第475回 中学生は「道徳教育の時間」で大切な講演会

2012年6月8日

 今日は、高校生は中間試験の最終日になります。中学生は試験が昨日で終了しています。前期と後期の中間試験の翌日には中学生対象の「道徳教育の時間」を設けており、今回も講演会が中心になります。
 この時間には、日常生活でおこる様々な人間関係の問題を扱い、関連する映画を観たり、社会で活躍される方々の講演を聞いて、中学生がマナーやモラルの問題をより深く、共に考え合う機会になるように考えて設定しています。

 今年度も昨年度に引き続き、東日本大震災を受け、被災地で救助活動や復興支援活動に携われた方々、できれば現地で被災された方々から直接にお話を伺いたいと考えました。
 東日本大震災および福島原発事故から、早くも1年数か月が経っています。被災者の方々の生活やお仕事を取り巻く環境は、現在も過酷な状況にあります。壊滅的な被害を受けた諸地域の復興や、汚染地域の正常化、そして住民の方々のご帰還には相当な年月がかかることが予想されています。
 そこで今回は、歴史的な大災害とその後の現実に引き続き目を向け、住民の方々の暮らしと切実な願い、復興に関わる方々の努力を知ること、そして自分達の生活と可能な貢献、家族や地域のつながりを改めて考え直すことを目的としました。

 講師を務めて下さるのは、末永正志様です。岩手県釜石市職員として防災、広報関係のお仕事に長く取り組まれ、教育委員会と連携して市内の小中学校を廻って防災教育を推進された方です。「釜石の奇跡」と呼ばれた生徒達の自主的な行動には、末永様達の防災教育カリキュラムと教材に基づく指導の成果があったのです。退職後には一般市民として被災経験をお持ちです。今回本校の依頼に応じて下さり、はるばる学園までお越し下さることになりました。

 現地の詳細な被災状況や、釜石市の先進的な防災・減災教育のあり方、その後の地域や行政の取り組みなどについて、生徒と教員共々幅広く学びたいと思います。また今後の対策や訓練などに生かしていきたいと願っています。そして生命のかけがえのなさ、私たちが出来る行動、そして家族や地域の絆について深める機会にしたいと考えています。