第1291回 「新」がつく意味
新緑のなかの湘南学園中学校高等学校第12回新体育祭「START」
鵠沼のこの季節は、眼に溶け込むような新緑と多彩な花々の美しさの競演を繰り広げ、私たちの眼を楽しませてくれています。空に眼を転ずれば、湘南の抜けるような青空、そして降り注ぐ湘南の陽光、たおやかに吹き抜ける湘南の風、何とも人が人として生きていく上での豊かな環境がここにあることに改めて想いをいたした次第です。このような恵まれた環境を生かし、湘南学園は建学の精神を基調に特色ある教育活動を進めると共に、絶えずその先の時代が求める教学改革に意欲的に取り組み、83年の歴史を刻んできました。
さて、生徒会の三大行事の皮切りは「新体育祭」です。その新体育祭の「新」の意味ですが、そこには次のような理由があります。12年前になりますが、それまでの体育祭は教員主導の形態をとっていたといいます。その体育祭から生徒会・体育祭実行委員会主導の体育祭に変わりました。そこには生徒会主催への強い想いがあったといいます。それを忘れないために、「新体育祭」という名称をこれまでも大事にしてきました。生徒主体の学校に相応しい体育祭、新体育祭となっているのです。ここには生徒会・体育祭実行委員会の企画立案~実施そして総括、来年度に向けた課題確認と引継ぎまでを視野にいれた全取り組みへの強い自負を感じます。素敵なことです。
今年度の新体育祭テーマは「START」に決定しました。このテーマには「1年の始まりであるこの体育祭で燃え上がり、それぞれの1年のゴールへのすばらしいSTARTを切ってもらいたい…特に低学年の皆さんには、この体育祭で友だちを増やしたり、先輩と関わったり、充実した時間を過ごしてほしい」という体育祭実行委員会の願いが込められています。
新体育祭は雨天のため翌日に順延しましたが、開催当日の天気はまさしく体育祭日和になりました。生徒会・体育祭実行委員会そして予行を通じて準備を進めてきた生徒全員の気持ちが通じたのでしょう。早朝より湘南特有の強い陽光が降りそそぐ中、グラウンドの整備が進められ、中高クラス別縦割りの五色の旗の下、それぞれの色Tシャツに身を固めて競技、演技、応援合戦など終日にわたり繰り広げられました。中1の皆さんは先輩達の競技等の迫力に感動し、高2の皆さんはこの体育祭が高校生活最後の体育祭になることもあり、その想いと取り組みのエネルギーには目を見張るものがあったといってよいでしょう。こうした行事の一つひとつを通じて生徒の自主性、自律性は高まり、クラスの団結も強まります。また縦割り交流は理想とする上級生像をイメージすることにつながり、それに近づきたいとの想いを募らせることになるのです。こうして生徒自身目標をもち、自らの成長を自ら後押しする教育がここ湘南学園中学校高等学校にはあるといえましょう。
当日は多くの保護者の皆様にも参観にお越しいただき、お子様の躍動する姿に声援を送られるなど微笑ましい場面が多数見受けられました。ご参観、ありがとうございました。
こうして第12回新体育祭は成功裡に無事終了しました。生徒一人ひとりの眼には、自分たちの力でやり切ったという満足感が溢れ、まだ終わって欲しくないという声が聞かれるなか、新体育祭の新たな歴史を重ねることができたことに自信を深めた様子でした。皆さん、お疲れ様でした。