでも何とかなるもので、勉強や部活もやる気になり、友達も出来て、身体も大きくなっていきました。 気をつけて欲しいことは、見かけのいろんな違いを理由に、他の人の気持ちを考えない言動を慎むことです。「あいつは変だぜ」とか「あの人きもい」のような悪口は絶対に慎みましょう。悪ふざけや暴言が重なって、いじめや大きなけんかにつながることもあります。特にいじめは絶対に許されないことです。「親しき中にも礼儀あり」という言葉がありますが、気心が知れている相手だとつい乱暴を重ねて傷つけることも起きやすいものです、直接にまたはメールなども含めて、言葉の暴力が一番注意です。「自分が言われたら嫌な事は相手には言わない!」というのが鉄則です。お互いに気持ち良く生活できるように、周りの人たちの気持ちを推し量れる人間になりましょう。この中高の6年間で学ぶのは、勉強だけではありません。人間関係の大切さについても、いろんな機会に学んでいって欲しいと思います。 第2番目は、自分から進んで積極的に学習する力を身につけることです。中学になると、授業を担当する先生は毎時間変わります。「算数」は「数学」と名前が変わります。新たに「英語」も始まります。各教科の宿題も小学校の頃よりずっと多くなります。そして年に数回、いろんな科目のテストが続く「定期試験」が行われます。一人ひとりの成績も詳しく示されて、皆さんやご家族のもとに報告されます。そして6年後には、大学進学という重要な課題が待っています。この春に卒業した先輩達がどんな大学に合格したかは、校舎の玄関やホームページで紹介されています。その素晴らしい実績に注目して欲しいと思います。皆さんもどうか高い学力を身につけて、自分が選んだ、将来の進路につながる、あこがれの大学に進学して欲しいと思います。 関連して第3番目には、いろんな本をたくさん読んで、自分の世界を豊かに拡げることです。読書の習慣を身につけ、「考える力」や「感じる力」を豊かにしましょう。皆さんは、小学校時代にすごく感動したり、心に残っている本はありましたか。町の図書館や、学校の図書室や、大きな本屋さんへはよく行きましたか。この学園の図書室は、皆さんの教室のすぐ近くにあります。ぜひ早めに行ってみて下さい。日当たりが良くて、気持ちのゆったりする、すてきな部屋です。3万4千冊近いたくさんの本が並んでいます。絵本やCD・DVDも置いてあります。お勧めの本には、司書の先生や図書委員会の先輩達が書いたお勧めのガイドもついているので、注目して欲しいです。 最後になりますが、保護者の皆様方、お子様のご入学を重ねてお祝い申し上げます。 |