第1304回 ロータリー交換留学生マリーヌさん、ようこそ!

2016年9月16日

双方向の留学環境づくり

 この8月から来年の7月までの1年間、フランスより来日した女子高校生マリーヌさんが湘南学園での留学生活に入りました。彼女を歓迎するウェルカムレセプションが、本学園カフェテリアにて温かな雰囲気の中で行われました。他方本学園高校よりフランスへ高橋さんが同様に1年間の留学生活を開始したところです。
 
 昨年度は、スウェーデンから学園中高へソルベ君が、同時期に学園高校から渡部さんがスウェーデンへ、それぞれ1年間の留学生活を送り、世界と日本を見つめる眼を養い、新たな時代を創造するグローバル・キーコンピテンシーをしっかり培い、私たちにその一端を披瀝してくれたのは7月のことでした。
 
 では双方向の留学生制度を発展させていく上で、湘南学園にはどのような支えがあるのでしょうか。

 1つは、湘南学園生徒会がロータリクラブの提唱している「インターアクトクラブ(以下「IAC」)」の一員であるということです。IACは12~18歳の青少年や高校生のための社会奉仕クラブとして、様々な協力活動に関わり、足元からグローバルな課題認識を培っています。このインターアクトクラブとグローバル・サークルの協働した活動が学校・生徒への評価としてなされているのかもしれません。
 
 2つ目は、湘南学園関係者の中で留学生の留学生活への理解が深まり、連携が充実してきていることです。上記のウェルカムレセプションは、留学生のマリーヌさんを心から歓迎する設えがありました。ホームステイ先の皆様、生徒会インターアクトクラブの生徒の皆さん、学園のグローバル教育委員会に関係する先生方、同窓会、後援会、理事会、学園管理職など50名を超える歓迎振りにマリーヌさんは本当に嬉しそうでした。
 
 3つ目は、留学生のホームステイ受け入れ体制の強さです。ホームステイ受け入れは、日本の国際化推進にとって大きな課題であることはよく指摘されるところです。その理由(課題)にはホームステイ先の語学の環境、住環境、食文化などの異文化理解などが挙げられます。湘南学園の場合でも、上記の3つの理由を全てクリアされているご家庭が迎え入れをしていただいているわけではありません。多くの迎え入れをしていただいているご家庭では、むろん留学生の迎え入れを国際貢献の一助であることを意識されてのことであったり、より具体的には留学生を迎え入れることによりご家庭に異文化理解の風を吹かせる意味を感じられてのことであったりと、理由は様々でありましょう。問題は受け入れに係る1つひとつの課題をご家庭で共有し、それを「楽しむ」意識に立たれるご家庭がこの湘南学園に通学させている保護者の皆様には少なくないということです。
 
 湘南学園中学校高等学校では、グローバルな時代の進展のなかで、グローバルセミナーと呼ばれる各種留学生の派遣、夏期・春期短期留学を幅広く展開しています。具体的には、姉妹校であるオーストラリア・ノックス校への留学生の派遣や夏期短期留学を双方向形式で取り組んでいること、加えてカナダへの夏期短期留学、リトアニア・ポーランドヒストリーツアーなど湘南学園ESD教育と関わった展開も強めていることです。また今年度5回目を数える「ヤングアメリカンズ」の取組みも色を添えます。来春には、台湾への短期留学が予定されているなど、今後グローバル・セミナーの幅広い取組みが続きます。