第503回 中学3年生の「特別教育活動」~本校の総合学習から
今日は、中学3年の総合学習の取り組みを紹介します。
中3の特活では、「自己の生活圏とは異なる地域」を対象とします。「日本の諸地域におけるさまざまな問題や地域文化を知り、そこで暮らし働く人びとの取り組みから学ぶ」という目標を掲げています。
例年、夏休み前に東京都区内へ分散の校外学習をします。テーマを決めて各地へ出かけ、お許しを得た訪問先でインタビューをしたり、まちを歩いて観察したりします。そして秋には、中国・瀬戸内地方への研修旅行を実施します。町おこし・村おこしのさかんな地域で多彩な体験学習を行い、広島での平和学習を組み入れています。
瀬戸内海の島々で住民の方々のお力を借りて行う「全員民泊体験」は今年度も実施されます。「過疎」「過密」の違いはあっても、多様で奥深い社会の姿を直接体験を通して知り、そこで生活する人びとから学ぶのです。
東京フィールドワークは、昨日行われました。「メトロポリス東京を探ろう~大都市で大切にしたいことは~」の学年テーマが掲げられ、生徒たちの興味や関心に即して、東京の地域文化を担うために協力し合い頑張っている人びとに会って学ぶFWが実施されました。
4月以後の準備では、特活委員会でまずFWの「キーワード」を決め、クラス毎の班分け、希望分野の調べ学習、各班の小テーマ決定、FW向け事前学習、行動計画や質問事項の協議をしてきました。「一人ひとりが設定地域に対するイメージをもち、仲間と意見交換しながら、社会の現実をありのままに見る」ことが大事にされました。そして昨日の訪問を受け、来週の学年報告会へ向けて学んだことをまとめる作業が待っています。訪問先は次の6コースでした。
「東京のランドマーク」班 「東京のファッション街」班
「巣鴨地蔵通り商店街」班 「下町・伝統」班
「多摩川の問題」班 「東京の町工場」班
墨田区・スカイツリー周辺、豊島区巣鴨、大田区の多摩川界隈と町工場地区、、渋谷区、浅草周辺など、訪問先は都内各地に分かれました。各班はクラスを越えて興味ある人たちで組まれた学年班です。委員会の生徒達が発行した特活通信を見ると、メンバーの一覧とともに、各班のメンバーは「班長」「アポ担当」「質問担当」「行動計画担当」「御礼状担当」に分かれて、全員で進める体制が確認できます。アポ取りの反省や当日の注意事項も記されています。
生徒諸君は「東京」ときいてまずどこを連想するのでしょうか。渋谷、新宿、秋葉原、上野、六本木・・・辺りでしょうか。東京はすそ野の広い大都会であり、世界中からの外国人も集まる国際都市です。同時に江戸の伝統文化が色濃く残る地域や、現代の産業と暮らしの問題が浮き彫りになる地域もあります。
東京のさまざまな姿に、そこで働き暮らす人びとの姿に接していろいろ考え、秋の研修旅行にもつながる「社会を見る眼」を鍛えて欲しいと思います。