第486回 中学1年生の「特別教育活動」~本校の総合学習から
今日は、中学1年生が終日で「特別教育活動」に取り組んでいます。その年間テーマとここまでの取り組み、本日のプログラムについて紹介しましょう。
テーマは「“ふつう”って何?~みんな違って、みんな大切な存在なんだ~」とされています。中学1年生の特活では、「ハンディキャップを持つ人びとへの理解を深める」ことを通して、「ひとりひとりの人間の大切さ」に気づくこと、深めることを目的としています。教室で受ける授業だけでは経験できない貴重な体験学習に取り組んだり、本を読んだりお話を聞いたり、また自分の感じたことや考えたことを発表したりする機会が設けられています。
すでにまずGW中の課題で、「わたしが生まれたときのこと」、「○○さんに聞きました!わたしのどこが好きですか?」の聴き取り作文をまとめてもらいました。家族や親戚の人たちと改めて貴重な会話ができたことでしょう。
5月下旬には、担任の先生による課題作文の発表を行い、合わせて指定文献『ちーちゃん』の朗読を聞いて考えました。班ごとに話し合って所定のワークシートにまとめました。学年フロアにはクラス毎のまとめが掲示されています。
その後特活委員会で、終日体験学習の運営へ向けた話し合いが重ねられ、新しい文献学習の希望調査が行われました。『五体不満足(肢体不自由)』、『あなたの声がききたい~聴覚障害の両親に育てられて~(聴覚)』、『全盲の僕が弁護士になった理由(視覚)』のどれかをそれぞれが読みこんでいます。
今日は、終日の体験学習です。特活委員会の生徒諸君も呼びかけや指示をしています。午前中はサブアリーナ・ホール・教室を始め、校内の各地に分かれて、車椅子体験(2種類)、難聴体験、視覚体験(2種類)をクラス毎のローテーションで体験していきます。この日のために車椅子を42台借用し、アイマスク・紙コップと箸・耳栓・イヤーディフェンダーな多数の用具を使用します。リトルストアや図書室などの協力も受けています。学年の先生方と実習生の先生方は総出で要所に分かれて、生徒たちの様々な活動を監視、援助しています。
こうした体験学習を経て、そのプログラムでも助言を下さり、毎年中1特活でご指導を頂いている、服部一弘氏(NPO法人アミニ理事長)の講演会を4校時に聴きます。本日の学びを総合する重要な講演
会です。
5校時にはそれぞれ個人が今日学んだこと感じたことをワークシート
に記入し、6校時はさらに班ごとで話し合ってワークシートをまとめ、クラスでその発表や討議を行います。
これらの学びは、さらに来月に行われる特活へとつながっていきます。いずれまた紹介したいと思います。